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title: "裁量労働制とは：専門業務型・企画業務型の要件と2024年改正、勤怠システムでのみなし時間の設定"
url: "https://www.issoh.co.jp/column/details/19147/"
published: 2026-11-01
updated: 2026-11-01
categories: ["人事労務"]
publisher: "株式会社一創"
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# 裁量労働制とは：専門業務型・企画業務型の要件と2024年改正、勤怠システムでのみなし時間の設定

裁量労働制は、実際に働いた時間ではなく、労使であらかじめ決めた1日あたりの「みなし労働時間」で労働時間を数える制度です。使えるのは労働基準法第38条の3の専門業務型と第38条の4の企画業務型の2つに限られ、2024年4月1日からは専門業務型でも本人の同意と同意撤回の手続きが必要になりました。この記事では、2つの型の対象業務と導入手続き、2024年改正で増えた手続き、健康・福祉確保措置の選び方を厚生労働省の資料に沿って整理します。後半では、勤怠システムでみなし時間と実際の在社時間をどう持ち分けるか、そして裁量労働制を見送るべき職場の条件を示します。

## まとめ：裁量労働制の2つの型と2024年改正後の手続き、勤怠管理で押さえる結論

裁量労働制を使えるのは、専門業務型の20業務と、本社などで事業運営の企画・立案・調査・分析を担う企画業務型の業務だけです。職種名や役職で決まるものではなく、仕事の進め方と時間配分を本人に任せている実態がなければ、みなし労働時間の効果は生じません。

2024年4月以降は、専門業務型でも労働者ごとの同意、同意しない人への不利益取扱いの禁止、同意撤回の手続きを労使協定に書く必要があります。改正前の協定のまま運用している事業場は、協定を結び直して労働基準監督署へ届け出ることが前提です。企画業務型は、定期報告が初回6か月以内、その後1年以内ごとに変わりました。

みなし時間で賃金を払う制度でも、深夜・休日の割増賃金は実際の時間で計算し、労働安全衛生法にもとづく労働時間の状況の把握も続きます。勤怠システムには、みなし時間と在社時間を別々に持たせ、月80時間を超えた人や深夜勤務が続く人を検知して適用を外す流れまで組み込みます。実装中心のエンジニアにチーム単位で一律に適用する使い方や、残業代を抑える目的の導入は見送ってください。

## 裁量労働制とは何かをみなし労働時間の仕組みと割増賃金の扱いから整理

最初に、裁量労働制で労働時間をどう数えるかと、それでも残る賃金計算の義務を確認します。

### 実労働時間でなく1日単位のみなし労働時間で算定する労働基準法の仕組み

[労働基準法](https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049)第38条の3（専門業務型）と第38条の4（企画業務型）は、業務の遂行方法や時間配分を大幅に労働者に委ねる必要がある業務について、労使で定めた時間を働いたものとみなすと定めています。10時間働いた日も5時間で切り上げた日も、協定で9時間と決めていれば9時間として扱います。

みなし時間は1日単位で定めるのが決まりです。[厚生労働省の専門業務型裁量労働制の解説](https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/study/roudousya%5Ftayou%5Fsenmon.html)は、1週間や1か月単位で定めることはできないとしています。月の総時間を先に決めて日々の出退勤を自由にする仕組みはフレックスタイム制のほうで、裁量労働制とは計算の単位が違います。

### みなし時間が法定労働時間を超える場合の36協定と深夜・休日の割増賃金

みなし時間を1日8時間を超えて定めると、超えた部分は時間外労働の扱いです。この場合は36協定の締結と届出が必要で、たとえば1日9時間とみなすなら毎日1時間分の割増賃金を払います。上限規制と特別条項の考え方は[36協定とは？残業の上限規制と届出](https://www.issoh.co.jp/column/details/17264/)で整理しています。

