寄附金控除は年末調整では受けられません。年末調整の計算範囲を定めた所得税法190条に寄附金控除(同法78条)が入っていないためで、会社員でも寄附金控除を使うには確定申告(還付申告)が必要です。勤務先に寄附の領収書を出しても源泉徴収票には反映されず、「所得控除の額の合計額」に寄附金控除が含まれていないのは正常な状態です。
以下の金額と要件は、国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)と所得税法・地方税法の条文に基づきます。認定NPO法人や政党への寄附では、所得税率、寄附額、税額控除の上限によって有利な方式が変わるため、申告書を出す前に両方式の減税額を比較してください。
まとめ:寄附金控除を受けるための要点
- 寄附金控除は年末調整の対象外です。所得税の寄附金控除には会社員も確定申告が必要で、源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」には含まれません。ただし、ふるさと納税でワンストップ特例の要件を満たす場合は、確定申告をせず住民税から控除を受けられます。
- 控除額は「特定寄附金の合計額」と「総所得金額等の40%」の低いほうから2,000円を引いた金額です(国税庁No.1150)。
- 認定NPO法人等・公益社団法人等・政党等への寄附は、所得控除の代わりに税額控除を選べます。認定NPO法人等・一定の公益社団法人等の40%税額控除は、所得税額の25%という上限などにかからなければ、税率33%以下では所得控除より有利です。政党等の控除率は30%なので、別に比較します。
- 所得控除と税額控除の選択は確定申告書の提出時に決まり、修正申告で選び直すことは認められていません(国税庁 質疑応答事例)。
- 住民税の寄附金税額控除は、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」に寄附額を書かないと受けられないことがあります。ふるさと納税と他の寄附を同じ年にした場合は、ワンストップ特例分も含めて全額を申告します。
寄附金控除が年末調整で受けられない理由と源泉徴収票の見え方
所得税法190条が年末調整で計算する控除の範囲
年末調整で適用する所得控除の範囲は、所得税法190条2号に定められています。列挙されているのは、社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除・地震保険料控除(同号イ・ロ)、障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除・扶養控除(同号ハ)、配偶者控除・配偶者特別控除(同号ニ)、特定親族特別控除(同号ホ)などで、寄附金控除(78条)、医療費控除(73条)、雑損控除(72条)は入っていません。
そのため、勤務先の担当者が受け付けたくても、年末調整の計算に寄附金を入れる方法自体がありません。国税庁のタックスアンサーNo.2030「還付申告」も、「特定の寄附をしたとき(寄附金控除)」を、確定申告で所得税の還付を受けられる場合の1つに挙げています。年末調整の手順を説明したNo.2662「年末調整のしかた」の根拠法令も所得税法190条です。
| 控除 | 年末調整 | 会社に出す書類 |
|---|---|---|
| 基礎控除・配偶者(特別)控除・特定親族特別控除 | 受けられる | 基礎控除申告書(兼用様式) |
| 扶養控除・障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除 | 受けられる | 扶養控除等(異動)申告書 |
| 社会保険料・小規模企業共済等掛金・生命保険料・地震保険料控除 | 受けられる | 保険料控除申告書 |
| 住宅借入金等特別控除(2年目以降) | 受けられる | 住宅借入金等特別控除申告書 |
| 寄附金控除・寄附金特別控除 | 受けられない | 確定申告で受ける |
| 医療費控除・雑損控除 | 受けられない | 確定申告で受ける |
| 住宅借入金等特別控除(1年目) | 受けられない | 確定申告で受ける |
年末調整で会社に出す申告書は、扶養控除等(異動)申告書、基礎控除・配偶者(特別)控除・特定親族特別控除・所得金額調整控除の申告書、保険料控除申告書などで、住宅ローン控除を受ける人は住宅借入金等特別控除申告書も提出します。これらに寄附金を書く欄はありません。人事・労務管理システムで年末調整を電子化している会社でも、寄附金控除は処理できません。従業員から寄附の受領証を渡された給与担当者は、受け取らずに確定申告で使うよう案内します。
源泉徴収票の所得控除合計に寄附金控除が含まれない理由
