SNEP(スネップ)は「Solitary Non-Employed Persons」の頭文字をとった語で、日本語では孤立無業者と訳します。東京大学社会科学研究所の玄田有史(げんだ・ゆうじ)氏が2012年に示した概念で、20歳以上59歳以下・在学中を除く未婚の無業者のうち、調査対象の連続2日間に家族以外の誰とも一緒にいなかった人を指します。無職であることより、人とのつながりが切れていることに着目した点が、ニートとの決定的な違いです。
以下では、玄田氏の公表資料にある人数と内訳を年次で並べ、ニート・ひきこもりとの違いと2026年時点の相談先までを扱います。
まとめ:スネップの定義・最新人数・ニートとの違いの要点
- 定義:20〜59歳・在学中を除く未婚の無業者のうち、調査対象の連続2日間に家族以外の誰とも一緒にいなかった人。提唱者は玄田有史氏、初出は2012年。
- 人数:1996年74.6万人、2011年162.3万人(ピーク)、2016年155.9万人。2016年は総数こそ減ったものの、未婚無業者に占める割合は63%から68%へ上がり、一人型は34.3万人から40.6万人へ増えました。
- 年齢:2011年から2016年にかけて20代が60万人から46万人へ減り、40代は35万人から41万人、50代は22万人から25万人へ増えています。孤立無業は中年へ移っています。
- 最新値は2016年:もとになる総務省「社会生活基本調査」は5年周期で、2021年調査にもとづく推計は玄田氏の公表資料では確認できません。令和8年調査は2026年10月20日現在で実施されています。
- ニートとの違いは年齢の上限(ニートは34歳まで、SNEPは59歳まで)と判定軸(就業状態か、対人接触か)。ひきこもりとの違いは、SNEPが未婚者だけを数え、外出の有無を問わない点です。
SNEPの定義と読み方|玄田有史氏が2012年に示した該当条件
読み方は「スネップ」です。玄田有史氏と高橋主光氏の論文「孤立無業(SNEP)について」(一橋大学経済研究所 CIS Discussion Paper No.555、2012年6月改訂稿)は、孤立無業を次のように定義しています。「20歳以上59歳以下の在学中を除く未婚者で、ふだんの就業状態が無業のうち、一緒にいた人が家族以外に連続2日間いなかった人々」。
この条件は調査票の記入欄にそのまま対応しています。総務省統計局の「社会生活基本調査」は、指定された連続2日間の行動を15分刻みで記入させ、そのとき誰と一緒にいたかも書かせます。2016年調査なら10月15日から23日のうちランダムに指定された連続2日です。SNEPは「孤独を感じるか」を尋ねた意識調査ではなく、生活時間の記録から切り出した区分なので、推計人数として扱えます。
孤立無業はさらに2つに分かれます。家族と一緒にいた時間がある人が「家族型」、2日間ずっと一人だった人が「一人型」です。家族と同居していても、家族以外との接触がなければ家族型のSNEPに該当します。
ニート・ひきこもりとの違い|年齢範囲と判定軸の比較
SNEPは、ニートやひきこもりの言い換えではありません。数え方の軸そのものが違います。
| 区分 | 年齢範囲 | 婚姻の条件 | 判定軸 | 公表値(年) |
|---|---|---|---|---|
| SNEP(孤立無業者) | 20〜59歳 | 未婚のみ | 家族以外との接触の有無 | 155.9万人(2016年) |
| ニート(若年無業者) | 15〜34歳 | 問わない | 就業・通学・家事の有無 | 61万人(2024年) |
| 広義のひきこもり | 15〜39歳/40〜69歳(調査範囲) | 問わない | 外出頻度と6か月の継続 | 2.05%/2.97%(2022年度) |
ニートは厚生労働省の資料で「15〜34歳の非労働力人口で、家事も通学もしていない者」と定義され、2024年(令和6年)は61万人でした。SNEPの年齢上限がニートより25歳高いのは、35歳以上の無業者も同じ枠組みで数えるためです。CIS DP555では35〜59歳のスネップが48.0万人で同年齢の無業者の62.6%を占め、20〜34歳の53.5%を上回りました。
ひきこもりとの違いは、外出と婚姻の扱いにあります。ひきこもりは外出の頻度で判定し、ふだんは家にいて近所のコンビニなどには出かける人も含みます。SNEPは外出の有無を問わず、誰と一緒にいたかで判定します。婚姻の条件も違います。こども家庭庁「令和4年度 こども・若者の意識と生活に関する調査」の40〜69歳を対象にした調査では、広義のひきこもり群155人のうち未婚は27.1%にとどまり、53.5%には配偶者がいました。15〜39歳の調査(144人)では未婚81.9%・配偶者あり16.7%です。SNEPは未婚者しか数えないので、配偶者のいる中高年のひきこもりは定義上こぼれます。
