ERPとMRPの違いを調べると「MRPは生産管理に特化、ERPは全社を統合」という説明にたどり着きます。範囲の話としては正しいのですが、これだけでは「では自社はどちらを入れるべきか」に答えが出ません。両者を同じ土俵で比べようとすると、話がかみ合わなくなるからです。生産管理用語の国内規格であるJIS Z 8141:2022は、MRPとMRP II、そしてERPシステムを同じ節のなかで別々に定義しています。その定義を並べると、二つは範囲の広さが違うのではなく、種類の違うものだとわかります。この記事ではJISの定義を出発点に、所要量計算の手順、SAP S/4HANAとDynamics 365での実装、規模で選び分ける通説が成り立たない理由までを整理します。
まとめ:ERPとMRPの違いの結論
- MRPは計画の方式、ERPシステムはソフトウェアです。JIS Z 8141:2022はMRP(2101)を「生産管理体系」、ERPシステム(2114)を「総合情報システム」と定義しており、両者は同じ種類のものではありません。
- MRPはERPの内側に入ります。同規格のCIMの項(2308)は、統合の対象を列挙するなかで「ERP(MRPII,経理・財務報告システムなど)」と書き、ERPの構成要素としてMRP IIを括弧内に置いています。
- 正味所要量の基本は、総所要量から有効在庫量を差し引く計算です。JISの正味所要量(2106)は「総所要量から当該品目の有効在庫量(手持在庫及び発注残)を差し引いた量」で、安全在庫はこの定義式に含まれません。
- 実製品ではMRPはERPの計画エンジンとして動きます。SAP S/4HANAはMRP LiveをHANA上で実行し、Dynamics 365 Supply Chain ManagementはPlanning Optimizationで計算をSQLデータベースの外に出しています。JISのペギング(2107)は、両製品の機能名と出力にそのまま現れます。
- 企業規模でMRPとERPを選び分ける判断は成り立ちません。MRPが動くかどうかを決めるのはBOM・在庫・リードタイムのデータ精度で、従業員数ではありません。
ERPとMRPの定義・対象業務・実体の比較
比較の前提として、JIS Z 8141:2022がそれぞれをどう位置づけているかを押さえます。この規格は「生産管理用語」を定めたもので、1983年3月1日に制定され、最新の改正日は2022年3月22日です。用語の分類は「b) 生産システム 1) MRPシステム」という節を持ち、そのなかに2101のMRPから2114のERPシステムまでが並びます。MRPを扱う節の末尾にERPシステムが置かれている構成そのものが、両者の関係を示しています。
| 比較軸 | MRP(資材所要量計画) | ERPシステム |
|---|---|---|
| JIS Z 8141:2022の用語番号 | 2101 | 2114 |
| 定義上の分類 | 生産管理体系 | 総合情報システム |
| 対応英語 | material requirements planning | enterprise resources planning system |
| 求めるもの | 資材の必要量と必要時期 | 基幹業務プロセスの実行支援 |
| 入力データ | MPS・BOM・生産計画情報・在庫情報 | 各業務プロセスの機能とデータ |
| 対象業務 | 資材の調達と製造の計画 | 販売・在庫・物流・生産・購買・会計・人事 |
| 実体 | 計算のやり方 | 統合業務パッケージ |
この表で決定的なのは「定義上の分類」の行です。MRPは体系、つまり計画の立て方であり、ERPシステムはそれを動かすソフトウェアです。だから「MRPとERPのどちらを導入するか」という問いは、「どの計画方式を採るか」と「どのソフトウェアを買うか」という別の問いを混ぜています。MRPという製品カテゴリには、所要量計算に加えて在庫管理や購買管理を備える生産管理ソフトも含まれますが、規格上の用語としてのMRPはソフトウェアを指しません。
JIS Z 8141:2022が定めるMRP・MRP II・ERPの定義
MRP(2101)は必要量と必要時期を求める生産管理体系
JIS Z 8141:2022の2101は、MRPを「MPS(2110参照),BOM(3307参照),生産計画情報及び在庫情報に基づいて,資材の必要量(所要量)及び必要時期を求める生産管理体系」と定義しています。入力が4つ指定されている点に注目してください。基準生産計画、部品構成表、生産計画情報、在庫情報です。このうち1つでも実態と合っていなければ、MRPの出力は実行できない計画になります。
