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title: "アドラー心理学とは？課題の分離・5つの基本前提・名言をわかりやすく解説"
url: "https://www.issoh.co.jp/column/details/9053/"
published: 2025-09-30
updated: 2026-09-27
categories: ["マーケティング"]
publisher: "株式会社一創"
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# アドラー心理学とは？課題の分離・5つの基本前提・名言をわかりやすく解説

アドラー心理学とは、オーストリアの精神科医アルフレッド・アドラー（1870-1937）が創始した心理学で、本人は「個人心理学」と呼びました。行動の原因を過去ではなく「その人が向かう目的」に求める目的論と、人を分割できない全体として捉える見方が柱です。ベストセラー『嫌われる勇気』をきっかけに、「課題の分離」「共同体感覚」「勇気づけ」といった言葉が職場でも使われるようになりました。ただし、日本で広く語られている内容には、アドラー本人の主張と後世の解釈が混ざっています。この記事では一次資料に当たりながら、5つの基本前提、主要概念、名言の出典、そして仕事での活かし方を整理します。

## まとめ：アドラー心理学の要点

先に全体像です。アドラー心理学は「人は目的に向かって自ら動いている」という前提に立ち、対人関係の課題を共同体感覚という価値基準で解きほぐす、臨床由来の実践的な心理学です。

| 観点     | 要点                                                 |
| ------ | -------------------------------------------------- |
| 創始者    | アルフレッド・アドラー（1870年-1937年、享年67歳）                     |
| 本来の名称  | 個人心理学（Individual Psychology）                       |
| 理論の中核  | 5つの基本前提＝個人の主体性・目的論・全体論・社会統合論・仮想論                   |
| 思想の中核  | 共同体感覚（Gemeinschaftsgefühl）                         |
| 代表的な技法 | ライフスタイル分析・エピソード分析・勇気づけ・課題の分離                       |
| 広まった契機 | 岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』（ダイヤモンド社、2013年12月）                |
| 注意したい点 | 野田俊作顕彰財団によれば、「課題の分離」は日本で考案された技法で、アドラー本人が考案したものではない |

以下では、定義、アドラーという人物、5つの基本前提、目的論、共同体感覚、課題の分離、勇気づけ、名言、科学としての位置づけ、仕事での使い方の順に見ていきます。

## アドラー心理学の定義と「個人心理学」という本来の名称

アドラー心理学を一言で言えば、「人はそれぞれ自分なりの目標を持ち、その目標に向かって自分で動いている」と考える心理学です。一般財団法人 野田俊作顕彰財団（Adler Institute Japan）は、アドラー心理学を「アルフレッド・アドラーが創始した心理学の思想と理論と治療技法の体系」と定義しています。理論だけでも技法だけでもなく、思想を含む三層構造だという点が、この定義の要点です。

なお、この記事で繰り返し参照する野田俊作は、日本にアドラー心理学を本格的に導入した精神科医で、同財団はその継承団体にあたります。以下で「同財団」と記すのはこの団体を指し、記述はこの団体の見解にもとづくものです。

### Individual Psychology の「Individual」＝分割できない一つの全体

アドラー本人は自分の心理学を「個人心理学（Individual Psychology）」と呼びました。ここで誤解が起きやすいのが Individual という語です。同財団の解説によれば、この語は一般には「集団に対する個人、あるいは単に人」を指しますが、語源はラテン語の individualis で、「一つであって分割できない」という意味を持ちます。アドラー心理学における「個人」も、この語源に沿って、分割できないひとつの全体を意味します。

したがって「アドラー心理学は個人主義だ」「自分さえよければいいという教えだ」という理解は、この用法から外れています。同財団も「個人が主体的というのなら私が何をしたって勝手だ、その結果どうなろうと私には関係ない、などとする、誤ったアドラー心理学解釈が世の中にみられるようです。それは全くの、真逆の解釈といわねばなりません」と、はっきり否定しています。