孤立無業者の人数|1996年74.6万人から2016年155.9万人への推移
| 調査年 | 孤立無業者 | 家族型 | 一人型 | 非孤立無業 | 孤立の割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1996年 | 74.6万人 | 62.7万人 | 11.9万人 | 57.8万人 | 56% |
| 2001年 | 85.4万人 | 71.5万人 | 13.9万人 | 85.8万人 | 50% |
| 2006年 | 111.8万人 | 88.2万人 | 23.6万人 | 84.2万人 | 57% |
| 2011年 | 162.3万人 | 128.0万人 | 34.3万人 | 93.6万人 | 63% |
| 2016年 | 155.9万人 | 115.3万人 | 40.6万人 | 74.1万人 | 68% |
出典は1996〜2011年が玄田有史「孤立無業の実態(速報)」(2012年12月)、2016年が玄田氏の第104回労働政策フォーラム基調講演資料(労働政策研究・研修機構、2019年7月)で、いずれも社会生活基本調査の特別集計です。孤立の割合は、20〜59歳の未婚無業者(在学中を除く)に占める孤立無業者の比率を千人単位の値から計算しました。2016年をWikipediaは156万人、東京大学のUTokyo BiblioPlazaは155万人と書いていますが、どちらも155.9万人を丸めた値です。
CIS DP555が使った匿名データの集計は別系列で、同じ2006年が106.6万人になります。本記事で家族型・一人型の細かい属性や社交活動・電子メールを扱う箇所はこの匿名データ系列の数値です。二つの系列の数値を足したり引いたりはできません。
2016年の内訳|総数の減少と一人型・孤立割合の増加
2011年から2016年にかけて減ったのは、孤立していない無業者のほうです。20〜59歳の未婚無業者は255.9万人から230.0万人へ25.9万人減り、そのうち非孤立無業が19.5万人を占めました。孤立無業者は6.4万人しか減っていません。玄田氏は講演資料で「非孤立無業が大きく減少する一方で、孤立無業は横ばい。特に一人型が増加。」と要約しています。
同じ人を追跡した数字ではありませんが、減少は人とつながっている無業者の側に偏っています。家族型は12.7万人減りましたが、2日間ずっと一人だった一人型は6.3万人増えて40.6万人になりました。「155万人に減った」とだけ読むと改善に見えますが、未婚無業者の3人に2人が孤立している状態へ進んでいます。
2021年調査以降のSNEP推計と令和8年調査の公表予定
SNEPの推計は社会生活基本調査の個票を特別集計して作られ、この調査は昭和51年以来5年ごとにしか行われません。2021年(令和3年)調査は実施されましたが、そこからSNEPの人数を推計した資料は、玄田氏の公表資料や東京大学の紹介ページでは確認できません。2016年より新しい数字を掲げているページがあれば、出典を確かめてください。
令和8年社会生活基本調査は2026年10月20日現在で実施され、生活時間は10月17日から25日のうち調査区ごとに指定された連続2日間を記録します。総務省統計局は結果を2027年9月頃から順次公表する予定です。ただしSNEPの人数は公表される集計表からは直接出せず、研究者が個票を特別集計して初めて推計できます。
SNEPになりやすい属性|性別・年齢・学歴と2010年代の変化
CIS DP555は、他の要因を調整したプロビット分析(表4)で、男性ほど、また高校中退を含む中学卒ほど孤立無業になりやすいことを示しました。年齢は単純比較では中高年ほど比率が高いものの、論文は「年齢が高くなるにつれて孤立無業になりやすいというよりは、30歳以降になると同程度になりやすいと考えるべきだろう」と補正しています。突出して孤立しにくいのは20代前半だけです。
