---
title: "ナラティブアプローチとは？ドミナントストーリーとオルタナティブストーリーの意味・具体例と質問ワークシート"
url: "https://www.issoh.co.jp/column/details/9062/"
published: 2025-09-30
updated: 2026-10-21
categories: ["ビジネス理論・用語"]
publisher: "株式会社一創"
---

# ナラティブアプローチとは？ドミナントストーリーとオルタナティブストーリーの意味・具体例と質問ワークシート

オルタナティブストーリーとは、本人を縛っている支配的な物語（ドミナントストーリー）では説明のつかない出来事を手がかりに、本人が語り直していくもうひとつの物語です。この2語は、語りに着目する支援や研究の総称であるナラティブアプローチのうち、マイケル・ホワイトとデヴィッド・エプストンが1990年の共著で体系化したナラティブセラピーの用語です。この記事では、ホワイト自身の著作にあたって2語の意味と作り方を確かめ、職場・家庭・学校の具体例、外在化の4段階、1on1で使える質問ワークシート、効果研究の現状、使うべきでない場面までを整理します。

## まとめ：ドミナントストーリーとオルタナティブストーリーの要点

- ドミナントストーリー＝その人の自己理解を支配している筋。支援で扱うのは、そのうち「自分は人前で話せない」のように問題に染まり、事実そのものとして体験されている語り
- オルタナティブストーリー＝ドミナントストーリーからこぼれ落ちた出来事（ユニークな結果）を入口に、本人が言葉を足して厚くしていく別の筋。古い物語を消して置き換えるものではない
- 支援者が出来事に目を向けさせるのは構いませんが、「本当は信頼されているのでは」と意味まで先に差し出すのは言い換えです。ホワイトは、出来事の意味づけでは本人の声を優先すると書いています
- 提唱者＝マイケル・ホワイト（1948-2008）とデヴィッド・エプストン。主著『Narrative Means to Therapeutic Ends』（1990年）、手順の詳細は『Maps of Narrative Practice』（2007年）
- 効果研究は増えているものの、2024年のメタ分析でもエビデンスの質は「低い」と評価されています。職場では対話の技法として借り、医療的な支援が必要な人への対応は上司が担わず専門家につなぎます

## ナラティブアプローチの定義と「ストーリー」との違い

### ナラティブ＝いま語られつつある物語

ナラティブ（narrative）は英語で「物語」「語り」を意味する名詞で、動詞 narrate（語る）と同じ語幹を持ちます。語られた内容だけでなく、語るという行為も含めて指せる言葉です。

ナラティブアプローチは、この語りを情報収集の手段ではなく支援の対象そのものとして扱います。土台はケネス・ガーゲンらの社会構成主義で、現実は人々のやりとりのなかで意味づけられて立ち上がる、という立場をとります。語りが変われば、その人が生きる現実の意味も変わる、と考えるわけです。

用語の範囲には注意が要ります。野口裕二は[シンリンラボの論考](https://shinrinlab.com/feature006%5F02/)で、ナラティヴ・アプローチを「ナラティヴに着目するすべての実践や研究の総称」、狭義のナラティヴ・セラピーをホワイトとエプストン流の臨床実践と整理しています。ドミナントストーリーやオルタナティブストーリーは後者の用語で、この記事も主にその系譜を扱います。

### ナラティブとストーリーの違い

ホワイト自身は2語を厳密に使い分けておらず、原典では dominant storylines、alternative stories のように story の語が普通に使われます。日本語の解説で2語が区別されるときの軸は、語り手の行為を含むかどうかです。ストーリーは出来事の筋、ナラティブは誰かがそれを語り、聞き手とのやりとりのなかで語り直されていく過程まで含む、と押さえておけば実務で困りません。検索で見かける「ナラティブストーリー」は2語を重ねた言い方で、指すものは使う人によって違います。この記事の文脈では「本人が語る自分の物語」と読めば外れません。

マーケティングの「ブランドナラティブ」も顧客が自分の言葉で語り継ぐ余地のある物語を指しますが、目的は販売であって支援ではありません。物語で相手を動かす技法については[ストーリーテリングとは？意味と型・事例と「22倍」説の出典を検証](/column/details/9650/)で扱っています。同じ語だからといって手順を流用しないでください。