同項の注釈1は「MRPでは,生産計画及び統制(管理)の対象となる品目を独立需要品目と従属需要品目との二つに分け,各々の計画方法を明確に区別している」と述べます。独立需要品目(2103)は受注や予測から必要量を決める品目で、注釈では最終製品とサービスパーツが例に挙がります。従属需要品目(2104)は親品目の需要から算定される品目です。MPSは独立需要品目の生産予定を定め、MRPはそれを基に部品や材料の所要量を展開します。ただし、実製品のMRPでは受注や独立所要量も計画対象に含まれます。
MRP II(2108)は要員と設備まで管理対象に広げた概念
2108のMRPIIは「資材所要量計画だけでなく,要員,設備といった資源も管理対象として,製造・購買などの製造企業の活動を計画し,管理する総合的生産管理の概念及び技法」です。注釈1が付けている補足が重要で、「従来のMRPと区別するため,広義のMRPと呼ぶこともある」とあります。MRP IIはMRPを置き換える別物ではなく、MRPの資材計画を含んだうえで要員・設備の計画を加えた呼び方だということです。この呼称を広めた文献はOliver W. Wightの『Manufacturing resource planning : MRP II : unlocking America’s productivity potential』で、Internet Archiveには1984年刊のO. Wight版(ISBN 0-939246-03-1)が収蔵されています。
MRP IIで加わった管理対象は、規格上ではキャパシティプランニング(2111)として具体化されています。プライオリティプランニング(2109)で決めた製造オーダを計画どおり実行するために必要な製造能力を算出する活動です。資材だけを計算していたMRPに対し、その計画を実行できる能力があるかを問うのがMRP IIの側だと整理できます。
ERPシステム(2114)はパッケージを利用する総合情報システム
2114のERPシステムの定義は、MRPの定義と文の作りが明確に違います。「販売・在庫管理・物流の業務,生産管理又は購買管理の業務,管理会計又は財務会計,人事管理などの基幹業務プロセスに必要なそれぞれの機能及びデータを,あらかじめ備えたソフトウェア群及びデータベースによって構成される統合業務パッケージを利用して,相互に関係付けながら実行を支援する総合情報システム」です。「あらかじめ備えた」「パッケージを利用して」という語が入っており、規格はERPを製品の形態として定義しています。
この定義の対象業務には「生産管理又は購買管理の業務」が含まれます。ERPの中に生産管理が入っていることは、規格の定義文からそのまま読み取れます。ERPの全体像そのものはERPとは何か?企業の経営を支える統合基幹業務システムの意味と基本機能を初心者にもわかりやすく徹底解説で扱っています。
JISのCIM注釈におけるERPとMRP IIの関係
包含関係を規格の文言で示せる箇所が、もう一つあります。コンピュータ統合生産システム(2308)の注釈2で、統合すべきシステムの列挙のなかに「ERP(MRPII,経理・財務報告システムなど)」という表記があります。ERPの直後の括弧にMRPIIと経理・財務報告システムが並ぶ書き方で、JIS自身がMRP IIをERPの構成要素として扱っています。「MRPはERPの一部」という一般的な説明は、この記述で裏付けられます。
MRPの計算手順:総所要量から正味所要量まで
MRPが何を計算しているかは、数字を入れると一目でわかります。製品を100個作る計画で、その製品に部品Aを各2個使い、部品Aの手持在庫が30個、必要日までに入荷する発注残が50個あるとします。安全在庫・歩留まり・ロット制約を考えない場合、総所要量は100×2で200個、正味所要量は200から30と50を引いて120個です。この120個をいつ発注するかを決めるところまでがMRPの範囲です。JIS Z 8141:2022には、この各段階に対応する用語がそろっています。
| JIS番号 | 用語 | 定義の要点 |
|---|---|---|
| 2110 | MPS(基準生産計画) | 独立需要品目をタイムバケット単位で設定した生産予定 |
| 3307 | BOM(部品構成表) | 親部品の生産に必要な子部品の種類と数量 |
| 3306 | 部品展開 | BOMを基に必要な部品・材料の種類と数量を求める行為 |
| 2105 | 総所要量 | MPSを基にBOMを展開した下位品目の所要量 |