### 理論・思想・技法という3層構造

日本語で流通しているアドラー心理学の解説は、目的論も共同体感覚も課題の分離も、すべて横並びの「理論」として並べていることが少なくありません。しかし同財団の整理では、階層が違います。

| 層              | 位置づけ                  | 含まれるもの                       |
| -------------- | --------------------- | ---------------------------- |
| 理論（Theory）     | 人がどう「ある」かを価値中立に説明する仮説 | 5つの基本前提                      |
| 思想（Philosophy） | どう生きる「べき」かの価値判断       | 共同体感覚                        |
| 技法（Technique）  | 臨床や日常で実際に使う手続き        | ライフスタイル分析、エピソード分析、勇気づけ、課題の分離 |

この区別を押さえておくと、後述する「課題の分離はアドラー本人のものではない」という話も、「共同体感覚だけは価値判断を含む」という話も、すっきり理解できます。

## アルフレッド・アドラーの生涯とフロイト・ユングとの関係

アドラーは1870年、オーストリアの首都ウィーンの郊外に生まれたユダヤ人です。ウィーン大学医学部を卒業後、しばらく内科と小児科の医師として働いていました。

### 1902年の合流から1911年の決別まで

アドラーがフロイトのサークルに参加するようになったのは1902年からです。同財団の「アドラー小伝」によれば、アドラーはフロイトの信任を受け、一時は精神分析協会の会長や機関紙の編集長も務めました。しかし1911年、学説の対立からフロイトと袂を分かちます。その後に発展させた独自の体系が、今日のアドラー心理学です。単なる弟子でも後継者でもなく、内部で重責を担ったうえで決別した人物、という位置づけになります。

第一次世界大戦後、敗戦国となったオーストリアの荒廃のなかで、アドラーは子どもの問題に強い関心を向け、ウィーンに児童相談所網をつくって問題児の治療と後進の教育に取り組みました。理論が机上ではなく臨床の現場から洗練されていったのは、この時期です。1926年以降はしばしばアメリカへ渡り、ナチスの脅威が予測されるようになった1935年にアメリカへ移住。1937年5月、スコットランドへの講演旅行中に、アバディーンという小さな町の路上で心臓発作により急死しました。享年67歳でした。

### 「世界三大心理学者」という呼び方の出所

アドラーを紹介するとき、「フロイト、ユングと並ぶ世界三大心理学者の一人」という表現がよく使われます。今回この記事の執筆にあたって調べた範囲では、学会等がこうした格付けを公式に定めた一次資料は確認できませんでした。一方で、日本の紹介文脈でこの語が機能していることを示す資料はあります。『嫌われる勇気』の版元であるダイヤモンド社は、書籍紹介文で「フロイト、ユングと並ぶ心理学三大巨匠の一人、アドラー」と書きつつ、同じ文章のなかで「日本では無名に近い存在ですが、欧米での人気は抜群で」とも書いています。2013年の時点で、版元自身が日本での知名度の低さを前提に、この呼び方を使って売り出していたわけです。

3人の違いは、人の行動を何で説明するかに集約されます。以下は一般的な整理として示すもので、アドラー以外の2名については本記事では一次資料に当たっていません。

|       | アドラー        | フロイト          | ユング           |
| ----- | ----------- | ------------- | ------------- |
| 行動の説明 | 目的（どこへ向かうか） | 原因（過去に何があったか） | 無意識の構造とイメージ   |
| 人の捉え方 | 分割できない全体    | 意識と無意識に分けて分析  | 個人的無意識と集合的無意識 |
| 重心    | 社会のなかの個人    | 個人の内的な力動      | 個人の内面の統合      |

## アドラー心理学の5つの基本前提と「三原則」の実際

アドラー心理学の理論の中核は「基本前提（Basic Assumptions）」と呼ばれます。同財団は、この基本前提を「個人の主体性・目的論・全体論・社会統合論・仮想論」の5つとして示しています。

| 基本前提   | 内容                                    |
| ------ | ------------------------------------- |
| 個人の主体性 | 「部分が個人を動かす」のではなく「個人が部分を動かす」と考える       |
| 目的論    | 人の行動にはすべて目的があり、目標に向かって自ら動いていると考える     |
| 全体論    | 心と体、意識と無意識を対立させず、分割できない一つの全体として扱う     |
| 社会統合論  | 人は社会的な文脈のなかでのみ理解できると考える               |
| 仮想論    | 人は客観的な事実そのものではなく、自分が意味づけた世界を生きていると考える |