この属性像は2016年には変わっています。玄田氏が2016年調査を特別集計した「孤立無業(SNEP)の再検討」(2018年3月)は、同じプロビット分析で「以前は男性の方がSNEPになりやすかったが、性差はなくなる」「むしろ大学卒がSNEPになりやすい傾向も」「中高年の未婚無業者ほどSNEPになりやすい傾向が再び強まる」とまとめています。2016年の推定では、高校卒に比べて大学卒の未婚無業者は孤立無業である確率が10.2ポイント高く、2011年に有意だった性別の差は消えました。「中年・男性・低学歴」の像だけで探すと、大卒や女性の該当者を取りこぼします。
年齢別の推移|2011年から2016年に20代が減り40代・50代が増加
| 調査年 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
|---|---|---|---|---|
| 1996年 | 39万人 | 16万人 | 12万人 | 8万人 |
| 2001年 | 35万人 | 25万人 | 13万人 | 13万人 |
| 2006年 | 44万人 | 36万人 | 16万人 | 17万人 |
| 2011年 | 60万人 | 45万人 | 35万人 | 22万人 |
| 2016年 | 46万人 | 44万人 | 41万人 | 25万人 |
数値は上記の講演資料の年齢階層別グラフ(万人単位)から読み取ったものです。1996年には20代が全体の半分を占めていましたが、2016年には20代と30代と40代がほぼ並びました。40代は20年で12万人から41万人へ3倍以上になっています。年代は10歳刻み、調査は5年おきなので同じ人を追った数字ではありませんが、30代・40代の層が厚いまま上の年代へずれていく形です。2016年に30代・40代だった人は、2026年には40代・50代になっています。
家族型と一人型の内訳|「一人型=一人暮らし」という誤読
2016年の内訳は家族型115.3万人・一人型40.6万人で、家族型が4分の3を占めます。SNEPの多くは、家族と一緒に過ごす時間はあっても家族以外とは接していない人たちです。
誤解されやすいのが一人型の中身です。一人型を「身寄りがなく単身で暮らす人」と説明する解説がありますが、CIS DP555の脚注27は「一人型孤立無業については、単身世帯を一般的に想像するものの、実際の単身世帯は12万人」と書いています。匿名データの2006年の一人型22.7万人のうち、単身世帯は半数程度です。残りは家族と同じ家に住みながら、調査の2日間に家族とも一緒にいなかった人たちです。
同じ論文の本文には、一人型スネップの47%が家族を含む誰かと同居しているとも書かれています。逆方向の誤解もあります。脚注18によれば、20〜59歳無業者の単身世帯標本のうち51%は家族以外との交流を持つ非孤立無業でした。住まいの形だけでは孤立を判断できないので、同居家族の有無で支援対象を線引きすると、家族と暮らす孤立者を見落とし、孤立していない一人暮らしの人に支援を向けることになります。
孤立無業者のうち一人型になる確率を見たプロビット分析では、男性、55〜59歳、世帯年収100万円未満ほど一人型になりやすいという結果でした(2006年)。孤立の深い層ほど経済的にも苦しく、ワーキングプアの議論とつながります。
孤立の背景にある条件|世帯収入・社交活動・電子メール利用の実データ
CIS DP555は、所得や住宅で測ったとき、特に貧しくも豊かでもない中間層の世帯に属する無業者ほど他者との交流が少ないことを示し、これを「これまで指摘されることのなかった新たな発見」と位置づけています。孤立無業は特殊な家庭環境からではなく、ごく一般的な世帯から生まれています。
過去1年にボランティア・スポーツ・旅行のいずれもしなかった人の割合は、同じ20〜59歳・未婚の就業者で12.5%、非孤立無業で19.4%、孤立無業で37.1%、一人型で46.0%でした。一人型は就業者の3.7倍です。
「ネットでつながっているのでは」という見方は、データでは支持されていません。2006年の電子メール利用率は、同年齢の有業者が72.5%、非孤立無業が59.4%に対し、孤立無業は41.3%でした。他の属性を調整しても、孤立無業は非孤立無業より利用確率が14.1ポイント低い。2016年の再検討でもスマートフォン・パソコンの利用時間はSNEPのほうが短く、一人型の約半数は使っていませんでした。対面の接触が少ない人ほど、オンラインの接触も少ない傾向です。
就職氷河期世代とSNEP|未婚無業者68万人のうち48万人が孤立(2016年)
玄田氏は同じ講演資料で、就職氷河期世代の無業者だけを取り出して交流状況を集計しています。2016年の同世代の未婚無業者68万人のうち、SNEPは48万人。内訳は誰とも交流がなかった人が9万人、家族とのみ交流があった人が39万人で、友人・知人と交流があったのは20万人でした(端数切り上げ)。同世代の未婚無業者の7割がSNEPです。
