LO活(ローカツ)は、厚生労働省が委託事業として運営する地方就職の支援プロジェクトです。東京圏・大阪圏に住む学生や若手社会人が、地元や地方の企業へ就職するための情報と無料の個別相談を提供しています。
この記事では、公式サイトと申込フォームに書かれている内容をもとに、LO活で実際に受けられるサービス、利用登録と相談予約の手順、LO活では扱っていない求人紹介の探し方、登録者アンケートの数字の読み方を整理します。
まとめ:LO活でできることと使い方の要点
- LO活は「Local+就活」の略で、厚生労働省の地方人材還流促進事業の通称です。事務局はパーソルビジネスプロセスデザイン株式会社が務めています。
- 主な対象は東京圏・大阪圏に住む学生と若年社会人です。利用登録も個別相談も無料で、相談は対面・Zoom・電話・メールから選べます。
- LO活は求人サイトではありません。応募先は、自治体の企業紹介サイトやハローワークで探します。
- 利用登録はフォームに入力するとメール配信が始まる方式です。ログインするマイページはありません。
- 登録者アンケート2025では新卒の内定率が92%でした。新卒の地方就職希望率は46%、地方で就職が決まった割合は32%です。32%は地方就職希望者だけを母数にした割合ではありません。
以下で、制度の成り立ち、サービスの中身、使い分けの順に解説します。
LO活の制度概要:厚生労働省「地方人材還流促進事業」と運営体制
名称と読み方:Local+就活でローカツ
LO活は「Local」と「就活」を組み合わせた造語で、読みは「ローカツ」です。「労活」「ロー活」と書かれることもありますが、正式な表記は英字の「LO活」です。公式サイトは「地方就職を考える若年層を応援する厚生労働省のプロジェクト」と説明しています。
事業の位置付けと運営事務局
正式な事業名は「地方人材還流促進事業」で、2015年度に始まりました。2017年度の事業概要では、東京圏・大阪圏の若者に情報を届けて地方就職を希望する人材を掘り起こし、ハローワークの全国ネットワークで地方の求人とつなぐことを趣旨としています。地方の人口減少と人材確保をめぐる政策全体は、地方創生の目的と歴史的経緯で解説しています。
運営は国から民間企業への委託です。公式サイトの事務局表記は「パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社」で、東京事務局は港区芝浦、大阪事務局は大阪市北区末広町にあります。2017年5月の発表では、株式会社インテリジェンスが3年連続で受託したとされていました。
対象者:東京圏・大阪圏に住む学生と若年社会人
2017年度の事業概要では、対象を「東京圏と大阪圏に居住する学生を含むおおむね35歳未満の若者」としていました。東京圏は埼玉・千葉・東京・神奈川、大阪圏は滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良の各府県です。効果が見込める場合は、35歳から40代前半の非正規雇用労働者も対象に含めていました。
現在の公式サイト(保護者向けページ)も、LO活を「東京圏・大阪圏在住の、地方圏への就職に関心を持つ3万人の登録者が利用するサービス」と説明しています。登録フォームの「現在の状況」には学生のほかに就労中・無職・その他の選択肢があり、既卒者や社会人も登録できます。
LO活の3サイトと無料サービスの中身
LO活は、利用者の立場に応じて3つのサイトに分かれています。検索で企業向けサイトに着いてしまうと、学生向けの相談窓口が見つからないので注意してください。
| サイト | 主な利用者 | できること |
|---|---|---|
| LO活(local-syukatsu) | 学生・既卒・若年社会人 | 利用登録・就活相談・イベント検索 |
| LO活-think | 働き方に悩む若手社会人 | モヤモヤ診断・キャリア講座・相談 |
| LO活 for company | 地方の中小企業 | UIJターン採用のノウハウ・助成金情報 |
学生と転職希望の社会人が使うのは上の2つです。LO活 for companyは採用担当者向けの情報サイトで、求職者の登録窓口はありません。