### 5つの基本前提はアドラー没後に抽出されたもの

ここは押さえておきたい点です。同財団の説明によれば、5つの基本前提は「アドラーの没後、アドラーに直接学び、彼の人となりや想いを身近に知っていたアドラー派の心理療法家たちが、遺された膨大な言葉と、生前の彼の治療方法を受け継」ぎ、「彼らの手によりアドラー心理学の体系化が進められるなかで」抽出されたものです。アドラーが「私の理論は5つの前提から成る」と宣言したわけではありません。

「5つの理論」という言い方で紹介されることも多いのですが、正確には理論そのものというより、理論を組み立てるための土台となる仮説群です。同財団は野田俊作の1998年の記述を引いて、次のように説明しています。「アドラー心理学は、基本前提（basic assumptions）とよばれる公理系の上に構築された理論である。基本前提は、経験から帰納された法則でもないし、何らかの方法で正当性が証明できるような定理でもない」。実験で証明された法則ではなく、あくまで人間理解のために置かれた出発点だ、という自己申告です。

### 「5つの理論」の呼び名のゆれと対応関係

解説記事によって5つの呼び名が違うため、読み比べると混乱します。ビジネス系メディアでは「自己決定性・目的論・全体論・認知論・対人関係論」という並べ方もよく使われます。対応はおおむね次のとおりです。

| 同財団の呼称 | よく見かける別の呼称 |
| ------ | ---------- |
| 個人の主体性 | 自己決定性      |
| 目的論    | 目的論        |
| 全体論    | 全体論        |
| 社会統合論  | 対人関係論      |
| 仮想論    | 認知論        |

### 「三原則」という整理の不在

検索では「アドラー心理学の三原則」という言い方もよく見かけますが、同財団の解説にこの名称は登場しません。記事によって挙げる3つの中身も、目的論・全体論・対人関係論だったり、別の組み合わせだったりと一致していないのが実情です。3つで捉えるなら、前述した「理論・思想・技法」という3側面が、一次資料に根拠のある整理になります。

## 目的論とトラウマ論：原因ではなく目的から行動を読む視点

目的論は、アドラー心理学のなかでも最も知られた考え方です。人の行動を過去の原因ではなく、その人が向かっている目標から理解する立場を指します。対になる考え方は「原因論」で、同財団はこれを「人の行動にはすべて原因がある」と考える立場だと説明しています。

### アドラー自身の言葉による目的論の定義

アドラーは『Understanding Human Nature』（1927年の英訳版）で、次のように書いています。「The psychic life of man is determined by his goal. No human being can think, feel, will, dream, without all these activities being determined, continued, modified and directed, toward an ever-present objective.」（人の心的生活はその目標によって決定される。人は誰も、常に存在する目標に向かって決定され、継続され、修正され、方向づけられることなしに、考えることも、感じることも、意志することも、夢を見ることもできない）。行動だけでなく、感情や夢まで含めて目標に方向づけられていると述べているのが特徴です。

### 「トラウマは、存在しない」の出所は書籍の節タイトル

目的論の説明でよく引用される「トラウマは、存在しない」というフレーズは、『嫌われる勇気』第1夜の節のタイトルです。ダイヤモンド社の書誌ページに掲載された目次に、「トラウマは、存在しない」「人は怒りを捏造する」という項目が確かに並んでいます。アドラー自身の著作からの直接の引用ではないため、「アドラーはトラウマを否定した」と断定的に紹介するのは正確ではありません。

目的論が実務で有用なのは、過去を確定させなくても次の一手を検討できるからです。同財団も、原因を過去にさかのぼって探すと原因は枝分かれしてネズミ算式に増え続け、決定的な原因を特定できなくなると指摘しています。部下が会議で発言しないとき、「性格が内向的だから」と原因に置き換えて終わるより、「発言しないことで何が守られているのか」と目的の側から考えたほうが、打ち手が見つかります。

## 共同体感覚：理論ではなく「思想」に位置づけられる価値基準

共同体感覚は、ドイツ語で Gemeinschaftsgefühl（ゲマインシャフツゲフュール）といいます。後半の Gefühl は英語の feeling にあたり、前半の Gemeinschaft はドイツ語で社会を意味する語のひとつで、ここでは共同体と訳されます。