深夜（22時〜翌5時）と法定休日の労働は、みなし時間の対象外です。実際に働いた時間に応じて、深夜は25%以上、法定休日は35%以上の割増賃金を払う必要があります。「裁量労働制なので残業代は一切出ない」という説明は、この2つを見落とした誤りです。深夜割増の計算方法と、残業・休日と重なるときの率は[深夜手当とは：22時〜5時・25%の計算方法と残業・休日が重なる割増率](https://www.issoh.co.jp/column/details/19149/)で整理しています。休憩や年次有給休暇の規定も通常どおり適用されます。

### フレックスタイム制・事業場外みなし・高度プロフェッショナル制度との違い

働く時間を本人が決める制度は、裁量労働制のほかにもあります。違いは、労働時間を実時間で数えるか、みなしで数えるか、そもそも規制を外すかです。

| 制度            | 根拠        | 労働時間の数え方    | 対象              |
| ------------- | --------- | ----------- | --------------- |
| フレックスタイム制     | 労基法第32条の3 | 清算期間の実労働時間  | 業務の限定なし         |
| 事業場外みなし       | 労基法第38条の2 | 所定時間などでみなす  | 算定が困難な社外業務      |
| 専門業務型裁量労働制    | 労基法第38条の3 | 1日のみなし時間    | 告示の20業務         |
| 企画業務型裁量労働制    | 労基法第38条の4 | 1日のみなし時間    | 本社等の企画・立案業務     |
| 高度プロフェッショナル制度 | 労基法第41条の2 | 労働時間規制の適用なし | 年収1,075万円以上の専門職 |

フレックスタイム制は実労働時間で精算するため、深夜・休日以外の残業代もそのまま発生します。コアタイムを置かない設計は[スーパーフレックスタイム制の要件と残業代の計算](https://www.issoh.co.jp/column/details/9083/)で扱っています。出退勤の自由が目的なら、対象業務の制限も労使委員会もないフレックスタイム制で足りる職場は少なくありません。

## 専門業務型と企画業務型の対象業務と導入手続きの違いを比較して把握

2つの型は、対象業務の決め方も、導入の手続きも別物です。

### 専門業務型の20業務と2024年4月に追加された銀行・証券のM&A業務

専門業務型の対象は、厚生労働省令と告示で列挙された業務に限られます。2024年4月1日の改正で19業務から20業務になり、「銀行又は証券会社における顧客の合併及び買収に関する調査又は分析及びこれに基づく合併及び買収に関する考案及び助言の業務」が加わりました。改正の根拠は令和5年厚生労働省令第39号と同告示第115号で、[厚生労働省の裁量労働制の概要ページ](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou%5Froudou/roudoukijun/roudouzikan/sairyo.html)に法令・通達・Q&A・様式がまとめられています。

- 新商品・新技術の研究開発、人文科学・自然科学の研究
- 情報処理システムの分析・設計、システムコンサルタント
- 新聞・出版・放送の取材・編集、放送番組のプロデューサー・ディレクター
- デザインの考案、コピーライター、インテリアコーディネーター、ゲーム用ソフトウェアの創作
- 証券アナリスト、金融商品の開発、銀行・証券会社のM&Aに関する調査・助言
- 大学での教授研究
- 公認会計士・弁護士・建築士・不動産鑑定士・弁理士・税理士・中小企業診断士

IT企業に関係するのは、主に情報処理システムの分析・設計、システムコンサルタント、ゲーム用ソフトウェアの創作です。告示の文言は「分析又は設計」であり、決まった仕様にもとづいてコードを書く作業はこの文言に当たりにくいと考えるべきです。この線引きは後半の判断の章で扱います。

### 企画業務型の対象業務と労使委員会の5分の4決議、経験3〜5年の目安

企画業務型の対象は、事業の運営に関する事項についての企画・立案・調査・分析の業務です。本社の経営企画や人事制度の設計のように、事業全体の方針に関わる仕事が想定されており、個別の営業活動や定型の事務は含まれません。[厚生労働省の企画業務型裁量労働制の解説](https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/study/roudousya%5Ftayou%5Fkikaku.html)は、対象労働者を対象業務に常態として従事する人とし、職務経験のない新卒者は対象になり得ず、少なくとも3〜5年程度の職務経験が目安だとしています。