個別相談の形式・時間・相談できる内容
相談の目玉は、LO活の相談員による無料の就活相談です。公式ページには、相談できる内容として次の6つが挙がっています。
- 地方・地元への就職相談全般
- 各道府県の就活情報の提供
- ツールを使った自己分析(興味・価値観・強みの3コース)
- 履歴書やエントリーシートの添削
- 面接対策
- LO活を利用した先輩へのOB・OG訪問の支援
添削を受ける前に、エントリーシートで学生時代の経験をどう書くかを整理しておくと相談時間を有効に使えます。書き方の考え方は、ガクチカで企業が重視する項目の実データも参考になります。
申込フォームは東京と大阪で分かれていて、相談時間や対面の条件も異なります。
| 項目 | 東京 | 大阪 |
|---|---|---|
| WEB相談 | 40分予定 | 60分予定 |
| 電話相談 | 40分予定 | 30分予定 |
| 対面の場所 | 移住・交流情報ガーデン | 天満オフィス |
| 対面の条件 | 月曜は対面なし | 平日10〜17時のみ |
| 希望日の指定 | 申込日から3日目以降 | 3日目以降(土日祝を挟むと5日目以降) |
東京の対面相談を行う移住・交流情報ガーデンは、中央区京橋にあります。2026年4月1日からは10時から18時の営業で、休館日は月曜(月曜が祝日の場合は火曜)です。大阪は対面相談が平日の10〜17時に限られ、土日祝はWEB相談と電話相談だけになります。平日に大阪のオフィスへ行けない人は、最初からWEB相談で申し込んでください。
セミナー・イベント情報と道府県別の支援制度検索
公式サイトのセミナー・イベント情報では、道府県・開催地・テーマ(就職/インターン・就労体験/移住)・対象者で絞り込みができます。LO活事務局の主催イベントに加え、各道府県の現地、東京・大阪、オンラインなどで開かれる説明会・相談会・就労体験等も掲載されています。事務局主催のものには、面接やESの不安をテーマにした「LO活Cafe」のほか、毎年開かれる道府県別の合同説明会があります。2025年1月に開かれた「ジブン×地方 道府県別説明会2025」は、事務局の案内で「40を超える道府県が大集合」とうたわれていました。
道府県別の支援制度一覧では、「交通費補助」「奨学金返済免除・支援」「住宅・転居支援」などの制度を自治体ごとに調べられます。地方就職者向けのアンケートで「あれば利用したかった支援」の1位は交通費の補助でした。面接のたびに地方へ行く費用がかかるなら、応募前にこの一覧を確認してください。
LO活タイプチェックの判定内容
タイプチェックは、5分程度の質問に答えると適職とワークライフ指向がわかる無料診断です。「気遣いコブタ」「職人コブタ」など6つのキャラクター(特性)と、「地元地方志向型」「都市部就職希望型」など5つの指向を掛け合わせ、30通りのタイプに分けます。結果にはおすすめの道府県が3つ表示されます。
行きたい地域がまだ決まっていない段階なら、候補を絞る材料になります。公式の解説によると、キャラクター(特性)は株式会社エスワイティの特性診断テストKATSの10問で判定し、ワークライフ指向は地方就職・地方での暮らし・地方企業で働くことへの意向度を問う設問で判定します。結果は自己理解の材料にとどめ、応募先の仕事内容や条件は別に確認してください。
利用登録から相談予約までの手順とログイン画面がない理由
LO活の利用登録は、会員サイトのアカウントを作る方式ではありません。フォームに入力して送信すると、メール配信の対象になる方式です。
- LO活の公式サイトの「利用登録」から登録フォームを開く
- 氏名・学校名・生年月日・卒業年・メールアドレス・希望道府県(最大3つ)・出身と現住所の都道府県を入力する
- 「お知らせメール(月2回)」と「お役立ちメール(月1回)」の配信を希望するか選ぶ
- 送信後に届く確認メールを受け取る(@os.persol-bd.co.jp からの受信を許可しておく)
- 相談したいときは「就活相談」から東京か大阪の申込フォームで希望日時を送る