### 共同体感覚＝「善であるかどうかの判断」という基準

共同体感覚は、居心地のよさや所属感といった気分のことだと説明されがちですが、同財団はより踏み込んだ定義を示しています。アドラーは共同体を空間的・時間的な広がりを持つものとして想定し、「ものごとがそうした共同体にとって善であるかどうかの判断を共同体感覚と呼び、治療の根本に据えました」。つまり感覚というより、判断の基準です。身近な人への愛情から出発しながら、より大きな視点からの判断へと人を成長させるもの、と位置づけられています。

アドラー自身も、この概念を評価の唯一の物差しとして扱っていました。『Understanding Human Nature』には「We cannot judge a human being except by using the concept of the social feeling as a standard, and measuring his thought and action according to it.」（われわれは、社会的感情という概念を基準として用い、その人の思考と行動をそれに照らして測ること以外に、人を判断することはできない）とあります。1927年の英訳では Gemeinschaftsgefühl が social feeling と訳されており、日本語の「共同体感覚」という訳語が定着するまでに複数の訳語があったことも、この語のわかりにくさの一因です。

### 生得的な可能性であり、意識的に育成するもの

アドラーは共同体感覚を「生得的な可能性」だと述べる一方で、「意識的に育成されるべき」だとも言いました。同財団は、この二面性を「学ばなければ身につかないものであり、たったひとりで学ぶのが困難なものでもあり、しかも、学んでもつい忘れてしまいがちなもの」と説明しています。特別な才能でも神秘的な感覚でもなく、学習と実践で伸ばすものだ、という理解が妥当です。

## 課題の分離：野田俊作が日本向けに考案した予備的技法

『嫌われる勇気』で最も広まった概念が「課題の分離」でしょう。これは誰の課題なのかを見極め、他者の課題に踏み込まないという考え方として紹介されます。ここに、日本語圏のアドラー心理学の解説で最も見落とされている事実があります。

### ドライカースの問いを日本向けに翻案した経緯

同財団は「課題の分離」について、はっきりこう書いています。「一部でアドラー以来の教えであると誤解されているようですが、実はこの技法は、かつて野田俊作がアドラー心理学に基づく育児プログラムを日本に導入する際に、日本の社会のあり方や家庭の状況などを考慮して、ドライカースのアイデアをさらに発展させる形で新しく考案したものなのです」。

元になったのは、アドラーの高弟ルドルフ・ドライカースの「誰の責任かを明らかにし、本来あるべき人の手にゆだねる」という語り方です。ドライカースは英語で “Whose responsibility?”、あるいは “Mind Your Own Business” とも表現していました。ただし欧米は個人主義的な文化で、誰がその課題に対応すべきかを普段から自覚する習慣があるため、心理技法としての「課題の分離」はとくに必要とされない、と同財団は説明しています。

一方、日本には責任を曖昧にする文化があり、そこで「誰の責任か」を問うと、しばしば犯人探しになってしまいます。そこで野田俊作は、ドライカースの「誰の責任か？」という問いを「誰の課題か」という問いかけに翻案しました。つまり課題の分離は、日本の対人文化に合わせて設計されたローカライズの産物です。

### 「誰の課題か」の判定基準＝結末が誰にふりかかるか

実際に使うには判定基準が要ります。同財団は、その基準をこう定義しています。「その課題に関する結末が最終的にふりかかるのは誰か、という観点から、その課題が本来誰の課題であるかを判断するもの」。

同財団が挙げる例は、子どもが勉強するかどうかという課題です。勉強するにせよしないにせよ、それによって左右されるのは子ども自身の将来だから、これは本来子どもの課題である、という判定になります。職場に置き換えるなら、「その結果を最後に引き受けるのは誰か」を問うことになります。締切に間に合わなかったときに評価が下がるのが担当者なら、それは担当者の課題です。逆に、遅れが顧客との契約に直結するなら、結末はチーム全体にふりかかるため、担当者だけの課題とは言えません。

### 分離で終わらせない：「共同の課題」をつくる手順

もう一つ、実務上とても重要な点があります。同財団によれば、野田俊作はしばしば「『課題の分離』は『共同の課題』をつくるための準備だ」と語っていました。手順は次のようになります。