| 2106 | 正味所要量 | 総所要量から有効在庫量を差し引いた量 |
| 2102 | タイムフェイズ | 時間を小期間に細分化して計画・統制する行為 |
| 2107 | ペギング | 下位品目の総所要量の出所となる親品目を探す行為 |
BOM展開による総所要量の算出
出発点はMPSです。2110の定義では「独立需要品目を対象品目とし,品目ごとにタイムバケット単位で設定した生産予定」で、注釈1は需要予測・受注・資材及び生産能力の利用可能性・生産方針を考慮して立てると補足しています。このMPSにBOM(3307)を掛け合わせるのが部品展開(3306)です。3306は「計画期間内に生産しなければならない最終製品の種類及び数量が決まったとき,BOMを基に,それらの製品を作るために必要な構成部品又は材料の種類とその数量とを求める行為」と定義され、注釈1で「部品所要量計算ともいう」とされています。こうして出た下位品目の所要量が総所要量(2105)です。
注釈2は展開の方向を2つ挙げます。親部品から子部品へ向かうエクスプロージョン法と、子部品から親部品へ向かうインプロージョン法で、一般的には前者を用いるとされています。後者は「この部品が足りないとどの製品が作れなくなるか」を調べる向きの計算です。
有効在庫量の控除による正味所要量の算出
総所要量をそのまま発注してしまえば、手元にある在庫が二重に積み上がります。そこで差し引くのが有効在庫量です。2106は正味所要量を「総所要量から当該品目の有効在庫量(手持在庫及び発注残)を差し引いた量」と定義しています。括弧の中身が定義の一部で、引く対象は手持在庫と発注残です。発注済みでまだ入っていない分も引く点が、実務では見落とされやすい箇所です。ただしこの2つを無条件に全量合算するわけではありません。MRPは必要時期も求める計算なので、発注残は入荷予定日を踏まえ、対象の所要日までに使える量だけを差し引きます。
ここで注意したいのが安全在庫の扱いです。JISの2106の定義式に安全在庫は出てきません。ただし語が無いことは、計算で考慮しないことを意味しません。実装では安全在庫を計画に使える在庫から控除する方式があり、その分だけ正味所要量は増えます。他社の記事と自社のERPパッケージで数字が合わないときは、まずこの扱いの違いを疑ってください。在庫側の考え方は在庫管理とは?JIS定義でみる目的・発注方式・業務フローと指標の決め方で詳しく扱っています。
タイムバケットの大きさと計画の時間粒度
MRPは数量だけでなく時期も求めます。その時間軸を扱う用語がタイムフェイズ(2102)で、「MRPにおいて,連続した時間の流れを隣り合った適切な小期間に細分化して,この小期間単位で全ての生産活動を計画・統制する行為」と定義されます。注釈1は「タイムフェイズされた各期間のことをタイムバケットといい,この大きさをどのくらいに設定するかでMRPの計画の細かさが決まる」と述べています。
設定画面のパラメータに見えて、計画で何を表現できるかを決める箇所です。週単位の集計では週内の前後関係を区別しにくくなり、日単位にすると同じ計画期間でも扱う期間数が増えます。処理時間への影響は製品の計算方式やデータ量によって変わるため、粒度は次に見る実行時間の制約と合わせて決めることになります。
ペギングによる所要量の出所の追跡
複数の製品に同じ部品が使われていると、「この発注はどの製品のためのものか」がわからなくなります。それを追うのがペギング(2107)で、「親品目が複数ある場合,下位品目の総所要量の出所となる親品目の所要量を探す行為」と定義されています。特定の受注が遅れたときにどの部品の発注を止めればよいかを判断する場面で使う機能です。この用語は規格だけの概念ではなく、次に見るように実際のERP製品の画面と出力に現れます。
ERP製品におけるMRPの実装方式
MRPは計画方式であり、実務ではERPのMRP機能や、所要量計算を備えた生産管理ソフトを通じて利用します。ここでは主要2製品の公式ドキュメントから、MRPがERPの中にどんな形で入っているかを見ます。
SAP S/4HANA:MRP LiveによるHANA上での計算
SAPの公式ラーニングコンテンツ「Outlining Material Requirements Planning with MRP-Live」は、MRP Liveを「MRP-Live refers to the migration of the traditional MRP Planning capability to run on SAP HANA.」と説明しています。従来のMRP機能をHANA上で動かすように移したもの、という位置づけです。