希望道府県の欄では東京都を選べません。LO活が発信するのは東京以外の46道府県の情報だからです。東京都内での就職を希望するかどうかは、別の設問で答えます。
「LO活 ログイン」で検索する人は少なくありません。しかし、公式サイトのメニュー、登録フォーム、相談ページのいずれにも、ログイン画面やマイページへの入口はありません。登録内容の確認や相談予約は、届いたメールと各フォームから行います。メールを止めたい場合は、サイト下部の「メールマガジン配信停止・サービス停止」フォームにアドレスを入力し、返信メールの案内に沿って手続きします。フォームを送っただけでは停止は完了しません。
LO活でできないこと:求人紹介はハローワークと自治体サイトの役割
LO活を「地方の求人サイト」だと思って登録すると、戸惑うことになります。LO活自身は求人票を掲載していません。公式サイトの「企業検索」から開くのは、自治体の企業紹介サイトやハローワークへの案内ページです。企業向けのLO活 for companyにも「当サイトでは求職者の紹介・求人掲載は行っておりません」と明記されています。
LO活が担うのは、情報を集約することと、就活を相談で支えることです。実際の応募先は、次の窓口で探す分担になっています。
- 道府県別支援ページから飛べる「企業紹介サイト一覧」(各自治体が運営する地元企業の求人・企業情報サイト)
- 新卒応援ハローワーク(大学等を卒業予定の学生・生徒と、卒業後おおむね3年以内の人が対象。全国56か所)
- わかものハローワーク(正社員をめざすおおむね35歳未満が対象)
- ハローワークインターネットサービス(自宅から全国の求人を検索できる)
LO活の調査レポートは、地方企業は有料の民間求人媒体を使わず、無料で全国に求人を出せるハローワークを使うケースが多いと説明しています。同じ2025年調査で、ハローワークを実際に使った登録者は23%でした。「名前は知っているが行ったことがない」は72%です。地元の中小企業まで視野に入れるなら、LO活とハローワークを併用するのが近道です。
地方企業との選考が進むと、他社を辞退するよう迫られる場面もあります。そうなったら、オワハラの違法性と断り方を読んだうえで、LO活の相談員にも相談してください。
就職先決定調査2025で見る地方就活の実態と数字の読み方
LO活は毎年、登録者を対象に就職先決定調査を行い、結果をLO活 就職先決定調査アンケート 2025として公開しています。2026年9月15日時点で最新の2025年版は、2025年4月1日から2026年5月20日にかけて、2026年卒と既卒者(社会人)の登録者に実施したもので、有効回答は3,365名です。
| 項目 | 新卒 | 既卒 |
|---|---|---|
| 最終的な内定率 | 92%(前年同率) | 78%(前年比3ポイント増) |
| 地方就職の希望率 | 46% | 37% |
| 地方で就職が決まった割合 | 32% | 31% |
内定率は「就職・転職済」「内定あり(活動終了)」「内定あり(活動継続中)」と答えた人の割合です。
新卒の地方就職希望率と決定割合の差
新卒の地方就職希望率は46%、地方で就職が決まった割合は32%で、14ポイントの差があります。どちらも回答者全体に対する割合なので、地方就職を希望した人のうち何割が地方で決まったかは、この集計からはわかりません。地方で就職しなかった理由の1位は「やりたい仕事や働きたい会社が東京圏・大阪圏にしかなかったため」(18.4%)です。
業種別に見ると、就職先に占めるIT・通信系の割合は、東京圏の18%に対して地方圏では9%でした。この割合は回答者の就職先の構成であり、地域別の求人数や採用可能性を直接示すものではありません。IT・通信系を志望する人は、希望地域の求人と勤務地を個別に確認してください。一方、地方就職を選んだ理由の1位は「地元で暮らしていきたいため」(35.2%)でした。「地元に貢献したい」(16.3%)が続きます。地元での暮らしを理由に挙げる回答が最多でしたが、仕事内容との優先順位までこの集計から断定することはできません。
内定率92%をLO活の効果と読めない理由