導入には労使委員会の設置が必要です。委員の半数は労働者側から指名され、決議は委員の5分の4以上の多数で行います。労使1名ずつの2人だけの委員会は認められず、委員会は6か月以内ごとに1回以上開きます。

### 労使協定と決議の届出様式第13号・第13号の2と有効期間3年の目安

| 項目    | 専門業務型        | 企画業務型        |
| ----- | ------------ | ------------ |
| 根拠    | 労基法第38条の3    | 労基法第38条の4    |
| 決め方   | 過半数代表等との労使協定 | 労使委員会の5分の4決議 |
| 届出様式  | 様式第13号       | 様式第13号の2     |
| 本人同意  | 2024年4月から必要  | 改正前から必要      |
| 定期報告  | なし           | 様式第13号の4で報告  |
| 有効期間  | 3年以内が望ましい    | 3年以内が望ましい    |
| 記録の保存 | 有効期間中と満了後3年  | 有効期間中と満了後3年  |

専門業務型の協定事項は、対象業務・1日のみなし時間・具体的な指示をしないこと・健康福祉確保措置・苦情処理措置・本人同意・不同意者への不利益取扱いの禁止・同意撤回の手続き・有効期間・記録の保存の10項目です。有効期間に自動更新の定めは置けないため、期限が来るたびに協定を結び直して届け出ます。様式と記載例は、前掲の厚生労働省の概要ページから取得できます。

## 2024年4月改正で専門業務型にも必要になった本人同意と撤回手続きの実務

2024年改正で運用が大きく変わったのは、専門業務型に本人同意が入った点です。

### 労働者ごと・有効期間ごとに取る本人同意と就業規則の包括同意では足りない理由

同意は、対象となる労働者1人ずつから、協定や決議の有効期間ごとに取ります。就業規則に「裁量労働制を適用する」と書いて入社時に包括的に同意させる方法は、個別の同意として認められません。[厚生労働省の労働条件Q&A](https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/roudoujikan/q9.html)も、2024年4月以降は同意と撤回の手続きを協定に定めることが義務になったと説明しています。

同意を取る前に、制度の概要、適用される賃金・評価制度の内容、同意しなかった場合の配置と処遇を説明します。書面か電子データで記録し、協定の有効期間中とその満了後3年間保存する必要があります。協定を3年で結び直すと、そのたびに全員分の同意を取り直す計算です。

### 同意撤回の申出先・方法と撤回後の処遇、不利益取扱いに当たらない条件

協定には、撤回の申出先、担当者、方法を具体的に書きます。撤回した人を元の労働時間制度へ戻す日や、戻った後の等級・賃金の決め方も、あらかじめ決めておくことが望ましいとされています。

撤回を理由に不利益に扱うことは禁止されていますが、撤回後に賃金が下がること自体がすべて違法になるわけではありません。厚生労働省のQ&Aは、裁量労働制の適用前から労働契約で等級や手当の適用条件が決まっており、その内容が明らかに合理性を欠くものでなければ、撤回を理由とした不利益取扱いに当たらないと整理しています。裁量労働手当を払っている会社は、手当の支給条件を同意の前に書面で示しておかないと、撤回時の扱いで揉めます。

### 企画業務型の定期報告は初回6か月以内・以降1年以内ごとへ変更

企画業務型の定期報告は、決議の有効期間の始期から6か月以内に1回、その後は1年以内ごとに1回、様式第13号の4で所轄の労働基準監督署長へ提出します。報告するのは、対象者の労働時間の状況、健康・福祉確保措置の実施状況、同意と同意撤回の状況です。

労使委員会の役割も広がりました。改正後の[企画業務型の指針（令和5年厚生労働省告示第115号）](https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/kokuji/20230330c.html)は、委員会が決議後も制度の実施状況を定期的に把握し、必要に応じて運用の改善や決議の見直しを行うことを求めています。会社は対象者の勤務状況や賃金・評価制度の内容を委員会に開示するのが適当とされ、勤怠データの集計が委員会資料の材料になります。