同世代の中心層(1974〜1983年生まれ)は2026年に42〜52歳になり、親の高齢化と重なります。内閣官房の「新たな就職氷河期世代等支援プログラム」(2026年4月10日 関係閣僚会議決定)は、同世代の無業者が2019年から2025年にかけて5万人増え、46万人になったとしています。同プログラムのKPI資料では、1974〜1983年生まれの中心層の無業者率が2.7%(2025年)、困ったときに頼れる人がいない人の割合が40〜49歳で8.5%、50〜59歳で11.0%(2024年)です。SNEPの定義そのものではありませんが、無業と孤立が同じ世代に重なっていることは政府の指標にも表れています。同世代の働き方や置かれた状況は今の50代は何世代?で整理しています。
家族型のSNEPのうち、親と同居して親の収入や年金で暮らしている家庭では、親の介護や死亡で収入が途切れたとき、外部との接点がないまま生活の問題が表に出ます。鈴木則稔氏は「SNEPの経済的帰結」(筑波学院大学紀要第9集、2014年)で、162万人を月10万円ずつ公費で支えると仮定すれば年1兆9440億円になると試算しました。あくまで仮定を置いた計算ですが、孤立無業が家族の中だけで抱えきれる規模ではないことを示しています。
SNEPという言葉への批判と統計区分として使うときの注意
SNEPという語には、提唱当初から批判があります。玄田氏の著書『孤立無業(SNEP)』(日本経済新聞出版社、2013年)を評した労務屋氏の書評(キャリアデザインマガジン111号、2013年10月)は、「ニートやスネップはきわめて操作的な概念であり、一括りに論じられることに抵抗のある当事者は多いだろう」と指摘し、概念化が「意図せざる「レッテル貼り」をもたらすことへの懸念」にも触れています。同じ書評は、概念化が世論を動かし支援につながる面も認め、功罪の評価は歴史に委ねると結んでいます。
実務での結論は明確です。SNEPは集計のための区分として使い、目の前の個人に「あなたはスネップだ」と当てはめる言葉としては使わない。理由は定義の作りにあります。SNEPは、ランダムに選ばれた連続2日間の記録を「ふだん」の代わりに使って判定するため、集計すれば定義に沿った規模と傾向を推計できますが、個人の状態を診断する尺度ではありません。自治体の計画や企業の研修資料で使うなら、「家族以外との接触がない無業の状態」と中身で書くほうが誤解を生みません。
支援設計で外しやすい前提|意欲論に寄せたときの失敗パターン
CIS DP555は、スネップが求職活動・就業希望・就労のための学習のいずれにも消極的だと報告しています。この一文だけを取り出して「意欲の問題」と片づけると、支援設計を外します。2011年の特別集計では、孤立無業のうち「仕事をしたいと思っており仕事を探している」人は52.9%で、半分以上は現に職を探していました。「仕事をしたいと思っていない」は29.1%で、非孤立無業の22.7%と6ポイントほどしか違いません。
求職している割合は家族型で51.0%、一人型で59.7%でした。2016年の再検討でも、他の属性をそろえると孤立無業は非孤立無業より求職活動をしている確率が7.2ポイント低く、家族型では7.6ポイント低いという結果です。消極的な傾向はありますが、半数前後は職を探しています。届いていないのは意欲より接点です。
失敗しやすいのは次の場面です。
- いきなり一般就労へ送る:数年単位で対人接触が途切れた人に、生活のリズムや本人の希望を確かめないまま週5日フルタイムの求人を紹介するのは、段階を飛ばしすぎです。生活困窮者自立支援法にもとづく認定就労訓練事業(いわゆる中間的就労)は、この段差を埋めるための制度です。
- 一人暮らしの人を優先して探す:前章のとおり、一人暮らしかどうかと孤立は一致しません。2016年のSNEPの4分の3は、家族と一緒にいる時間がある家族型です。
- 未婚者だけを対象にする:SNEPは定義上未婚者しか数えませんが、40〜69歳の広義のひきこもりは半数以上に配偶者がいます。支援の入口で婚姻歴を条件にすると取りこぼします。
