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title: "5Sとは？目的とJISの定義・労働安全衛生規則が定める義務と進め方"
url: "https://www.issoh.co.jp/column/details/9131/"
published: 2025-10-02
updated: 2026-09-27
categories: ["品質管理"]
publisher: "株式会社一創"
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# 5Sとは？目的とJISの定義・労働安全衛生規則が定める義務と進め方

5Sは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5語をローマ字表記の頭文字でまとめた職場管理の枠組みです。掃除の号令として語られることが多い一方で、日本産業規格に用語として定義が置かれ、その一部は労働安全衛生法令が事業者に義務づける措置と重なります。この記事では、JIS Z 8141:2022の規定、条文が求める具体的な水準、社内資料でたどれる成り立ち、そして効果がどこまで実証されているかを、それぞれの原典に当たって整理します。

## まとめ：5Sの目的と定義、法的義務の要点

- この記事では5Sの目的のうち、労働安全衛生法令が課す義務との重なりと、物や情報を探す時間の削減の2点を扱います。
- 正式な読みは「ごえす」です。JIS Z 8141:2022は用語番号5603に「5S（ごえす）」を掲げ、対応英語を「five Ss」としています。
- JISの定義では、5Sは「職場の管理の前提となる整理，整頓，清掃，清潔，及びしつけ（躾）について，日本語ローマ字表記で頭文字をとったもの」です。英語由来ではありません。
- 整理整頓と清掃の一部は努力目標ではなく法令上の義務です。労働安全衛生規則は通路の幅、床面の状態、6か月以内ごとの大掃除まで具体的に定めています。
- 5Sは日本発祥ですが、トヨタ自動車が全社推進したのは1961年9月の4S（整理、整頓、清潔、清掃）で、5Sではありません。5Sという呼称の命名者は特定されていません。
- 医療分野では2024年に系統的レビューが出ていますが、対象研究数は選定フローで7件、本文で6件と記載が食い違い、掲載研究も対照群なしの小規模研究が中心です。効果が保証されているという前提での導入は避けるべきです。

## 5S（ごえす）の定義｜JIS Z 8141:2022が規定する5語

5Sの定義は、日本産業規格 JIS Z 8141「生産管理用語」に置かれています。2022年3月22日改正の現行版で、用語番号5603が5Sです。規定本文は「職場の管理の前提となる整理，整頓，清掃，清潔，及びしつけ（躾）について，日本語ローマ字表記で頭文字をとったもの」（対応英語 five Ss）と定められています。

押さえるべき点は2つ。読みが「ごえす」と規格に明記されていること、そして頭文字が日本語のローマ字表記から取られていることです。Sort や Shine といった英語の頭文字ではありません。各語の定義は、同じ用語番号の注釈1に置かれています。

- **整理**：必要なものと不必要なものを区分し，不必要なものを捨てること
- **整頓**：必要なものを必要なときにすぐに使用できるように，決められた場所に準備しておくこと
- **清掃**：必要なものについた異物を除去し，きれいな状態にすること
- **清潔**：整理・整頓・清掃が繰り返され，汚れのない状態を維持していること
- **しつけ（躾）**：決めたことを必ず守り習慣付けること

この定義を社内標準に落とすとき、解釈が割れやすいのは次の5点です。

| 要素  | 判断が割れやすい論点              |
| --- | ----------------------- |
| 整理  | 「捨てる」まで含む。倉庫への移管は整理ではない |
| 整頓  | 見た目の整列ではなく取り出しやすさが基準    |
| 清掃  | 規格の定義に設備点検は含まれない        |
| 清潔  | 行為ではなく維持された状態を指す        |
| しつけ | 教育の実施ではなく習慣化まで求める       |

清掃には補足が要ります。中小企業基盤整備機構の解説記事は見出しを「【清掃（Seisou）】掃除とともに点検する」とし、清掃を設備点検の機会として運用する流儀を示しています。ただしJIS Z 8141:2022では、点検と清掃を並べた「日常保全（点検，整備，清掃，給油など）」は用語番号6201の設備保全の注釈に置かれており、5Sの清掃の定義に点検は含まれません。社内標準では清掃と点検を別の作業として定義しておくと、担当と頻度の設計で揉めにくくなります。