移した理由も同じ資料が書いています。従来のMRPは「a resource-intensive batch process, which involves thousands of materials in hundreds of physical locations」、つまり数千品目と数百拠点を対象とする重いバッチ処理でした。所要時間も「The process typically takes hours to execute」とされ、だから実行は「typically run once a week, once every couple of days, or overnight」、つまり典型的には週1回、数日おき、あるいは夜間でした。HANA上に移した効果は「With MRP on SAP HANA, the MRP runs faster and more frequently.」の一文に集約されています。
関連トランザクションの一覧には「MD09: Determine Pegging Requirements」が並びます。JIS 2107のペギングが、そのままトランザクション名になっている例です。
Dynamics 365 Supply Chain Management:Planning Optimizationによる外部計算
Microsoft Learnの「Master planning system architecture」は、Dynamics 365 Supply Chain Managementのマスタープランニングを担うPlanning Optimizationアドインについて「enables master planning calculation to occur outside Dynamics 365 Supply Chain Management and the related SQL database」と記述しています。計画計算をアプリケーションとSQLデータベースの外側で走らせる構成です。利点としては「Do more frequent planning runs. (You’re not limited to daily runs.)」、つまり日次実行にとどまらず頻繁に計画を回せることが挙げられています。
計画実行の結果については「The results include information such as planned orders and pegging information.」と書かれています。SAPと同じく、返ってくるのは計画オーダとペギング情報です。
2社の実装方式は同じではありません。SAPのMRP Liveは計算をHANAデータベース側へ押し込み、MicrosoftのPlanning Optimizationは逆にアプリケーションとSQLデータベースの外側のサービスで計算します。向きは反対ですが、動機は共通していて、従来のMRP処理が重いことです。ERP内のMRP機能が必ず外部サービスとして実装されるわけではない点は、製品を比較するときの着眼点になります。生産管理側から見た全体像は生産管理システムとは?機能・ERP/MESとの違いから種類・選び方と内製化の判断まで解説にまとめています。MRPと対になる製番管理との違い(在庫を製番間で共有するかどうか)は製番管理とは:MRPとの違いと製番を紐付けるデータモデル・引当SQLで扱っています。
「MRPかERPか」で選べない理由と、先に決めるべきこと
企業規模だけで判断できないMRPとERPの選定
ERPとMRPの比較記事には「中小企業には導入しやすいMRP、大企業には統合管理できるERP」という整理がよく出てきます。この線引きには根拠がありません。MRPの入力はJIS 2101が指定するとおりMPS・BOM・生産計画情報・在庫情報であり、従業員数はそこに含まれていません。部品構成が深く品目数の多い中小の部品メーカーでは、MRPの計算負荷はむしろ高くなります。逆に組立工程を持たない企業でも、配合や加工に必要な原材料の数量と時期を計画するためにMRPを使う場合があります。分かれ目は規模ではなく、構成品の数量関係をBOMとして表現できる製品かどうかです。
MRPが機能しない3つの前提条件
MRPを導入しても計画が使われないままになる典型は、入力データの精度不足です。ここではBOM、在庫・発注残、リードタイムの3点を確認します。
- BOMが実際の作り方と一致していない:3307のBOMは「必要な子部品の,種類及び数量」を示すものです。設計変更が反映されていないBOMを展開すれば、総所要量の段階で誤った数量が出ます。