## 提唱者ホワイトとエプストン：1990年の共著と原典の系譜

### 『Narrative Means to Therapeutic Ends』と2007年の『Maps』

ナラティブアプローチ（ナラティブセラピー）を体系化したのは、オーストラリア・アデレードのダリッチ・センターを共同で創設し共同ディレクターを務めた[マイケル・ホワイト（1948-2008）](https://dulwichcentre.com.au/about-dulwich-centre/)と、ニュージーランドで活動するデヴィッド・エプストンです。共著『Narrative Means to Therapeutic Ends』はW. W. Nortonから1990年に刊行されました。ホワイトの2005年のワークショップ資料には、この本がもともと1989年に『Literary Means to Therapeutic Ends』の題で出ていたと記されています。邦訳は小森康永訳『物語としての家族』（金剛出版、1992年）です。

この記事が手順の原典として参照するのは、ホワイトが単著で2007年6月に出した[『Maps of Narrative Practice』（W. W. Norton）](https://wwnorton.co.uk/books/9780393705164-maps-of-narrative-practice)です。全6章が、外在化する会話、再著述する会話、リメンバリングの会話、定義的祝祭、ユニークな結果を際立たせる会話、足場かけの会話という6つの会話の型（マップ）に割り当てられています。この記事の後半で扱う外在化の4段階と、行為の風景／アイデンティティの風景は、この本の第1章と第2章が出所です。

### 日本での受容：野口裕二の入門書と分野横断の論集

日本では臨床心理・看護・社会福祉の領域から広がりました。入門書としては野口裕二『[物語としてのケア――ナラティヴ・アプローチの世界へ](https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/4906)』（医学書院、2002年6月）、分野横断の見取り図としては同編『ナラティヴ・アプローチ』（勁草書房、2009年、ISBN 978-4-326-65340-9）があります。後者は医療・看護・家族療法・社会福祉・生命倫理・司法・組織経営に章を割いており、心理療法の外で使われている実態がわかります。

## ドミナントストーリーとオルタナティブストーリーの意味と具体例

### ドミナントストーリー：自己理解を支配する筋

ドミナントストーリー（dominant story）は、その人の自己理解を支配している物語です。支配的であること自体は良し悪しと関係がなく、[ダリッチ・センターが掲載するアリス・モーガンの解説](https://dulwichcentre.com.au/what-is-narrative-therapy/)は「自分は運転が上手だ」という肯定的な物語も例に挙げています。支援で扱うのは、そのうち problem-saturated（問題に染まった）と形容される語りです。「自分は人前で話せない」「うちのチームは何をやっても続かない」といった形をとり、本人には事実そのものとして体験されます。

厄介なのは、この物語が出来事の取捨選択まで決めてしまう点です。うまくいった出来事は「たまたま」として記憶から外され、失敗だけが物語を補強する証拠として積み上がります。支援者が最初にすることは物語を否定することではなく、どんな筋書きが語られているのかを最後まで聴き取ることです。

### オルタナティブストーリー：ユニークな結果を入口に厚くする別の筋

オルタナティブストーリー（alternative story）は、ドミナントストーリーとは別の筋として本人が語り直していく物語です。入口になるのが「ユニークな結果（unique outcome）」、日本語でいう例外的な結果で、支配的な物語の枠では説明できずにこぼれ落ちた出来事を指します。この語はホワイトの発明ではなく、社会学者アーヴィング・ゴッフマンが1961年の『アサイラム』で用いたものをホワイトが援用しました。

[『Maps of Narrative Practice』第2章「Re-Authoring Conversations」](https://dulwichcentre.com.au/wp-content/uploads/2020/03/Re-Authoring-Conversations%5FMichael-White.pdf)でホワイトは、ユニークな結果を、会話の始まりの時点では「ほとんど見えない」別の筋への入口と位置づけ、会話が進むにつれてその筋が thicken（厚くなる）し、歴史に根を下ろしていくと書いています。ここが要点です。オルタナティブストーリーは一言の気づきで完成するものではなく、出来事を1つずつ拾い、前後の出来事とつなぎ、そこに込められた意図や価値を言葉にしていくことで厚みを増していきます。