この調査は、LO活に登録した人のうち回答した人の集計です。LO活を使わなかった人との比較はありません。そのため、92%という内定率は、LO活を使えば92%が内定するという意味にはなりません。
実際、地方就職者が役立ったと答えた支援の1位は「民間のウェブサイト、イベント、個別相談」、2位は「学校内のイベントやキャリアセンター」でした。「LO活の個別相談」は、地方でのイベントと並ぶ3位で、前年の6位から上がりました。ただし、これは地方で就職が決まった人が役立ったと答えた支援の順位です。LO活だけを使った人の割合や支援の併用状況はわからず、利用者全体の満足度を示すものでもありません。「LO活 評判」を調べるときは、この前提を踏まえて数字を見てください。
LO活が向いている人・向いていない人の判断基準
LO活が最も役立つのは、東京圏か大阪圏に住みながら、特定の地方(多くは出身地)で働きたい人です。現地に通わずに道府県別の説明会や支援制度をまとめて把握でき、地方企業の探し方も相談員に聞けます。地元以外へのIターンを考えていて地域が決まっていない人も、タイプチェックと道府県別説明会で候補を絞り込めます。
逆に、次のケースではLO活を中心に据える意味が薄くなります。
- 東京都内の企業だけを受ける人(LO活の情報提供の対象外)
- すでに地方に住み、地元のハローワークや自治体窓口に直接行ける人
- 応募したい企業が決まっていて、求人票と選考対策だけが必要な人
地方就職を決めたあとに不安が大きくなり、気持ちが沈むこともあります。その場合は、内定ブルーと公的な相談窓口もあわせて確認してください。
LO活に関するよくある質問
LO活とロー活は同じ意味ですか?
厚生労働省のプロジェクトとしての正式な表記は「LO活」で、読みは「ローカツ」です。「Local」と「就活」を組み合わせた言葉なので、「労活」は正式な表記ではありません。なお、SNSでは「ロー活女子」という俗語が使われることがありますが、これは服装に関する言葉で、地方就職支援のLO活とは関係ありません。検索でLO活の情報を探すときは、「LO活 厚生労働省」「LO活 地方就職」のように語を足すと公式情報にたどり着きやすくなります。
LO活にログインするにはどうすればよいですか?
LO活には、ログインして使うマイページがありません。利用登録は、フォームを送信すると希望道府県の情報がメールで届く方式です。相談の予約も、東京と大阪それぞれの申込フォームから行います。登録したかどうかわからない場合は、「@os.persol-bd.co.jp」から届いたメールを探してください。見つからなければ、公式サイトのお問い合わせフォームから事務局に確認できます。
LO活の利用に料金や年齢制限はありますか?
利用登録・就活相談・タイプチェックは、いずれも無料です。ただし、Zoomで相談する場合の通信料は利用者の負担です。利用登録フォームと就活相談のページには、年齢の上限は書かれていません。自治体向けのイベント掲載基準では、参加対象を「学生」と「概ね35歳くらいまでの若年求職者」としています。2017年度の事業概要でも、対象はおおむね35歳未満の若者でした。これを超える年齢の人は、登録や相談の前にお問い合わせフォームで事務局に確認すると確実です。
社会人や既卒でもLO活を使えますか?
使えます。LO活の就職先決定調査2025は、2026年卒の学生に加えて既卒者(社会人)の登録者も対象にしており、既卒者の内定率は78%でした。働きながら転職先を探す社会人向けには、姉妹サイトのLO活-thinkが、モヤモヤ診断やキャリア講座、個別相談を用意しています。講座は東京・大阪・オンラインで開催されています。在職中で時間が取りにくい人は、移動のいらないWEB相談や電話相談について、希望日時の空き状況を確認してください。
地方に住んでいてもLO活を利用できますか?
LO活は東京圏・大阪圏の在住者を主な対象にした事業で、対面の相談窓口も東京と大阪にしかありません。一方で、WEB相談・電話相談・メール相談があり、セミナー・イベント情報や支援制度の一覧は誰でも閲覧できます。すでに就職したい地域に住んでいる場合は、その地域のハローワークや道府県の就職支援窓口に直接行くほうが、求人の紹介まで一度に受けられます。