## 健康・福祉確保措置の選び方と労働時間の状況把握を求める安衛法の義務

時間で縛らない制度なので、働きすぎを止める仕組みは会社側で用意します。

### 全員向け4措置と個別向け6措置から1つ以上ずつ選ぶ健康確保の組み合わせ

改正後の指針は、健康・福祉確保措置を2つの区分に分け、それぞれから1つ以上を実施することが望ましいとしています。

| 区分    | 措置                 |
| ----- | ------------------ |
| 対象者全員 | 勤務間インターバルの確保       |
| 対象者全員 | 深夜労働の回数を月一定回数以内に制限 |
| 対象者全員 | 一定時間を超えたら制度の適用を解除  |
| 対象者全員 | 連続取得を含む年次有給休暇の取得促進 |
| 個別の状況 | 一定時間超の人への医師の面接指導   |
| 個別の状況 | 代償休日・特別休暇の付与       |
| 個別の状況 | 健康診断の実施            |
| 個別の状況 | 心とからだの相談窓口の設置      |
| 個別の状況 | 適切な部署への配置転換        |
| 個別の状況 | 産業医等による助言・指導や保健指導  |

実務で効くのは全員向けの3番目、適用解除です。「月の在社時間が一定の基準を超えたら翌月から通常の労働時間制度に戻す」と決めておけば、長時間労働を放置したまま裁量労働制を続ける状態を防げます。相談窓口の設置や健康診断は長時間労働そのものを止める仕組みではないため、全員向けの措置と組み合わせてください。

### 労働安全衛生法第66条の8の3の状況把握と月80時間超の面接指導

[労働安全衛生法](https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057)第66条の8の3は、裁量労働制の対象者も含めて、事業者に労働時間の状況の把握を義務づけています。把握の方法はタイムカードやパソコンの使用時間の記録など客観的な方法が原則で、自己申告だけに頼る運用は例外的な扱いです。

週40時間を超えた時間が月80時間を超え、疲労の蓄積が認められる人から申し出があれば、医師による面接指導が必要です。裁量労働制の対象者でも、この基準は変わりません。把握義務の根拠と、勤怠記録と在社時間の乖離を調べる運用は[労働時間管理とは：把握義務の2つの根拠と乖離調査](https://www.issoh.co.jp/column/details/18171/)で詳しく扱っています。

## 勤怠システムでみなし時間と実労働時間を分けて持つ設定と集計の設計

ここからは、制度の要件を勤怠システムの設定とデータ項目に置き換えます。一般的な勤怠システムは打刻時刻から労働時間を計算する前提で作られているため、裁量労働制の対象者を同じ計算に混ぜると、給与計算と健康管理の両方で数字がずれます。

### 制度区分・協定の有効期間・同意日と撤回日を従業員ごとに持つ項目

| 項目             | 持たせる理由       |
| -------------- | ------------ |
| 制度区分（専門・企画・通常） | 計算ロジックの切り替え  |
| 協定・決議の番号と有効期間  | 期限切れの検知      |
| 1日のみなし時間       | 給与計算の基礎      |
| 同意日・撤回日        | 適用開始と終了の根拠   |
| 適用解除日と解除理由     | 健康確保措置の記録    |
| 在社時間の打刻・PCログ   | 状況把握と面接指導の判定 |

従業員マスタに「裁量労働制フラグ」を1つ置くだけでは足りません。同意は有効期間ごとに取り直すため、同意日と撤回日を期間つきの履歴で持ち、協定の有効期間が切れた日以降は通常の計算へ戻すか、警告を出す必要があります。同意と撤回の記録は保存義務のある書類なので、上書きせずに残します。

### 深夜・休日は実時間で割増を計算し、みなし時間は出勤日数に掛ける給与連携

給与計算に渡す時間は2種類です。所定労働日の時間外はみなし時間から決まり、1日9時間とみなす人が20日出勤すれば、法定を超える20時間分の割増賃金が毎月固定で発生します。深夜と法定休日は打刻の実時間から計算します。