1. 結末が誰にふりかかるかを基準に、その課題が本来誰の課題なのかを判断する（ここが「課題の分離」）
2. 本人だけで対処できるのか、誰かの協力が必要なのかを、本人とよく話し合う
3. 協力が必要なら、誰がどこをどう分担するかを共同作業で決める（ここが「共同の課題」）
4. 決めたあとも見守り、必要なら共同の課題をつくり直す

同財団は「一度課題を分離したらもうそれっきりで、『あなたの課題だから』と終わりにしてしまうのなら、それでは単なる無責任な放任育児であって、アドラー心理学とはいえません」と明言しています。

ここで注意したいのは、『嫌われる勇気』の目次では第3夜が「他者の課題を切り捨てる」「他者の課題を切り捨てよ」という強い表現になっていることです。書籍の対話としては筋が通っていますが、この言い回しだけを職場に持ち込むと、「それはあなたの課題だから」と言って支援を打ち切る口実になりかねません。上司が使うなら、分離した直後に「では、どこまでなら手伝えるか」を必ず一緒に決めるところまでをセットにしてください。

### 「最重要の技法」という紹介への財団自身の否定

付け加えておくと、同財団は課題の分離の位置づけそのものにも釘を刺しています。「課題の分離について、アドラー心理学でもっとも重要な技法だと紹介されることがあるようですが、それは誤りです。たしかに重要ですが、最重要ではありません」。より大事なのは分離したあとに共同の課題をつくる過程であり、さらに大事なのは課題を分担し合って協力し、ともに幸せに暮らすことだ、と続きます。課題の分離だけを切り出して研修の目玉に据えるのは、一次資料の意図から外れることになります。

## 勇気づけと「褒めてはいけない」の誤解

アドラー心理学の実践では、勇気づけ（Encouragement）がすべての土台に置かれます。同財団は「『勇気づけ』のないアドラー心理学は到底考えられず、アドレリアンであることは勇気づけをして暮らすこと、といっても過言ではありません」と書くほどです。

### 勇気づけの定義と、特定の言い回しではない理由

一般には、励ます、優しくする、明るい気分にする、といったイメージで語られます。しかし同財団の定義は違います。「『勇気づけ』とは、相手が、より共同体感覚に基づく生き方、暮らし方ができるように働きかけること」。この定義から、二つの帰結が導かれます。ひとつは、相手にとって厳しく感じられる言葉でも勇気づけになりうること。もうひとつは、一般には勇気づけに見える言葉でも、勇気をくじく行為になりうることです。同じ言葉でも、状況と、声をかける側の構えによって変わります。

だからこそ、同財団は「『勇気づけ』とは『こう言えばよい』『こうするとよい』といったような、特定の声がけや行動の仕方などをいうのではない」と釘を刺しています。出発点は言い回しではなく、働きかける側が競合的な構えを抜けて協力的に暮らすと決めること、「縦の関係」を抜けて「横の関係」で生きると決めることだ、とされています。

そのうえで同財団は、勇気づけの技法として次のようなものを挙げています。相手の話を聴く、お願い口調で話す、課題の分離、貢献や協力に注目する、過程を重視する、すでに達成できている成果を指摘する、失敗をも受け入れる、個人の成長を重視する、相手に判断をゆだねる、肯定的な表現を使う、「私メッセージ」を使う、感謝し共感する。ただし「単に言葉をなぞっただけの形だけのものになってしまえば、なんの役にも立たないばかりか、逆効果になることも少なくない」とも付記されています。

### 「褒めるな」と実証研究のずれ

アドラー心理学が褒めることに慎重なのは、褒めるという行為が「縦の関係」を前提とした関わりになりやすいからです。同財団も、勇気づけを「単なる『褒め言葉』のような小手先のテクニックではなく、尊敬に基づいた対等な『横の関係』から」働きかけるものだと説明しています。ここで、実証研究の側から補助線を引いておきます。

デシ、コスナー、ライアンが1999年に Psychological Bulletin 誌に発表した、128件の研究を対象としたメタ分析があります。この分析では、有形の報酬が自由選択場面での内発的動機づけを有意に低下させました。従事に対する報酬が d=-0.40、完了に対する報酬が d=-0.36、成果に対する報酬が d=-0.28です。いわゆるアンダーマイニング効果です。ところが同じ分析で、言語的な肯定的フィードバックは、自由選択行動（d=0.33）と自己申告の興味（d=0.31）の両方を高めていました。