### 2001年版から2022年版で変わった3つの語義

JIS Z 8141は2022年3月22日に改正され、2001年版が置き換えられました。5Sの項も文言が変わっています。変更は3か所で、いずれも運用に効きます。

| 要素  | 2001年版        | 2022年版             |
| --- | ------------- | ------------------ |
| 整理  | 不必要なものを片付けること | 不必要なものを捨てること       |
| 清掃  | 異物を除去すること     | 異物を除去し，きれいな状態にすること |
| しつけ | 決めたことを必ずまもること | 決めたことを必ず守り習慣付けること  |

整理の「片付ける」が「捨てる」に変わった意味は小さくありません。不要品を空きスペースへ移すだけの運用は、現行のJISの整理を満たさないからです。しつけも「守ること」から「守り習慣付けること」へ変わりました。朝礼での唱和や一度きりの教育では足りないことが、規格の文言から読み取れます。

### 3S・4S・6S・7Sとの関係とトヨタが4Sである理由

Sの数の違いは、どこまでを活動に含めるかの違いです。整理・整頓・清掃の3つが3S、これに清潔を加えた4つが4S、しつけまで含めて5Sになります。6S以降は各社が独自のSを足したものです。

ここで、一般によく語られる「トヨタが5Sを体系化した」という説明は正確ではありません。トヨタ自動車の社史「トヨタ自動車75年史」の安全・衛生・健康の年表には、1961年9月に「全社的に4S（整理、整頓、清潔、清掃）運動を推進」と記録されています。5Sではなく4Sであり、順序も整理・整頓・清潔・清掃です。5S活動の生成史を社内資料から追った研究（大森信「日本企業と掃除 5S活動生成と展開の歴史と手段重視型の経営」日本経営学会誌 第42号、pp.27-39、2019年。肩書は論文発表時に日本大学経済学部教授）は、トヨタでは論文発表時の2019年時点でも躾を除いた4つをこの順で4Sと呼んでいると報告しています。

同研究によれば、日本電産（現ニデック）は作法という独自のSを加えて6Sとし、石坂産業やホンダカーズ中央神奈川は3Sや5Sから7S、30Sへ数を増やしました。YKKでは調査当時、国によって2S・3S・5Sと名称が異なっていたと報告されています（YKKの公式情報では、事業展開は70カ国・地域、拠点数は818拠点）。Sの数は業界標準ではなく各社の設計事項です。食品分野では洗浄と殺菌を加えた7Sが使われており、その運用は[食品工場の衛生管理は何から始めるか？一般衛生管理14項目と7S・記録運用の設計手順](/column/details/16752/)で扱っています。

### JISの対応英語 five Ss と英語圏5語の違い

JISが規定する対応英語は「five Ss」だけで、各要素の英訳は規定されていません。海外で流通している Sort、Set in Order、Shine、Standardize、Sustain という5語は、英語圏で頭文字をSに揃え直した訳語です。米国環境保護庁（EPA）のリーン手法の解説ページも、この5語それぞれに日本語の原語（Seiri、Seiton、Seiso、Seiketsu、Shitsuke）を併記しています。

同ページは5Sの位置づけを「5S provides the foundation on which other lean methods, such as TPM, cellular manufacturing, just-in-time production, and six sigma can be introduced.」と述べています。英語圏では、5Sは単独の改善活動ではなく[ジャストインタイム方式](/column/details/9692/)やシックスシグマを載せる土台として扱われている、ということです。英文の手順書をつくる場合は、5語の英訳がJIS由来ではない点を踏まえ、ローマ字の原語を併記しておくと拠点間で解釈がずれません。

## 5Sの目的｜法定義務の履行と探索時間の削減

5Sの目的を「職場をきれいにすること」と説明すると、活動は美観コンテストに寄っていきます。目的は次の2点に絞るのが実務的です。

1つは、労働安全衛生法と労働安全衛生規則が事業者に課している措置の履行です。通路幅、床面の状態、定期の大掃除は条文に書かれた義務であり、5Sはその実施手段として位置づけられます。この部分は「やったほうがよいこと」ではありません。