よく起きる設定ミスは、裁量労働制の対象者の打刻をすべて計算対象から外してしまうことです。これでは22時以降の労働や法定休日の出勤が給与に反映されず、未払いになります。逆に実時間を通常どおり計算させると、みなし時間との二重計算になります。対象者だけ「所定日の時間外はみなし、深夜・休日は実時間」と計算ルールを分ける設定が必要です。

### 月80時間超・インターバル・深夜回数を検知して適用解除へつなぐアラート

健康・福祉確保措置を協定に書いても、数字を毎月拾えなければ実施していないのと同じです。勤怠システムで在社時間から次の値を日次または月次で計算し、基準を超えた時点で本人・上長・人事に通知します。

- 週40時間を超えた在社時間の月合計（80時間超で面接指導の申出を案内）
- 終業から翌日の始業までの休息時間が、協定で決めた時間を下回った日数
- 22時〜翌5時の勤務があった日の月間回数
- 適用解除の基準に達した人の一覧と解除予定日

適用解除まで自動で切り替える必要はありません。解除は人事が確認して決めるものなので、システムは対象者の一覧と根拠となる数字を出し、解除日と理由を記録できればよい設計です。これらの月次集計は、企画業務型の定期報告や労使委員会への開示資料にもそのまま使えます。

### 対象者が少なく汎用の勤怠システムで足りる会社と独自開発の判断条件

対象者が数十人以内で、専門業務型の1種類だけを使う会社は、裁量労働制の計算区分を持つ既製の勤怠システムで足ります。選定時は、みなし時間と深夜・休日の実時間を同時に計算できるか、同意と撤回を期間つきで記録できるかを、デモで実際のデータを入れて確かめてください。製品の種類と比較の観点は[勤怠管理システムとは？機能・種類・費用と選び方](https://www.issoh.co.jp/column/details/15081/)で整理しています。

既製品で合わないのは、専門業務型と企画業務型を併用し事業場ごとに協定の有効期間が違う会社、PCログや入退室記録を在社時間として取り込みたい会社、適用解除の判定を自社の基準で細かく組みたい会社です。こうした条件で給与システムとの連携を含めて仕組みを作る場合は、[勤怠管理システム開発](https://www.issoh.co.jp/service/business%5Fsystem/attendance-management/)として現行の勤怠・給与データの持ち方から相談いただけます。

## 裁量労働制を採用すべき会社と見送るべき場面をIT企業の職種で判断

裁量労働制は、条件がそろう職場では働き方の自由度を広げますが、要件を外れた運用は未払い賃金のリスクに直結します。読者に多いIT企業の職種を例に、採用と見送りの線を示します。

### 実装中心のエンジニアにチーム単位で一律に適用すると要件を外れる理由

システム開発会社が専門業務型を使えるのは、情報処理システムの分析・設計に当たる業務です。要件定義や基本設計で、どう作るかを自分で判断し、作業の進め方と時間配分を任されている人は対象になり得ます。

決まった設計書にもとづいてコードを書き、タスクの順番と期日を上長やプロジェクトマネージャーが日々割り振る働き方は、業務の遂行方法を本人に委ねているとは言いにくい状態です。開発部門全員に一律で適用すると、こうした人まで含まれ、後からみなし労働時間の効果が否定されれば、実労働時間で計算し直した残業代を払うことになります。対象者は職種名ではなく、担当している業務と指示の実態で1人ずつ選んでください。

### 残業代の抑制が目的の導入と客先常駐・日々の指示がある職場は見送り

見送るべき場面は2つあります。1つ目は、残業代の削減が導入の主な目的になっている場合です。みなし時間を所定労働時間と同じ8時間に置き、明らかに処理しきれない業務量を与えながら相応の処遇をしない運用は、改正後の指針が不適当と明記している使い方にあたります。

2つ目は、客先に常駐して発注者側の都合で作業時間が決まる職場や、毎朝の朝会で当日の作業と終了時刻が決まるチームです。時間配分を本人が決められない以上、制度の前提が成り立ちません。こうした職場で柔軟な働き方を広げたいなら、実時間で残業代を払うフレックスタイム制のほうが要件を満たしやすく、未払いのリスクも生じにくい選択です。