### 職場・家庭・学校での具体例

同じ構造を職場・家庭・学校の3領域に当てはめた説明用の例です。右端の列は支援者が用意する答えではなく、対話の結果として本人の口から出てくる語りの例です。

| 場面      | ドミナントストーリー | ユニークな結果          | オルタナティブストーリー    |
| ------- | ---------- | ---------------- | --------------- |
| 職場（若手）  | 自分は人前で話せない | 去年の勉強会は最後まで話しきった | 準備した内容なら話せる     |
| 職場（管理職） | 部下に嫌われている  | 部下の1人が私事の相談に来た   | 距離は遠いが頼られる場面はある |
| 家庭      | うちの子は怒りっぽい | 妹には声を荒げずに譲った日がある | 守りたい相手には抑えられる子  |
| 学校      | 勉強が続かない    | 好きな歴史の本は毎晩読んでいる  | 関心が持てれば続けられる    |

表は架空の4例で、職場は若手と管理職の2例を載せています。実際の面談では、ユニークな結果の列に何回もの往復がかかります。厚みを生むのは対話の長さではなく、その出来事の前後に何があり、本人が何を意図していたかを1つずつ確かめてつなぐ作業です。

### よくある誤解：置き換え・ポジティブ思考・支援者の言い換え

避けたいのは、相談員が「部下はあなたを信頼しているのではないですか」と別の物語を先に差し出し、本人が「そうかもしれない」と頷いたところで完成とする説明です。ホワイトは第2章で、支援者は多くの物語を知っているので支配的な筋の外にある出来事へ本人の注意を向けることはできるが、物語の主たる書き手ではなく、出来事の意味づけでは本人の声を優先する（privilege the voices）と書いています。出来事を指さすのは支援者の仕事でも、その出来事が何を意味するかを決めるのは本人です。外在化の章でも、支援者が影響を引き出し、立場を代筆し、自分の規範で理由づけまで与えると協働の扉が閉じる（the door closes on collaboration）と述べています。

ポジティブ思考とも違います。オルタナティブストーリーは「明るい解釈」である必要はなく、本人の経験に合っていることが条件です。ドミナントストーリーを消すことも目的にしていません。支配的な筋の横に、同じくらい語れる別の筋が育てば、本人はどちらの筋で次の行動を選ぶかを選べるようになります。出来事の意味を枠ごと捉え直す技法は[リフレーミングとは？捉え直す意味・読み方と言い換え一覧｜原典の定義とやり方](/column/details/9195/)で扱っていますが、リフレーミングは支援者が新しい枠を提示できるのに対し、ナラティブアプローチでは新しい筋の書き手はあくまで本人です。

## 外在化する会話：立場表明マップの4段階

外在化（externalizing）は、問題を人格の内側にあるものとして扱うのをやめ、その人の外側にある存在として名づけ直す技法です。ホワイトは2007年の第1章で、自分が外在化について最初に書いたのは1984年の論文（Family Systems Medicine 2巻2号）だったと振り返り、外在化によって the problem becomes the problem, not the person（人ではなく問題が問題になる）と述べています。日本語で「人が問題なのではない。問題が問題なのだ」と紹介される言い方は、この一節に対応します。

外在化の会話の運び方として、ホワイトは「立場表明マップ（Statement of Position Map）」を示しています。[2005年のワークショップ資料](https://dulwichcentre.com.au/wp-content/uploads/2014/01/michael-white-workshop-notes.pdf)では、外在化する会話を構成する探究のカテゴリーが4つに整理されています。

| 段階      | 原語            | やること              | 質問例              |
| ------- | ------------- | ----------------- | ---------------- |
| 1 定義の交渉 | Negotiation   | 本人の言葉で問題に名前を付ける   | その状態を何と呼びますか     |
| 2 影響の地図 | Mapping       | 問題が及ぶ生活領域をたどる     | それは仕事や家庭で何をさせますか |
| 3 影響の評価 | Evaluation    | その影響をどう受け止めるかを尋ねる | それはあなたにとって構いませんか |
| 4 評価の理由 | Justification | そう評価する理由を尋ねる      | なぜそれは構わない／困るのですか |