- 在庫と発注残が実態と合っていない:2106の正味所要量は有効在庫量を引いて求めます。手持在庫の記録が現物と違えば、引き算の結果は必ず狂います。
- リードタイムが固定値のまま更新されていない:MRPは必要時期を逆算します。実績と乖離したリードタイムを使えば、数量は正しくても時期が合いません。
入力データが実態と合っていなければ、ERPの計画結果をそのまま実行できず、現場での修正や再計算が必要になります。ERP導入プロジェクトでマスタ整備に時間を割くのは、この前提条件を満たすための作業です。
MRP以外の補充方式を検討する条件
製造業であればMRPを回すべきだとは限りません。JIS Z 8141:2022はMRPシステムと並べてJITシステムを別の節(2201以降)に立てており、後工程の要求に合わせて必要な分だけ生産する方式を独立した生産方式として定義しています。需要が安定し工程が流れ化されている現場では、後工程引取りによる補充も検討対象になります。方式の採否は、補充リードタイムや補充単位をそろえ、欠品と在庫量を比較して判断します。MRPに在庫の緩衝の考え方を加え、品目ごとに製番管理と混在させる国産パッケージの実例はTPiCSのf-MRP製番管理の仕組みと向く工場の条件で取り上げています。この考え方はジャストインタイム(JIT)とは?JISの定義・トヨタ生産方式での起源とかんばん方式で扱っています。
なお、ERPと基幹システムの違いを整理したい場合は基幹システムとは?業務システム・ERPとの違いと構成領域・刷新の進め方を解説が対象領域と刷新の進め方まで扱っています。
よくある質問
MRPとERPはどちらが新しいのですか?
概念として先にあるのはMRPです。JIS Z 8141:2022も2101のMRP、2108のMRPII、2114のERPシステムを、管理対象が資材から要員・設備、会計・人事へと広がる順に並べています。新旧で優劣が決まるわけではなく、MRPは現在もERPの中の計画方式として動いています。
MRPはERPの機能の一部という説明は正確ですか?
範囲の関係としては正確です。ただし規格上のMRP(2101)は「生産管理体系」であってソフトウェアではないため、厳密には「ERPというソフトウェアがMRPという計画方式を実装している」という関係になります。機能の一部という言い方だと、MRPを別製品として単体導入する選択肢が見えにくくなる点に注意してください。
MRPの正味所要量に安全在庫は含まれますか?
JIS Z 8141:2022の2106の定義には含まれません。正味所要量は「総所要量から当該品目の有効在庫量(手持在庫及び発注残)を差し引いた量」と定義されており、引く対象として挙がるのは手持在庫と発注残だけです。ただし定義文に語が無いことは、計算で考慮しないことを意味しません。実装では安全在庫を計画に使える在庫から控除する方式もあるため、規格の定義式と、利用するパッケージの計算仕様は分けて確認してください。
MRP IIとERPの違いは何ですか?
管理対象の範囲が違います。MRPII(2108)が計画し管理するのは「製造・購買などの製造企業の活動」です。一方ERPシステム(2114)の定義に挙がる対象業務は、販売・在庫管理・物流、生産管理または購買管理、管理会計または財務会計、人事管理までを含みます。ただしMRP IIも販売や財務との連携を含むため、製造の外側を扱うかどうかだけでは区別できません。
MRPの計算はなぜ夜間バッチで回すことが多いのですか?
計算が重いためです。SAPの公式ラーニング資料はMRPの計画実行を「a resource-intensive batch process, which involves thousands of materials in hundreds of physical locations」と説明し、典型的には週1回、数日おき、または夜間に実行されるとしています。SAP S/4HANAのMRP LiveがHANA上で動くのも、Dynamics 365のPlanning OptimizationがSQLデータベースの外で計算するのも、この制約を外すための設計です。
MRPだけを担うシステムを単体で導入できますか?
できます。所要量計算を中心にした生産管理ソフトは単体の製品として販売されています。ただし、在庫や購買を別システムで管理する場合は、その情報との連携が必要です。MRPeasyのように在庫管理と購買管理を備える製品もあります。別システムと併用する場合は、品目や取引先マスタの管理元と同期方法を決める必要があります。二重管理の有無は、導入範囲と連携設計によって変わります。