つまり、内発的動機づけを削るのは主に報酬という仕組みのほうで、言葉で認めること自体は逆に動機づけを高める、という結果です。「褒めてはいけない」を「部下を言葉で認めるな」と読み替えると、実証研究とは反対方向に進んでしまいます。ただしこの分析は、言語的報酬の高揚効果は大学生に比べて子どもでは小さい傾向があるとも報告しているため、育児の文脈にそのまま持ち込むことはできません。報酬設計と動機づけの関係は[アンダーマイニング効果とは何か？その意味や定義を初心者にもわかりやすく専門家が企業事例も交えて丁寧に解説](/column/details/10332/)でも扱っています。

## アドラーの名言：一次資料で確認できる言葉と出典不明の言葉

アドラーの名言はインターネット上に大量に流通していますが、その多くは出典が示されていません。ここでは、一次資料に当たって確認できたものだけを挙げます。

### アドラー自身の著作で確認できる言葉

- 「人の心的生活はその目標によって決定される。人は誰も、常に存在する目標に向かって決定され、継続され、修正され、方向づけられることなしに、考えることも、感じることも、意志することも、夢を見ることもできない」（『Understanding Human Nature』1927年英訳版）
- 「われわれは、社会的感情という概念を基準として用い、その人の思考と行動をそれに照らして測ること以外に、人を判断することはできない」（同上）

### 財団がアドラーの考えとして紹介する言葉

「人が何を所有しているかを確かめるよりも、所有しているものをどう使用できるかを引き出すほうに心理学は関心を寄せるべきだ」。これは同財団がアドラーの考えとして紹介しているもので、著作からの逐語引用としては確認していません。所有の心理学（psychology of possession）と使用の心理学（psychology of use）の対比を示す言葉です。

### 出典を確認できない言葉と、ライフタスクの原型

「すべての悩みは対人関係の悩みである」は、アドラーの名言として最もよく引用されるフレーズです。ただし確認できる出典は『嫌われる勇気』第2夜の節タイトル「すべての悩みは『対人関係の悩み』である」で、アドラーの著作からの直接の引用としては確認できませんでした。

アドラー自身は『Understanding Human Nature』のなかで「the three great problems of life（人生の3つの大きな問題）」に言及し、それを次の3つとして列挙しています。社会的な責任の問題、すなわち「私」と「あなた」の関係および仲間との接触を適切に育んできたかどうか。職業と仕事の問題。そして愛と結婚の問題。日本で「仕事・交友・愛」の3つのライフタスクとして紹介されるものの原型が、この記述です。悩みを対人関係に一元化する言い方より、人生の課題が対人関係の形をとって現れる、と読むほうが原典に近くなります。

名言を資料や研修で引用するときは、出典を確認できたものと、そうでないものを分けて扱うことをおすすめします。出典不明のまま社内資料に載せると、後から訂正が必要になることがあります。

## アドラー心理学の科学性とポパーの反証可能性

ビジネスで人事施策の根拠として使う以上、この問いは避けて通れません。結論から言えば、アドラー心理学は実験で検証された法則の体系ではなく、人間理解の枠組みとして設計されたものです。これは批判者だけでなく、アドラー心理学の側も認めている点です。

### ポパーが1919年に記録したアドラーとのやりとり

科学と非科学の線引き（反証可能性）を提唱した哲学者カール・ポパーは、著書に収められた論考「Science as Falsification」で、アドラーとの直接のやりとりを回想しています。ポパーは同じ論考で、アドラーがウィーンの労働者地区に設けた相談所での社会事業に協力していたとも書いており、外部からの批判者ではなく、内側を知る立場からの記述です。

ポパーはこう書いています。「Once, in 1919, I reported to him a case which to me did not seem particularly Adlerian, but which he found no difficulty in analyzing in terms of his theory of inferiority feelings, although he had not even seen the child.」（1919年のこと、私は彼に、私にはとくにアドラー的とは思えない事例を報告した。しかし彼は、その子どもを見てすらいないのに、劣等感の理論によってそれを分析することに何の困難も感じなかった）。