もう1つは、物と情報を探す時間の削減です。後述する医療機関での研究でも、実際に改善が観測されたのは探索時間と待ち時間でした。品質・コスト・納期の観点から効果を測る枠組みは[QCDの考え方](/column/details/9312/)が下敷きになります。

## 5Sと重なる法定措置｜通路・床面の安全と清掃を義務づける条文

5Sを社内キャンペーンとしてのみ捉えると、法令が既に同じ内容を義務として定めている部分を見落とします。労働安全衛生法第23条は、事業者に対し「労働者を就業させる建設物その他の作業場について、通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置その他労働者の健康、風紀及び生命の保持のため必要な措置を講じなければならない」と定めています。清潔は努力目標ではなく、条文上の義務です。

同法第71条の2は、これに加えて「作業環境を快適な状態に維持管理するための措置」などを継続的かつ計画的に講ずる努力義務を定めます。義務と努力義務が二層で組まれているため、5Sの社内説明も法定部分と上積み部分を分けたほうが通りやすくなります。

### 通路幅80センチメートルと床面保持の義務

整頓の水準は、労働安全衛生規則が数値まで踏み込んで定めています。第543条は「事業者は、機械間又はこれと他の設備との間に設ける通路については、幅八十センチメートル以上のものとしなければならない」と規定します。整頓のルールをつくるとき、機械間通路に80センチメートルという下限があることは最初に共有すべき制約です。

第542条第2号は、屋内に設ける通路について「通路面は、つまずき、すべり、踏抜等の危険のない状態に保持すること」を求めます。第544条は作業場の床面について「つまづき、すべり等の危険のないものとし、かつ、これを安全な状態に保持しなければならない」と定めます。2条が求めているのは、通路や作業床につまずき・すべり等の危険がない状態であって、物を置くこと自体の禁止ではありません。床に物を置かない、こぼれを放置しないという5Sの定番ルールは、この状態を保つための手段にあたります。

### 6か月以内ごとの大掃除という法定頻度

清掃の頻度にも条文があります。一般の作業場では、労働安全衛生規則第619条第1号が、事業者の講ずべき措置として「日常行う清掃のほか、大掃除を、六月以内ごとに一回、定期に、統一的に行うこと」を挙げています。事務所については、事務所衛生基準規則第1条第2項が衛生基準に関する安衛則第三編の適用を除外しており、同じ内容を事務所衛生基準規則第15条第1号が定めています。オフィスで根拠条文を示すときは後者を引きます。同条第2号は、ねずみ、昆虫等の発生場所や被害状況についても6か月以内ごとに1回、定期に、統一的な調査を求めています。

大掃除の実施記録は、措置を講じたことの説明資料として使えます。写真だけを残すより、日付と対象範囲を文字で記録した様式のほうが実務では役立ちます。

### 転倒災害37,195人が示す着手順

どの要素から手をつけるかは、労働災害の統計が判断材料になります。厚生労働省が2026年5月27日に公表した令和7年の労働災害発生状況によると、休業4日以上の死傷者数は135,333人（前年比385人・0.3％減）でした。事故の型別では転倒が37,195人（前年比817人・2.2％増）で最も多く、動作の反動・無理な動作が22,166人（同52人・0.2％減）、墜落・転落が20,864人（同165人・0.8％増）と続きます。

転倒だけで全体の約27％を占め、しかも前年から増えています。備品ラベルの色分けより先に通路と床面を片付けるべき根拠は、この統計と前掲の第542条から第544条にあります。転倒の背景要因を掘るときは、[ヒューマンエラーの定義と発生メカニズム](/column/details/11153/)の整理も合わせて使えます。

## 5Sは誰が考えたのか｜社内資料でたどれる生成史

「5Sは誰が考えたのか」という問いには、現時点で確定した答えがありません。ただし、いつどこで呼称が現れたかは社内資料の水準まで追跡されています。前掲の大森研究は、企業の社内報や工場史をあたって次の経過を示しました。