段階1でホワイトが求めているのは、本人の経験に近く個別的な定義（experience-near, particular）です。「うつ」「コミュ障」のような一般的で遠い定義（experience-distant, global）ではなく、「月曜の朝に来る重さ」のような本人の語に寄せます。段階2は生活のすべての領域を網羅する必要はなく、本人にとって切実な領域だけでよいと資料に注記されています。

実務で効くのは段階3と4です。問題の影響を「良いか悪いか」まで支援者が決めず、本人に評価させ、その理由を語らせます。理由を語る過程で、本人が大事にしている価値が表に出てきます。この価値が、次の再著述でオルタナティブストーリーの芯になります。

## 再著述する会話：行為の風景とアイデンティティの風景

オルタナティブストーリーを厚くする会話を、ホワイトは再著述する会話（re-authoring conversations）と呼びます。その際に使う2つの軸が「行為の風景（landscape of action）」と「アイデンティティの風景（landscape of identity）」です。この2軸は心理学者ジェローム・ブルーナーの物語論に由来しますが、ブルーナーの用語は landscape of consciousness（意識の風景）でした。ホワイトは第2章で、consciousness という語が誤解を招いたため identity に置き換えたと明記しています。

- 行為の風景：出来事を時間の順に並べ、筋にする問い。「その一歩を踏み出す前に、何か準備になったことはありましたか」「その前後で何が起きていましたか」
- アイデンティティの風景：出来事が本人の価値や意図について何を語るかを問う。「そのことは、あなたが何を大切にしているかについて何を語っていますか」「その一歩に名前を付けるとしたら何ですか」

質問は2つの風景を交互に行き来させます。行為だけを並べると出来事の羅列で終わり、価値だけを語らせると根拠のない自己肯定になります。出来事と価値が互いを裏づけ合ったとき、オルタナティブストーリーは「たまたま」で片づけられない強さを持ちます。

厚くなった物語を誰かに聴いてもらう段階もあります。ホワイトは人類学者バーバラ・マイヤーホフの研究から[定義的祝祭（definitional ceremony）](https://dulwichcentre.com.au/wp-content/uploads/2014/02/reflecting-teamwork-as-definitional-ceremony-michael-white.pdf)の考え方を取り入れ、外部の聴き手（outsider-witness）が語りに立ち会う役割を重視しました。職場でいえば、本人が語り直した経験を、評価権を持たない同僚が聴いて応答する場がこれに近くなります。

## 「無知の姿勢」の出所：アンダーソンとグーリシャンの1992年の論考

ナラティブアプローチの解説では、支援者の構えとして「無知の姿勢（not-knowing）」がよく挙げられます。ただし、これをホワイトの用語として紹介する記述は正確ではありません。出所は、ハーレーン・アンダーソンとハロルド・グーリシャンの「The Client is the Expert: A Not-Knowing Approach to Therapy」で、シーラ・マクナミーとケネス・J・ガーゲン編の[『Therapy as Social Construction』（Sage、1992年）](https://www.sagepub.com/shop/buy-a-book/therapy-as-social-construction-1-202705)に収められた章です。同じ社会構成主義の系譜にあるため実践では接続しますが、別の理論家による別の概念です。

無知の姿勢は、専門知識を捨てることではありません。支援者が持つのは対話を進める専門性であって、相手の人生についての専門性ではない、という前提を保ち、理解したと思ったことを相手に確かめ続ける構えです。「何も知らないふりをする」演技とは違います。

## 実践5ステップと質問ワークシート

### 職場の面談向けに編集した5段階

ここまでの外在化と再著述を、職場の面談で扱える5段階に編集部でまとめました。ホワイトの原典にこの番号付きの手順があるわけではありません。1回の面談ですべてを通す必要はなく、途中の段階で区切っても構いません。

1. ドミナントストーリーを聴く：相手が語る支配的な物語を、要約も助言も挟まずに最後まで聴く
2. 問題を外在化する：本人の言葉で問題に名前を付け、人格から切り離した対象にする
3. 影響を評価してもらう：問題が生活に及ぼした影響と、その影響を本人がどう受け止めるかを尋ねる
4. ユニークな結果を探す：支配的な物語では説明できない出来事を本人の口から引き出し、細部を掘り下げる
5. オルタナティブストーリーを厚くし、共有する：行為と価値の両面から語りを足し、聴き手のいる場で語り直す