訪ねて行き、通える場所を置いた例が秋田県藤里町社会福祉協議会です。社協は2010年度、町内のひきこもりや長期不就労の状態にある住民113人を訪問の対象として把握しました。そのうち56人はひきこもり歴が10年以上でした。2010年4月には福祉の拠点「こみっと」を開き、訓練と居場所を用意しています。同社協の菊池まゆみ氏の資料によると、5年間の訪問支援の結果、こみっとの支援で自立した人が31人、独自に自立した人が55人で、変化がなかったのは25人でした。訪問と通える場所づくりを組み合わせた実践例です。
企業側では、離職時の切れ方が分かれ目になります。無業になった瞬間に職場の人間関係がすべて切れると、本人に残る接点は家族だけになりがちです。退職者向けのアウトプレースメント(再就職支援)のように、離職後も外部との接点が残る仕組みは孤立の予防にもなります。
相談先と2026年時点の公的支援|就職氷河期世代等支援プログラムと孤独・孤立対策推進法
「新たな就職氷河期世代等支援プログラム」は2028年度までの3年間程度を対象に、就労・処遇改善、社会参加に向けた段階的支援、高齢期を見据えた支援の3本柱で組まれています。SNEPの当事者と家族が使える窓口は次のとおりです。
- 地域若者サポートステーション:15〜49歳の無業者への職業的自立支援で、同プログラムでも40歳代の無業者への相談対応に引き続き取り組むことが明記されています。所在地はサポステの公式サイトで探せます。
- 自立相談支援機関:生活困窮者自立支援法にもとづく窓口で、50代の無業者も相談できます。就労準備支援事業と、中間的就労にあたる認定就労訓練事業へのつなぎを扱います。窓口情報は厚生労働省の生活困窮者自立支援制度のページに掲載されています。
- ひきこもり地域支援センター:厚生労働省によると、2018年4月までに全都道府県・指定都市の67自治体に設置されています。本人が動けない段階でも家族が相談できます。
- ハローワークの専門窓口:相談・紹介から就職・定着までの伴走支援。公的職業訓練の仕組みはハロートレーニング(職業訓練)で確認できます。
制度の土台も変わりました。孤独・孤立対策推進法(令和5年法律第45号)は2023年6月7日に公布され、2024年4月1日に施行されています。同法は地方公共団体に、関係機関で構成する孤独・孤立対策地域協議会を置くよう努めることを求めており、支援機関どうしが個別のケースを共有する受け皿ができました。SNEPが提唱された2012年には無かった枠組みです。
よくある質問
SNEP(スネップ)の意味と正式名称は?
SNEPは英語のSolitary Non-Employed Personsの頭文字で、読み方は「スネップ」、日本語では「孤立無業者」です。20〜59歳で在学中を除く未婚の無業者のうち、ふだんずっと一人か、一緒にいる人が家族だけの人を指します。玄田有史氏が2012年に示した日本の統計上の概念で、英語圏で一般に使われる用語ではありません。
スネップは日本に何人いますか?
公表されている最新値は2016年の155.9万人です(社会生活基本調査の特別集計)。1996年の74.6万人から20年で約2.1倍になり、ピークは2011年の162.3万人でした。2016年は総数が減ったものの、20〜59歳の未婚無業者に占める割合は68%で、1996年以降で最も高くなりました。2021年調査からの推計は、玄田氏の公表資料では確認できません。
スネップとニートの違いは何ですか?
年齢範囲と判定軸の2点です。ニート(若年無業者)は15〜34歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない人で、就業・通学・家事の有無で判定します。SNEPは20〜59歳の未婚無業者が対象で、家族以外の人と一緒にいたかどうかで判定します。就業状態が同じでも、友人と会っていればSNEPには該当しません。
スネップは一人暮らしの人だけを指しますか?
違います。2016年のSNEP155.9万人のうち115.3万人は、家族と一緒にいる時間がある「家族型」でした。2日間ずっと一人だった「一人型」も、2006年の匿名データでは単身世帯が半数程度にとどまります。一人暮らしかどうかだけでは、SNEPに該当するかどうかは判断できません。
40代・50代の無業者が相談できる窓口はありますか?
あります。40代は、15〜49歳を対象とする地域若者サポートステーションを使えます。2026年4月に決定された新たな就職氷河期世代等支援プログラムでも、40歳代の無業者への相談対応を続けることが明記されました。50代は、生活困窮者自立支援法にもとづく自立相談支援機関が就労準備支援事業や中間的就労へのつなぎを扱います。本人が外に出られない段階なら、家族がひきこもり地域支援センターに相談できます。