年末調整済みの給与所得の源泉徴収票には年末調整の結果が記載されますが、寄附金控除の欄はなく、「所得控除の額の合計額」にも寄附金は含まれません。ふるさと納税をしても源泉徴収票の数字が変わらないのは、記載漏れではありません。寄附金控除は、確定申告書の上で源泉徴収票の金額に上乗せする形で反映されます。
年末調整を済ませた会社員が確定申告するときの手順
年末調整済みの会社員が寄附金控除のためだけに申告する場合、手順は次の4つです。
- 源泉徴収票の「支払金額」「源泉徴収税額」と、社会保険料・生命保険料などの控除額をそのまま申告書へ転記する
- 寄附先から受け取った受領証(ふるさと納税なら「寄附金控除に関する証明書」でも可)をもとに、寄附金控除の額を計算して加える
- 税額控除を選ぶ寄附がある場合は、計算明細書と寄附先から交付された証明書類を用意し、所轄庁等の証明書など写しでよいとされる書類は写しを用意する
- 第二表の「住民税に関する事項」に、住民税の控除対象になる寄附額を区分ごとに記入する
年末調整で精算済みの税額との差額が還付される「還付申告」になるため、提出は翌年1月1日から5年間できます。申告期間(令和8年分は令和9年2月16日から3月15日まで)を過ぎても間に合います。還付申告の仕組みは還付申告とは?確定申告との違いと会社員が出すべき5つの場面・5年の期限で詳しく扱っています。
寄附金控除の対象になる寄附と対象にならない寄附
寄附金控除の対象は、所得税法78条の「特定寄附金」に当たる寄附だけです。寄附先ごとに、使える所得税の控除と住民税の控除が異なります。
| 寄附先 | 所得税の所得控除 | 所得税の税額控除 | 住民税の税額控除 |
|---|---|---|---|
| 国 | 対象 | なし | なし |
| 都道府県・市区町村 | 対象 | なし | 基本分(総務大臣指定団体は特例分も) |
| 認定NPO法人等 | 対象 | 40%(選択) | 条例指定なら対象 |
| 公益社団・財団法人、学校法人、社会福祉法人など | 対象 | 40%(要件を満たす法人のみ) | 条例指定なら対象 |
| 日本赤十字社 | 対象 | なし | 住所地の都道府県内の支部なら対象 |
| 政党・政治資金団体 | 対象 | 30%(選択) | なし |
公益社団法人等の税額控除は、運営組織や市民からの支援について一定の要件を満たした法人に限られ、法人側が所轄庁等の証明書の写しを交付します(国税庁No.1266)。認定NPO法人等の要件は国税庁No.1263にあります。寄附先がどれに当たるかは、受領証や寄附先の案内で「税額控除対象法人」と明記されているかで確かめます。
控除の対象外になる寄附の典型例
- 学校の入学に関してする寄附、寄附した人に特別の利益が及ぶもの、政治資金規正法に違反するもの(No.1150)
- 菩提寺の改築費などお寺への寄附。寺が公益法人で、その寄附が財務大臣の指定を受けた場合を除き対象外です(No.1150 Q1)
- 配偶者など本人以外の名義で支払った寄附。配偶者控除の対象になっている妻名義の寄附でも、夫の確定申告では控除できません(No.1150 Q3)
- 政治資金パーティーのパーティー券代、政党の党費や後援会の会費(No.1154 関連Q&A)
- 令和8年1月1日以後に公職の候補者が自分が代表を務める特定政党支部へする寄附(No.1154)
寄附金控除の計算式と所得税・住民税が減る金額
控除額の計算式と総所得金額等40%の上限
寄附金控除の額は次の式で求めます(所得税法78条・国税庁タックスアンサーNo.1150)。
寄附金控除額 =「その年の特定寄附金の合計額」と「総所得金額等の40%」のいずれか低い金額 − 2,000円
寄附金控除は所得控除なので、控除前後で同じ税率区分に収まり、他の税額控除などの影響がなければ、所得税の減少額は「控除額×所得税率」で求められます。ここに復興特別所得税(2.1%)の減少分が加わります。令和9年分からは防衛特別所得税が新設され、復興特別所得税の税率が1.1%に下がりますが、2つの合計税率は2.1%のまま変わりません(国税庁No.2260)。課税所得400万円(税率20%)の人が認定NPO法人に5万円寄附して所得控除を選んだ場合、控除額は48,000円で、所得税の減少額は48,000円×20%=9,600円、復興特別所得税を含めると約9,800円です。
総所得金額等の40%という上限は、所得に比べて寄附が非常に大きい場合にだけ効きます。総所得金額等が300万円なら上限は120万円で、それを超える寄附はその年の控除に使えず、翌年へ繰り越すこともできません。
10万円の寄附で所得税と住民税が減る金額