驚いたポパーがなぜそこまで確信できるのかと尋ねると、アドラーは「Because of my thousandfold experience（私の千回にわたる経験によってです）」と答えました。これに対してポパーは「And with this new case, I suppose, your experience has become thousand-and-one-fold（そしてこの新しい事例で、あなたの経験は千一回になったわけですね）」と返した、と記しています。ポパーの論点は、どんな事例でも理論に沿って解釈できてしまうなら、その解釈は理論を検証したことにならない、というものでした。

### 「証明できる定理ではない」という当事者側の説明

興味深いのは、この批判に対してアドラー心理学の側が真っ向から反論するのではなく、性格の違いとして受け止めている点です。前述のとおり、同財団は基本前提を「経験から帰納された法則でもないし、何らかの方法で正当性が証明できるような定理でもない」「アドラー心理学の諸原理を統一的に説明するために要請された理論的な仮説」と説明しています。加えて、共同体感覚については「価値判断を伴うものは、科学でも心理学でもないと考えられています」と現代心理学の常識に触れたうえで、それでも価値的概念として中核に据えていると説明しています。

したがって実務での扱い方は、次のようになります。アドラー心理学は、施策の効果を保証するエビデンスとしてではなく、対人関係の捉え方を切り替えるフレームワークとして使うのが妥当です。効果測定が必要な施策には、動機づけや職場環境について検証されている理論を併用してください。たとえば[人事担当者・管理職必読：心理的安全性を理解する方法。安心して意見交換できる組織環境の意義と必要性を解説](https://www.issoh.co.jp/column/details/8443/)や[ハーズバーグの二要因理論とは何か？職場のモチベーションを左右する理論の概要をわかりやすく徹底解説](https://www.issoh.co.jp/column/details/8849/)が参考になります。

## 仕事・職場でのアドラー心理学の使いどころ

ここまでの整理を踏まえると、職場での使いどころは自然に絞られます。この心理学が強いのは、原因探しに行き詰まった対人関係の場面です。

### 1on1での問いの置き換え（「なぜ」から「何のために」へ）

目標未達の1on1が、原因の追及に終始して気まずく終わるのはよくある光景です。目的論に立つなら、問いを「なぜ達成できなかったのですか」から「この状況で、あなたは何を守ろうとしていましたか」「次の期で何に向かいたいですか」へ切り替えます。過去を確定させなくても次の行動を設計できるため、面談が防衛的になりにくくなります。

### 役割分担での「共同の課題」の決め方

プロジェクトで責任範囲が曖昧なまま全員が手を出すと、成長機会も成果も損なわれます。まず結末が誰にふりかかるかを基準に誰の課題かを判定し、そのうえで「どこからは協力するのか」をメンバーと合意します。前述のとおり、分離だけで止めないことが要点です。「それは君の課題だから」で会話を終わらせるマネジメントは、課題の分離の誤用にあたります。

### フィードバックは評価ではなく事実と貢献の言語化

勇気づけを実装するなら、「よくやった」という格付けではなく、「この資料のおかげで意思決定が一日早まりました」のように、事実と、それが誰にどう貢献したかを伝えます。同財団が挙げる技法のうち、貢献や協力に注目する、過程を重視する、すでに達成できている成果を指摘する、感謝し共感する、あたりが職場でそのまま使える部分です。デシらのメタ分析が示すとおり、言語的な肯定的フィードバック自体は動機づけを損ないません。避けたいのは、報酬と紐づけて評価の道具にすることです。期待の伝え方については[ピグマリオン効果とは？言葉の由来や背景、心理学的な意味・基本概念と現代社会への影響などそのすべてを徹底解説する](https://www.issoh.co.jp/column/details/8439/)もあわせてご覧ください。

### 劣等感と劣等コンプレックスの扱い分け

アドラーは劣等感そのものを病理とは見ていません。『Understanding Human Nature』では、劣等感の圧力のもとで心がそれを乗り越えようとする働き（補償）を論じ、それが行き過ぎると過剰補償や、力と支配への誇張された追求に向かうと述べています。『嫌われる勇気』の目次にも「言い訳としての劣等コンプレックス」という節があるように、問題になるのは劣等感そのものではなく、それを言い訳に使う状態のほうです。職場では、劣等感を否定して「自信を持て」と促すより、何を補償しようとしているのかを一緒に見るほうが建設的です。自分への向き合い方は[セルフコンパッション（自己慈愛）とは？意味・3つの要素・高める方法と自己肯定感との違いを解説](https://www.issoh.co.jp/column/details/9507/)でも扱っています。