- 本田技研工業の社内報に3Sが登場するのは1960年です。全国安全週間に合わせた記事の中で、整理・整頓・清掃の3Sを基本に職場の整備と安全対策を進めると記されています。前掲のトヨタの4S推進が1961年9月。3Sも4Sも、生産性向上ではなく職場の安全性を高める活動として使われ始めました。
- 社内資料に5Sが現れるのは1970年代後半以降で、同研究の調査範囲ではキリン（1977年・富田工場）、富士フイルム（1978年）、日産自動車（栃木工場の工場報1981年8月号）、ホンダ（1984年11月号）の順でした。日産の記事は「TPMの第1歩は5Sから」という書き出しで始まっています。
- ホンダでは1985年9月号でも3Sが使われており、ある時点で一斉に切り替わったのではなく、社内で数年かけて置き換わっていきました。

呼称の初出はさらに絞り込まれています。同研究によれば、日本プラントメンテナンス協会（当時は日本プラントエンジニア協会）の機関誌「プラントエンジニア」1976年7月号に載った河合保男「PM基礎講座 第3回 5S管理の推進とその評価法」が、同誌で確認できる最初の5Sです。同記事は、4Sが「およそ10数年前に最初は安全管理の用語の1つとして使われていた」ものであり、そこに「しつけが4Sに加って5Sといわれるようになったのは，今から数年前のことである」と述べています。

命名者については、著者が同協会を通じてTPMの提唱者である中嶋清一氏に確認したところ、「誰が、いつ呼び始めたのか、中嶋も記憶していないとのこと」という回答だったと記されています。TPMは1971年に始まった全員参加の生産保全で、専門部署だけに任せない点が米国の予防保全との違いです。提唱の主体は、日本プラントメンテナンス協会の公式説明では個人ではなく同協会（当時の日本プラントエンジニア協会）とされています。5Sという呼称は、1970年代後半から1980年代前半にTPMが普及する過程で企業に広がった、と整理するのが現時点で裏づけの取れる説明になります。

この経緯は運用にも効きます。3Sも4Sも、最初は労働災害を減らすための言葉でした。生産性や効率を掲げて5Sを導入すると社内の受け止めは「余計な仕事」に傾きがちですが、安全を軸に説明すれば前掲の条文と統計がそのまま論拠になります。

## 5S活動の進め方｜赤札作戦から定着の仕組みまで

導入の枠組みは[PDCAサイクル](/column/details/5206/)で回すのが一般的ですが、初回だけは計画より先に現状を測る順序にします。

### 推進体制と赤札作戦

着手時に決めるのは、対象範囲、推進責任者、判定基準の3点です。範囲は工場全体ではなく1つの職場に絞ります。判定基準とは、担当者が独断で捨ててよい線引きのことです。前掲の大森研究は、一般に「1年間未使用なものはもう不要物であるとされる」と整理しており、期間を基準に据えるのが実務上わかりやすい設定になります。ここを決めずに始めると、判断のたびに上長への確認が発生しやすくなります。

整理の実行手段が赤札作戦です。EPAの解説は「A red tag is placed on all items that are not important for operations or that are not in the proper location or quantity.」と述べており、業務に不要な物、置き場所が違う物、数量が過剰な物の3つが対象になります。札には貼付日と判定期限を書き、期限までに必要性を主張する人が現れなければ廃棄する運用にすると、判断の停滞を避けられます。あわせて着手前に、工具や書類を探した時間、通路上の仮置き点数、転倒に至らないつまずきの報告件数のいずれかを測っておきます。初期値がないと、事後に効果を示すのが難しくなるためです。

### 清潔・しつけを支える標準とパトロール

清潔は状態を指す語なので、行為に翻訳しないと運用できません。翻訳先は標準です。物ごとの定位置、数量の上限、清掃の担当と頻度を1枚の様式に落とし、文字で明記します。配置や正常な状態は、改訂日を入れた写真を併用すると判定が速くなります。日常清掃の頻度は職場の汚れ方と危険性に応じて自社で決めるもので、法定の頻度があるのは大掃除のほうです（労働安全衛生規則第619条第1号の「六月以内ごとに一回、定期に、統一的に」）。写真だけの基準は、レイアウトが変わると現物と対応が取れなくなりがちです。

しつけが求める習慣化を担保する仕組みが5Sパトロールです。巡回で見るのは掃除の出来ではなく、標準と現物の差。差が見つかったときに現場を責めると報告が止まるため、標準側が現実に合っていない可能性を先に検討します。小集団で改善テーマを回す形にすると、5Sは品質管理の活動と接続します。進め方は[QCサークル活動とは？小集団活動の定義・進め方・QCストーリー8ステップを一次情報で解説](/column/details/9026/)にまとめています。