「10万円寄附したらいくら戻るか」は、寄附先と所得税の控除方式で大きく変わります。課税所得400万円(所得税率20%)の会社員が令和8年中に10万円を寄附した場合を、所得税(復興特別所得税を含む)と翌年度の住民税の合計で比べると次のとおりです。住宅ローン控除など他の税額控除の影響はなく、寄附額は所得に応じた限度額内とします。
| 寄附先・方式 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 認定NPO法人(所得控除) | 約20,000円 | 9,800円 | 約29,800円 |
| 認定NPO法人(税額控除40%) | 約40,000円 | 9,800円 | 約49,800円 |
| 同上・住所地の条例指定なし | 約40,000円 | 0円 | 約40,000円 |
| ふるさと納税(上限額の範囲内) | 2,000円を除く全額 | 98,000円 | |
所得控除の場合は控除額98,000円×20%=19,600円に復興特別所得税分(2.1%)が加わり約2万円、税額控除の場合は98,000円×40%=39,200円に同じく2.1%分が加わり約4万円です。この人の所得税額は372,500円なので、25%相当額の100円未満を切り捨てた上限93,100円にはかかりません。住民税の9,800円は、住所地の都道府県と市区町村の両方がその法人を条例で指定している場合の(10万円−2,000円)×10%で、指定がなければ0円です。ふるさと納税は、上限額の範囲内なら所得税・住民税の基本分・特例分の合計で自己負担2,000円を除く全額が控除され、この例では合計98,000円の減税になります。上限額の求め方はふるさと納税の仕組み|2,000円で済む控除の内訳と住民税がいくら安くなるかの計算例で扱っています。
所得控除と税額控除の選び方
認定NPO法人等・公益社団法人等・政党等への寄附は、寄附金控除(所得控除)と寄附金特別控除(税額控除)のどちらか有利なほうを選べます。税額控除は所得税額から直接差し引きますが、減税額の大小は控除率だけでは決まりません。所得控除による税額の減少分と、上限適用後の税額控除額を比較します。
税額控除の控除率と所得税額25%の上限
| 制度 | 特別控除額の計算 | 上限 | 国税庁 |
|---|---|---|---|
| 認定NPO法人等寄附金特別控除 | (寄附額−2,000円)×40% | 2制度の合計で所得税額の25% | No.1263 |
| 公益社団法人等寄附金特別控除 | (寄附額−2,000円)×40% | No.1266 | |
| 政党等寄附金特別控除 | (寄附額−2,000円)×30% | 単独で所得税額の25% | No.1260 |
認定NPO法人等の上限は「25%から公益社団法人等寄附金特別控除額を引いた残額」とされているため、この2つは25%の枠を共有します。政党等寄附金特別控除は別枠で25%が設けられているので、両方に寄附した人は最大で所得税額の50%まで税額控除を受けられます。いずれも100円未満は切り捨てます。表の式は、その制度だけを利用する場合の基本式です。所得控除や複数の寄附金特別控除を併用する場合、総所得金額等の40%の限度額と差し引く2,000円は制度間で調整するため、制度ごとに独立して計算せず、各計算明細書に従います。政党等寄附金特別控除は令和11年12月31日までに支払った寄附が対象です(国税庁No.1260)。
税率別に見る10万円寄附の所得税の減少額
次表は、10万円を寄附した場合に控除対象額98,000円へ各税率・控除率を掛けた、上限適用前の参考値です。復興特別所得税は含みません。実際の減税額は、所得税額25%の上限と、所得控除で税率区分をまたぐかどうかで変わります。課税所得195万円以下の行では、税額控除の上限は最大でも24,300円なので、表の39,200円・29,400円は全額使えません。
| 課税所得 | 税率 | 所得控除 | 税額控除40% | 税額控除30%(政党等) |
|---|---|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 4,900円 | 39,200円 | 29,400円 |
| 195万超330万円以下 | 10% | 9,800円 | 39,200円 | 29,400円 |
| 330万超695万円以下 | 20% | 19,600円 | 39,200円 | 29,400円 |
| 695万超900万円以下 | 23% | 22,540円 | 39,200円 | 29,400円 |
| 900万超1,800万円以下 | 33% | 32,340円 | 39,200円 | 29,400円 |
| 1,800万超4,000万円以下 | 40% | 39,200円 | 39,200円 | 29,400円 |