### 1on1用の質問ワークシート（ひな型）

各ステップで使う質問文を表にまとめます。主語や語尾は相手に合わせて変えて構いませんが、「本人が名前を付ける」「本人が評価する」という組み立ては崩さないでください。印刷して右側に相手の言葉をそのまま書き取る欄を設けると、ステップ4で見返す材料になります。

| ステップ   | ねらい         | 質問文の例                     |
| ------ | ----------- | ------------------------- |
| 1 傾聴   | 支配的な語りの把握   | いま一番困っているのは、どういうことですか     |
| 1 傾聴   | 物語の筋を確かめる   | それはいつごろから続いていますか          |
| 2 外在化  | 問題に名前を付ける   | その状態に名前を付けるとしたら、何と呼びますか   |
| 2 外在化  | 人と問題を分ける    | その「◯◯」は、どんなときにそばに来ますか     |
| 3 評価   | 影響の地図       | その「◯◯」は、仕事に何をさせてきましたか     |
| 3 評価   | 本人の評価       | その影響は、あなたにとって構わないことですか    |
| 3 評価   | 評価の理由       | 構わない（困る）のは、なぜですか          |
| 4 例外探し | ユニークな結果の発見  | 「◯◯」に押し切られなかった日はありますか     |
| 4 例外探し | 行為の風景       | その日、具体的に何をしましたか           |
| 5 厚くする | アイデンティティの風景 | それは、あなたが何を大事にしていると語っていますか |
| 5 厚くする | 筋に名前を付ける    | いまの話に題名を付けるとしたら、何になりますか   |
| 5 共有   | 聴き手の確保      | この話を誰に聞いておいてほしいですか        |

表中の「◯◯」には、ステップ2で相手自身が付けた名前をそのまま入れます。支援者が用意した言葉に置き換えないことが、このワークシートの要点です。

### 意味の代筆と要約しすぎの失敗

ステップ4で支援者が「先週はできていましたよね」と出来事を挙げること自体は、前述のとおり原典の範囲内です。失敗になるのは、続けて「つまりあなたは本当はできる人なんです」と意味まで支援者が言ってしまう場合で、そこから先は支援者の物語になります。出来事を挙げたら「それはあなたにとってどんな出来事でしたか」と本人に意味づけを返します。本人から例外が出てこないときは、無理に引き出さずステップ3の評価の質問に戻ります。

もうひとつは要約のしすぎです。相手が「ずっと足を引っ張られている感じ」と言ったとき、「モチベーションの低下ですね」と言い換えると、名前を付ける主導権が支援者に移ります。相手の表現をそのまま返す[オウム返し（バックトラッキング）とは？言い換え・類語と心理、傾聴での使い分け](/column/details/8739/)の技法が、ここで効きます。

## ナラティブセラピーの効果研究：メタ分析の結論と限界

Hu、Han、Gains、Jiaによる[2024年のメタ分析（International Journal of Clinical and Health Psychology 24巻4号）](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39624337/)は、身体疾患を持つ成人の抑うつ症状を対象にランダム化比較試験54件・計4,879人を統合し、標準化平均差 -1.64（95%信頼区間 -1.95〜-1.32）という大きな改善を報告しました。ただし同じ論文が、エビデンスの質を「低い（low-quality evidence）」と評価しています。54件のうち52件が中国で行われた研究で、参加者と研究者の盲検化を行った試験は1件もありませんでした。うつ病と診断された患者を対象にした研究も2件だけです。

摂食障害については、Contiらによる[2022年の系統的レビュー（Journal of Eating Disorders 10巻・論文番号138）](https://link.springer.com/article/10.1186/s40337-022-00636-4)が、臨床家の報告や面接の逐語録といった実践由来のエビデンスによる支持は「限定的」と結論しています。