## よくある質問

裁量労働制について、人事・労務の担当者や対象になる社員から寄せられやすい質問をまとめました。

### 裁量労働制でも残業代は支払われますか？

支払われる場合があります。みなし時間が1日8時間を超えて設定されていれば、その超えた部分は毎日時間外労働として割増賃金の対象です。みなし時間とは別に、22時〜翌5時の深夜労働と法定休日の労働は、実際に働いた時間に応じて割増賃金を払います。みなし時間が8時間ちょうどで深夜・休日の勤務もなければ、時間外の割増賃金は発生しません。

### 裁量労働制の対象者に会社が始業時刻や終業時刻を指定できますか？

指定はできないと考えてください。専門業務型の労使協定には、業務の遂行方法と時間配分について具体的な指示をしないことを定める必要があります。毎日の出社時刻を決めて遅刻を注意するような運用はこの前提と矛盾し、みなし労働時間の効果が否定される根拠になり得ます。出社する時間帯を決めておきたいなら、コアタイムを置けるフレックスタイム制のほうが合う選択です。

### 裁量労働制でも年次有給休暇は取れますか？

取れます。裁量労働制は労働時間の数え方を変える制度で、年次有給休暇や休憩の規定はそのまま適用される仕組みです。年10日以上付与される人には年5日の取得義務もあり、取得日数は年次有給休暇管理簿で管理します。管理簿の記載事項と保存期間は[年次有給休暇管理簿とは？記載3項目と保存期間](https://www.issoh.co.jp/column/details/17791/)で解説しています。

### 裁量労働制は新卒社員にも適用できますか？

企画業務型は、厚生労働省の解説で、職務経験のない新卒者は対象になり得ず、少なくとも3〜5年程度の職務経験が目安とされています。専門業務型には経験年数の定めはありませんが、業務の遂行方法と時間配分を本人に任せられることが要件です。上司の指示を受けながら仕事を覚えている段階の新人に適用すると、要件を満たさないと判断されるおそれがあります。

### 裁量労働制の対象者にも勤怠管理は必要ですか？

必要です。労働安全衛生法にもとづく労働時間の状況の把握は裁量労働制の対象者にも及び、深夜・休日の割増賃金を計算するためにも実際の勤務時間の記録が要ります。健康・福祉確保措置の実施状況を確かめる材料も、企画業務型の定期報告の数字も、勤怠データが出どころです。勤怠管理で記録すべき項目と法律上の義務は[勤怠管理とは？法律上の義務と管理項目](https://www.issoh.co.jp/column/details/12909/)で整理しています。

## 関連記事

- [勤怠管理システムとは？機能・種類・費用と失敗しない選び方](https://www.issoh.co.jp/column/details/15081/)：裁量労働制の計算区分を持つ製品を選ぶときの比較の観点です。
- [労務管理システムとは？機能・勤怠管理との違いと比較の観点](https://www.issoh.co.jp/column/details/15398/)：同意記録や協定の管理を労務の仕組みで扱う場合に参照してください。
- [36協定とは？残業の上限規制と届出、勤怠システムでの上限チェック要件](https://www.issoh.co.jp/column/details/17264/)：みなし時間が8時間を超えるときに必要な協定の要件です。
- [労働時間管理とは：把握義務の2つの根拠と乖離調査、面接指導までの運用](https://www.issoh.co.jp/column/details/18171/)：裁量労働制の対象者にも及ぶ状況把握の運用です。
- [スーパーフレックスタイム制とは？コアタイムなしフレックスの要件と残業代の計算](https://www.issoh.co.jp/column/details/9083/)：裁量労働制の代わりに検討できる柔軟な労働時間制度です。

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出典: [裁量労働制とは：専門業務型・企画業務型の要件と2024年改正、勤怠システムでのみなし時間の設定](<https://www.issoh.co.jp/column/details/19147/>)（株式会社一創）