### 形骸化する4つの型と打ち手

定着しない現場には型があります。

| 型       | 観測できる兆候     | 打ち手           |
| ------- | ----------- | ------------- |
| 置き場先送り  | 不要品が倉庫へ移るだけ | 廃棄期限つきの赤札に変更  |
| 見た目評価   | 巡回の前日だけ片付く  | 採点を標準との差異件数へ  |
| 標準の陳腐化  | 定位置表と現物が不一致 | レイアウト変更時に標準改訂 |
| 過剰なルール化 | 必要な物まで撤去される | 日次使用品は手元保管を明示 |

兆候が続く場合は、掃除の徹底ではなく標準の設計に原因があります。原因追究は[なぜなぜ分析](/column/details/4595/)の手順で、標準・設備・手順のどこに欠落があるかまで下ろします。

## 5Sの効果の実証水準｜査読研究が示す到達点

2026年9月時点で「5Sとは」の検索上位に表示される解説3本を確認したところ、いずれもJISにも労働安全衛生法令にも触れておらず、出典表記もありませんでした。査読を経た研究がどこまで示せているかを押さえておくと、社内での期待値設定を誤りません。

### 医療分野の系統的レビューが示す到達点

医療機関での5S導入を対象にした系統的レビューが2024年に出ています（Kanabar B, Piparva KG, Pandya D, Kanabar RB. The Impact and Challenges of the Implementation of 5S Methodology in Healthcare Settings: A Systematic Review. Cureus. 2024 Jul 16;16(7):e64634）。PubMed、Google Scholar、Cochrane を2024年3月まで検索し、条件を満たしたのは6件です。対象国はインド、セネガル、タイ、エジプト、トルコ、ブラジルでした。

報告された成果は、外来・検査・予防接種・家族計画といった医療サービス利用の有意な改善と、検査室における不適合スコアの69.7％減少です。一方でレビュー自身が挙げる限界は率直で、標本が小さく一般化可能性が限られること、対照群がないこと、長期的な持続性の評価が難しいこと、費用対効果のデータが欠けていること、そして多くの職員が変化に抵抗したことが記されています。

個別の研究でも成果と負荷は同時に報告されています。セネガルのタンバクンダ州にある保健センター（職員78名）で導入約1年後に職員21名へ半構造化面接を行った質的研究（Kanamori S, Sow S, Castro MC, Matsuno R, Tsuru A, Jimba M. Global Health Action. 2015;8:27256）では、物を探す時間と患者の待ち時間の短縮、案内表示の整備が語られる一方、金銭的インセンティブの不足が意欲を削ぐ要因として挙げられ、維持には定期的なスーパービジョンが必要だと述べられています。医療分野に限れば、探索時間や不適合のほか、医療サービスの利用、職場環境、職員満足、安全性といった複数の指標で改善が報告されている、しかし研究規模・対照群・追跡期間の面で因果の確実性は高くない、というのが到達点です。「5Sで生産性が飛躍的に向上する」という表現は、この証拠水準に対して踏み込みすぎです。

### 5Sを最優先にすべきでない場面

5Sを入れないほうがよい場面もあります。

第一に、ボトルネックが工程間の停滞や段取り替えにある場合です。探索時間が全体のリードタイムに占める割合が小さいなら、5Sを全社展開しても指標は動きません。この場合は流れの設計を先に扱うべきで、着手点は[TQMの枠組み](/tech/details/5596/)や工程そのものの見直しになります。

第二に、人員不足が慢性化している職場です。前掲のセネガルの研究でも人員不足が課題として挙がっています。清掃と標準維持は工数を要する作業で、余力のない現場に追加すると、記録だけが形式的に埋められる状態になります。

第三に、評価制度と結びつけて減点方式で運用する場合です。減点を避ける行動が優先されると、巡回の前日だけ片付ける、不要品を隠すといった振る舞いを誘発します。前節の「見た目評価」の型がこれにあたります。