ここから言えるのは、ナラティブセラピーに効果がないということではなく、効果の大きさを他の療法と比べて断言できる段階にはまだない、ということです。上の研究は身体疾患の患者や摂食障害の治療を対象にしたもので、職場の1on1を検証したものではありません。管理職が質問の型を借りることに、同じ効果を期待する根拠にはなりません。

## 認知行動療法・解決志向・コーチングとの違い

「考え方を扱う」点で似た手法と並べると、ナラティブアプローチの位置がはっきりします。

| 手法           | 主な提唱者・年代          | 扱う対象     | 支援者の立ち位置  |
| ------------ | ----------------- | -------- | --------- |
| ナラティブアプローチ   | ホワイト／エプストン 1990年  | 本人が語る物語  | 物語の共著者    |
| 認知行動療法       | ベック 1960年代        | 思考・感情・行動 | 協働で検証する相手 |
| 解決志向ブリーフセラピー | ド・シェイザー／バーグ 1978年 | 解決像とその資源 | ゴール設定の伴走者 |
| コーチング        | レナード 1992年        | 目標と行動計画  | 達成を促す立場   |

認知行動療法は、アーロン・T・ベックが1960年代に開発し『Cognitive Therapy and the Emotional Disorders』（1976年）で体系化した手法です。[ベック研究所のジュディス・ベック](https://beckinstitute.org/blog/why-cbt-therapists-dont-challenge-clients-cognitions-and-why-it-matters/)は、治療者が認知を一方的に否定するのではなく、本人と協働して考えを検証する協働的経験主義を基本に据えると説明しています。それでも、考えが現実の証拠に合うか、役に立つかを検証する点で、語りの正誤を問わず語りの筋そのものを扱うナラティブアプローチとは焦点が異なります。

解決志向ブリーフセラピーは、スティーブ・ド・シェイザーとインスー・キム・バーグが1978年にミルウォーキーで設立したBFTC（Brief Family Therapy Center）から生まれました。原因を追わない点はナラティブアプローチと近いものの、望ましい未来像を先に描く運びが中心です。ナラティブアプローチは、すでに起きた出来事から見落とされていた事実を拾い直します。

コーチングは、トマス・J・レナード（1955-2003）が1992年に設立した養成機関Coach Uと、1995年発足の国際コーチ連盟（ICF）を通じて職業として整えられました。コーチングは目標を前提に行動を設計しますが、ナラティブアプローチは目標そのものが誰の物語から来ているのかを問い直すところから始めます。人の見方を変える枠組みという点では、[アドラー心理学とは？課題の分離・5つの基本前提・名言をわかりやすく解説](/column/details/9053/)とも関心が重なります。

## ビジネスでの使いどころ：1on1と組織開発

### 1on1での外在化の言い換えと前提条件

職場で使いやすいのは外在化の段階3までです。「君は納期意識が低い」と人を評価する言い方を、「その『締切前の詰まり』は、どの工程で出てきますか」と問題を対象にする言い方へ置き換えるだけで、面談は責任追及から、同じ問題を二人で眺める場に変わります。

前提条件があります。部下が自分の物語を語れるのは、語った内容が評価に不利に働かないと信じられる場合だけです。この前提が崩れている職場では、質問を増やすほど当たり障りのない答えが返ってきます。[心理的安全性とは？エドモンドソンの定義と7つの質問、ぬるま湯組織との違い](/column/details/8443/)で扱う条件を先に整えるほうが、手法の導入より効果があります。

### 組織のドミナントストーリーの編み直し

組織開発では、チームに定着した「うちは他部署と話が通じない」「新しいことをやっても続かない」といった集団のドミナントストーリーが対象になります。手順は個人と同じで、続かなかった施策の一覧ではなく、例外的に続いた取り組みの細部を掘り下げます。誰が何をして続いたのかを本人たちの言葉で記録し、他のメンバーが聴き手として立ち会う場を作るところまでがひと続きの作業です。組織が出来事に意味を与える過程そのものは、[センスメイキング理論とは？ワイク原典の7要素と「ピレネーの地図」の出典](/column/details/10337/)が別の角度から扱っています。

個人の面談では、語り直しが本人の効力感に接続するかどうかが行動の変化を左右します。この接点は[エフィカシーとは？意味・英語と自己効力感／自己肯定感との違い、4つの高め方](/column/details/9606/)が参考になります。