| 4,000万円超 | 45% | 44,100円 | 39,200円 | 29,400円 |
25%の上限にかからない限り、40%の税額控除は控除前の課税所得が1,800万円以下の人なら所得控除より有利です。所得控除の前後とも税率40%の区分に収まる場合は同額、控除額に税率45%が適用される部分があれば所得控除が有利になります。税率区分をまたぐ場合は、控除前後の税額差で比べます。たとえば課税所得1,800万1,000円の人が10万円を寄附すると、所得控除による減税額は1,000円×40%+97,000円×33%=32,410円で、40%の税額控除39,200円のほうが多くなります。
政党等の30%税額控除は、所得控除後も課税所得が900万円を超えるなら所得控除が有利です。900万円以下へ下がる場合は、控除前後の所得税額の差と、上限適用後の税額控除額を計算して比べます。
税額控除を選ぶと損をする場面
判断を誤りやすいのは、所得税額そのものが小さい人です。税額控除は所得税額の25%が上限なので、課税所得100万円(所得税額5万円)の人の上限は12,500円です。10万円の寄附で計算上39,200円の税額控除があっても12,500円しか使えません。この金額なら所得控除の4,900円より多いので税額控除が有利ですが、寄附が50万円になると逆転します。所得控除なら控除額498,000円で課税所得が502,000円まで下がり、所得税は5万円から25,100円へ24,900円減ります。税額控除は12,500円で頭打ちです。所得に比べて寄附が大きい年は、両方を計算してから選びます。所得税額がゼロの人は、どちらを選んでも所得税は戻りません。
もう1つは選択のやり直しです。国税庁の質疑応答事例「政党等寄附金特別控除と寄附金控除の選択替え」は、確定申告で政党等寄附金特別控除を選んだ後に寄附金控除のほうが有利と分かっても、修正申告での選択替えは認めないとしています(租税特別措置法41条の18第1項・3項)。申告書を出す前に、上の表で税率を確認してから選びます。
住民税の寄附金税額控除とふるさと納税との併用
住民税で控除される寄附と10%の計算
所得税の寄附金控除とは別に、住民税にも寄附金税額控除があります(地方税法37条の2・314条の7)。控除額は(寄附金の合計額−2,000円)×10%で、内訳は道府県民税4%・市町村民税6%(指定都市に住む人は2%・8%)です。寄附金の合計額は総所得金額等の30%が限度です。
対象になるのは、都道府県・市区町村への寄附、住所地の都道府県内にある共同募金会や日本赤十字社の支部への寄附、住所地の都道府県や市区町村が条例で指定した寄附です。認定NPO法人への寄附でも、住所地の自治体が条例で指定していなければ住民税は減りません。指定都市以外に住む人の場合、道府県だけが指定していれば4%、市町村だけなら6%です。政党等への寄附は住民税の控除対象に入っていません。住民税の計算全体は住民税はいくら?年収別早見表と市町村民税所得割額の確認方法【令和8年度】にまとめています。
ふるさと納税と他の寄附を同じ年にしたときの申告
ふるさと納税でワンストップ特例を申請していても、他の寄附のために確定申告をすると特例の申請は無効になります。国税庁No.1155は「ワンストップ特例の申請をした分も含めて寄附金控除額を計算する必要があります」としています。ふるさと納税分を申告書に書き忘れると、所得税の寄附金控除からも住民税の特例控除からも外れます。
この場合、第二表の「住民税に関する事項」にある「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」欄にふるさと納税の金額を必ず記入します。所得税の確定申告書は住民税の申告書を兼ねており、この欄が空欄だと住民税の寄附金税額控除が受けられないことがあります。ふるさと納税の手続きの詳細はふるさと納税の確定申告のやり方|必要な人の条件・必要書類・e-Taxの入力と還付額の検算、控除額の計算はふるさと納税の仕組み|2,000円で済む控除の内訳と住民税がいくら安くなるかの計算例で扱っています。
確定申告書の書き方と添付書類
第一表と第二表で記入する欄
- 第二表「寄附金控除に関する事項」:寄附先の所在地・名称と寄附金の額を書きます。
- 第一表「所得から差し引かれる金額」の「寄附金控除」欄(令和7年分の様式では㉙):計算した寄附金控除額を書きます。
- 第一表「税金の計算」の「政党等寄附金等特別控除」欄:税額控除を選んだ場合に、計算明細書で求めた特別控除額を書きます。