## 業種別の適用範囲｜製造・医療・物流・オフィス

| 領域       | 主に守る対象          | 優先して整える箇所         |
| -------- | --------------- | ----------------- |
| 製造・工場    | 安全と設備稼働         | 機械間通路（幅80cm以上）と床面 |
| 医療・看護・介護 | 誤使用の防止          | 薬品・器具の定位置と数量上限    |
| 物流倉庫     | 誤出荷と接触事故の防止     | 棚番・品番の表示と動線の区分    |
| オフィス     | 情報の検索性          | 電子ファイルの命名規則と保管期限  |
| 食品工場     | 衛生（洗浄・殺菌を加えた7S） | 区域区分と記録様式         |

物流倉庫では棚番と品番の表示統一が先で、ロケーション表記が棟ごとに違うと整頓の標準に例外が増えます。オフィスでは物より電子ファイルが対象です。命名規則と保管期限を決め、共有ドライブの棚卸しを整理に含めると、机上の片付けだけで終わりません。

### アフリカ15か国への広がり｜JICAの5S-KAIZEN-TQM

医療分野で5Sが注目される背景には、国際協力機構（JICA）による展開があります。JICAは日本の製造業で発達した品質管理の手法を保健医療施設に適応させる取り組みを5S-KAIZEN-TQMと呼び、2007年3月にウガンダ、ケニア、セネガル、タンザニアなど第1グループ8か国で開始しました。2009年3月にはベナン、マリ、モロッコなど第2グループ7か国が加わり、アフリカだけで計15か国が対象になっています。前節で引用したセネガルの研究は、この枠組みの下で導入された保健センターを調べたものです。

アフリカでは公的支援を通じて保健医療施設への導入が進む一方、EPAの解説に見られるように、英語圏の一般的な位置づけは製造業のリーン手法群の土台です。同じ5Sでも参照する資料の文脈で想定される適用範囲が変わるため、海外拠点と標準を揃えるときはこの違いを先に確認しておきます。

## よくある質問

### 5Sの読み方は「ごえす」と「ファイブエス」のどちらですか？

社内規程や標準類に書くときは、JIS Z 8141:2022の表記に合わせて「ごえす」とするのが無難です。会話では「ファイブエス」も通用しますが、規程と教育資料で読みが割れていると、監査や新人教育の場で用語の定義から説明し直す手間が生じます。

### 清掃と清潔の違いは何ですか？

運用上は、担当と頻度を割り当てる対象が清掃、標準と巡回で維持する対象が清潔と分けると噛み合います。清掃は誰がいつ実施したかを記録できますが、清潔は状態なので実施記録が作れず、判定する人と判定基準を別に決める必要があります。5Sチェックシートでも、清掃は実施の有無、清潔は基準への適合度、と評価軸を変えるのが実務的です。

### 5S+1Sや6S、7Sとは何を指しますか？

5Sに各社が独自のSを加えたものです。安全（Safety）を足す例のほか、日本電産（現ニデック）のように作法を足して6Sとする例もあり、追加されるSに業界標準はありません。他社の6Sが自社の6Sと同じ内容とは限らないため、導入時は数を揃えるより、追加したSの定義を自社の言葉で文書化するほうが重要です。食品工場では洗浄と殺菌を加えた7Sが定着しています。

### 英文の資料では5Sをどう書けばよいですか？

JISが規定する対応英語は「five Ss」で、各要素の英訳は規格の対象外です。海外拠点向けの手順書では、Sort、Set in Order、Shine、Standardize、Sustain の英語表記だけを書くより、Seiri、Seiton、Seiso、Seiketsu、Shitsuke のローマ字を併記するほうが安全です。英語の5語は訳語であり、日本語の定義と完全に重なるわけではないためです。

### 5Sは古い手法で、逆効果になることはありませんか？

逆効果になる条件はあります。医療機関を対象にした2024年の系統的レビューでも、多くの職員が変化に抵抗したことが課題として記録されています。評価と結びつけた減点運用、人員不足の職場への追加、必要な物まで撤去する過剰なルール化の3つは、作業効率をむしろ下げます。一方で通路と床面の管理は労働安全衛生規則が定める義務であり、その部分は古いか新しいかという議論の対象ではありません。

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出典: [5Sとは？目的とJISの定義・労働安全衛生規則が定める義務と進め方](<https://www.issoh.co.jp/column/details/9131/>)（株式会社一創）