## よくある質問

### アドラー心理学とは簡単に言うと何ですか？

アルフレッド・アドラーが創始した心理学で、本人は「個人心理学」と呼びました。人の行動を過去の原因ではなく本人が向かう目的から理解し、人を分割できない一つの全体として、社会や対人関係のなかで捉える立場です。野田俊作顕彰財団の整理では、理論（5つの基本前提）、思想（共同体感覚）、技法（勇気づけなど）の3層からなる体系とされています。

### アドラー心理学の5つの理論（基本前提）とは何ですか？

個人の主体性、目的論、全体論、社会統合論、仮想論の5つです。それぞれ自己決定性、対人関係論、認知論という呼び名で紹介されることもあります。ただしこれはアドラー本人が5つに整理したものではなく、没後にアドラー派の心理療法家たちが体系化を進めるなかで抽出したものだと、野田俊作顕彰財団は説明しています。

### アドラー心理学の三原則とは何ですか？

「三原則」という決まった呼び方は、野田俊作顕彰財団の解説には登場しません。解説記事によって挙げる3つの中身も一致していないのが実情です。3つで捉えるなら、理論・思想・技法という3つの側面が、一次資料に根拠のある整理になります。

### アドラー心理学ではなぜ褒めてはいけないのですか？

褒めるという行為が、評価する側とされる側という「縦の関係」を前提とした関わりになりやすいためです。野田俊作顕彰財団は、勇気づけを褒め言葉のようなテクニックではなく、対等な「横の関係」からの働きかけだと説明しています。ただし「言葉で認めること」まで禁じているわけではありません。デシらの1999年のメタ分析では、内発的動機づけを下げたのは有形の報酬であり、言語的な肯定的フィードバックはむしろ動機づけを高めていました。ただしこの高揚効果は、大学生に比べて子どもでは小さい傾向があるとも報告されています。格付けではなく、事実と貢献を伝える形にするのが実務的な着地点です。

### 課題の分離とはどういう意味ですか？

ある課題の結末が最終的に誰にふりかかるかという観点から、その課題が本来誰の課題なのかを判断する作業です。野田俊作顕彰財団によれば、これはアドラー本人の技法ではなく、ドライカースの「誰の責任か」という問いを野田俊作が日本向けに翻案して考案したものです。また分離して終わりではなく、そのあと「共同の課題」をつくる話し合いまでがセットで、同財団は「あなたの課題だから」と終わらせるのは放任にすぎないと明言しています。

### アドラー心理学はフロイトやユングとどう違いますか？

最も大きな違いは、行動を何で説明するかです。フロイトが過去の原因から説明するのに対し、アドラーはその人が向かう目的から説明します。またアドラーは人を分割せず一つの全体として扱い、社会や対人関係のなかに置いて理解します。アドラーは1902年からフロイトのサークルに参加し、精神分析協会の会長も務めましたが、1911年に学説の対立から袂を分かちました。

### アドラー心理学は仕事にどう活かせますか？

原因探しで行き詰まる対人関係の場面に向いています。1on1で「なぜできなかったか」を「何のために」へ置き換える、役割分担で結末が誰にふりかかるかを基準に課題を判定したうえで協力範囲を合意する、フィードバックを評価ではなく事実と貢献の言語化にする、といった使い方です。一方で、効果が実証された理論ではないため、効果測定が必要な施策では検証済みの理論を併用してください。

### アドラー心理学を学ぶにはどの本から読めばよいですか？

日本語で最も手に取りやすいのは、岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』（ダイヤモンド社、2013年12月、296頁、ISBN978-4-478-02581-9）です。哲学者と青年の対話形式で読みやすい一方、本記事で見たとおり書籍独自の表現も含まれます。アドラー本人の記述に当たるなら『Understanding Human Nature』（邦題『人間知の心理学』）などの著作があり、1927年の英訳版は Internet Archive で全文を読めます。

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出典: [アドラー心理学とは？課題の分離・5つの基本前提・名言をわかりやすく解説](<https://www.issoh.co.jp/column/details/9053/>)（株式会社一創）