- 第二表「住民税に関する事項」:「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」「共同募金、日赤その他の寄附」「都道府県条例指定寄附」「市区町村条例指定寄附」の4欄に区分して寄附額を書きます。
住民税の4欄は重複して書くことがあります。国税庁の令和7年分の手引きの記載例では、住所地の都道府県と市区町村の両方が条例で指定した認定NPO法人への15,000円を「都道府県条例指定寄附」と「市区町村条例指定寄附」の両方に入れています。総務大臣の指定を受けていない自治体への寄附は、特例控除対象の欄ではなく「共同募金、日赤その他の寄附」欄に書きます。
寄附先ごとに必要な添付書類
| 寄附の種類 | 添付する書類 |
|---|---|
| 寄附金控除(共通) | 寄附先が交付した受領証(添付または提示) |
| 一定の学校法人等への寄附(所得控除) | 特定公益増進法人である旨の証明書の写しも必要 |
| ふるさと納税 | 受領証、または特定事業者の寄附金控除に関する証明書 |
| 政党等(所得控除・税額控除とも) | 確認印付き「寄附金(税額)控除のための書類」+税額控除時は計算明細書 |
| 認定NPO法人等の税額控除 | 計算明細書と、寄附先が交付する証明書類 |
| 公益社団法人等の税額控除 | 計算明細書と、寄附先が交付する証明書類・所轄庁等の証明書の写し |
政党等の「寄附金(税額)控除のための書類」は、確定申告書の提出に間に合わないことがあります。その場合は受領証の写しだけを付けて申告し、書類が届いたら速やかに税務署へ提出します(No.1150・No.1260)。
e-Tax申告の証明書データ取込みと添付省略
国税庁の確定申告書等作成コーナーで寄附金控除を入力すると、税額控除の計算明細書も自動で作られます。ふるさと納税の「寄附金控除に関する証明書」は、特定事業者が発行するXMLデータを取り込めます。e-Taxで送信する場合、寄附金控除の証明書と、政党等・認定NPO法人等・公益社団法人等の各寄附金特別控除の証明書は、記載内容を入力すれば税務署への提出や提示を省略できます。ただし法定申告期限から5年間は保存が必要です(e-Tax よくある質問)。源泉徴収票は平成31年4月1日以後、紙でもe-Taxでも添付不要です。
申告を忘れた・間違えたときの対応
寄附金控除を入れずに申告を済ませた場合、申告期限内なら訂正した申告書を再提出します。期限後は、所得税額が減るなど更正の請求の要件を満たせば、原則として法定申告期限から5年以内に請求できます。確定申告義務のない人が提出した還付申告については、原則として還付申告書を提出した日から5年以内です。ふるさと納税のワンストップ特例を申請していたのに誤って確定申告で寄附金控除を入れなかった場合も、更正の請求で直せます(No.1155)。ただしこのケースで寄附金控除を入れても所得税額が変わらない人は更正の請求ができないため、住所地の市区町村に相談します。
所得控除と税額控除の選び直しは、前述のとおり修正申告ではできません。また、寄附は支払った年分の控除として申告するため、受領証の受領年月日(年末の寄附は特に)と申告対象の年分を確認します。例えば令和8年中の寄附は、令和9年に提出する令和8年分の申告書に記載します。
寄附金控除についてよくある質問
年末調整で寄附金控除を受けることはできますか?
できません。年末調整で計算する控除は所得税法190条に列挙されたものに限られ、寄附金控除は含まれていないためです。会社員も確定申告で寄附金控除を受けます。
源泉徴収票に寄附金控除が記載されないのはなぜですか?
年末調整済みの給与所得の源泉徴収票には年末調整で適用した所得控除が反映されますが、寄附金控除はその対象外だからです。「所得控除の額の合計額」に寄附金が含まれていないのは正常で、確定申告書の上で控除を加えます。
ふるさと納税と寄附金控除は併用できますか?
併用できます。ふるさと納税も寄附金控除の一部なので、他の寄附と合算して控除額を計算します。ただし確定申告をするとワンストップ特例は無効になるため、ふるさと納税の分も申告書に記入します。
10万円を寄付したらいくら戻りますか?
寄附先と所得によって変わります。課税所得400万円の人が認定NPO法人に10万円を寄附した場合、所得控除なら所得税が約2万円、税額控除なら約4万円減り、住所地の都道府県と市区町村の両方がその法人を条例で指定していれば、住民税も9,800円減ります。ふるさと納税なら、上限額の範囲内で98,000円が控除されます。
NPO法人への寄付はすべて控除されますか?
所得税で控除されるのは、所轄庁の認定または特例認定を受けた認定NPO法人等への寄附です。認定を受けていないNPO法人への寄附は、住所地の自治体が条例で指定していれば住民税の寄附金税額控除だけが対象になります。