## ナラティブアプローチを使うべきでない場面

万能の手法として紹介されがちですが、避けるべき場面がはっきりあります。

第一に、緊急性のある心身の不調です。希死念慮、急性のうつ状態、パニック症状にある相手に対して、上司や人事が物語の編み直しを試みるべきではありません。産業医や外部の相談窓口へつなぐのが先です。ナラティブセラピー自体は精神的な困難を抱える人への臨床実践を含みますが、それは訓練を受けた専門職の領分で、上司が職場で使えるのはその一部を借りた対話技法だという線引きを保ってください。

第二に、事実認定が必要な場面です。ハラスメントの申告や事故の調査では、複数の語りのどれが事実かを確定しなければなりません。語りの正誤を判定しないナラティブアプローチの構えは、この目的と正面から衝突します。

第三に、評価者が聴き手になる場面です。昇給や配置を決める権限を持つ人が聴き手になると、語られる内容は自動的に選別されます。1on1で本格的に用いるなら、評価面談とは別の時間・別の記録扱いにするか、直属の上司以外が担当する設計にしてください。この設計を決めないまま始めると、形式だけの面談が増えます。

## よくある質問

### オルタナティブストーリーとは、簡単に言うと何ですか？

本人を縛っている物語からこぼれ落ちた出来事を手がかりに、本人が語り直していく別の筋の物語です。「話せない自分」という物語に対して「準備すれば話せた日」を入口に、何をしたか、何を大事にしていたかを言葉にして厚くしていきます。支援者が用意した前向きな解釈ではありません。

### ドミナントストーリーとオルタナティブストーリーの違いは何ですか？

ドミナントストーリーは、本人の自己理解を支配している語りで、支援で扱うのはそのうち問題に染まったものです。オルタナティブストーリーは、その語りでは説明できない出来事から立ち上がる別の語りです。前者を消して後者に置き換えるのではなく、後者が前者と並ぶほど厚くなったとき、本人はどちらの筋で次の行動を選ぶかを選べるようになります。

### ナラティブアプローチの提唱者は誰ですか？

マイケル・ホワイトとデヴィッド・エプストンの2人です。片方だけを挙げる紹介を見かけますが、1990年の共著という形が実態に合っています。ホワイトはアデレードのダリッチ・センターを拠点に2008年まで活動し、エプストンはニュージーランドを拠点に実践を重ねました。

### ナラティブアプローチの具体例は？

「部下に嫌われている」と悩む管理職なら、まずその物語を最後まで聴き、悩みに本人の言葉で名前を付けてもらいます。次に、その悩みが仕事に何をさせているか、それを本人がどう受け止めているかを尋ねます。部下の1人が私事の相談に来た日が本人の口から出てきたら、その日に何をしていたか、それが本人の何を語っているかを掘り下げ、本人自身の言葉で別の物語を組み立てていきます。

### ナラティブアプローチとナラティブセラピーは違うものですか？

重なりますが同じではありません。野口裕二の整理では、ナラティブアプローチはナラティブに着目する臨床内外のすべての実践や研究の総称で、医療・看護・社会福祉・法学・経営学などを含みます。ナラティブセラピーは狭義にはホワイトとエプストン流の臨床実践を指し、総称の一部にあたります。

## 関連記事

- [リフレーミングとは？捉え直す意味・読み方と言い換え一覧｜原典の定義とやり方](/column/details/9195/)
- [オウム返し（バックトラッキング）とは？言い換え・類語と心理、傾聴での使い分け](/column/details/8739/)
- [心理的安全性とは？エドモンドソンの定義と7つの質問、ぬるま湯組織との違い](/column/details/8443/)
- [ストーリーテリングとは？意味と型・事例と「22倍」説の出典を検証](/column/details/9650/)
- [エフィカシーとは？意味・英語と自己効力感／自己肯定感との違い、4つの高め方](/column/details/9606/)

---

出典: [ナラティブアプローチとは？ドミナントストーリーとオルタナティブストーリーの意味・具体例と質問ワークシート](<https://www.issoh.co.jp/column/details/9062/>)（株式会社一創）
