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title: "部下が上司を評価する制度とは｜360度評価との違いと匿名性・報復防止の運用、システム化の要件"
url: "https://www.issoh.co.jp/column/details/18594/"
published: 2026-10-19
updated: 2026-10-19
categories: ["人事労務"]
publisher: "株式会社一創"
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# 部下が上司を評価する制度とは｜360度評価との違いと匿名性・報復防止の運用、システム化の要件

部下が上司を評価する制度は、アップワード評価や360度評価、官公庁では多面観察と呼ばれ、管理職の行動を部下の目から点数にして本人へ返す仕組みです。この記事では、通常の人事評価との違い、処遇に使う型と育成に限る型の選び方、匿名性と報復防止の運用ルール、評価項目と集計の設計を、内閣人事局が各府省に出している通知と令和7年の新手法を一次情報に整理します。後半では、評価者の割り当て・回答数の下限・閲覧権限をシステムでどう担保するかまで扱います。

## まとめ：部下が上司を評価する制度は処遇に使わず、匿名集計と対話で回す

結論から言うと、部下が上司を評価する制度は、給与や昇格の材料にせず、管理職本人の行動改善のためのフィードバックとして運用するのが基本形です。国家公務員の多面観察も、人事評価とは趣旨や目的が異なる取組として明確に切り分けられています。

運用で外せないのは次の4点です。観察者を1人の上司につき3名以上確保し、回答は集計値でのみ返すこと。回答数が下限に届かない上司には結果を返さないこと。結果を受け取った上司が回答者を探したり責めたりしないよう、事前に研修で釘を刺すこと。ハラスメントの疑いは多面評価ではなく、記名式のサーベイや通報制度で受けること。

対象者が数十名を超えると、評価者の割り当て・督促・匿名集計を表計算で回すのは難しくなります。そこからはシステムの出番ですが、個票を誰が見られるかという閲覧権限の設計が、製品選びより先に決めるべき論点になります。

## 部下が上司を評価する制度の定義と、360度評価・人事評価との違い

まず呼び名と評価者の範囲を整理し、通常の人事評価と何が違うのかを確かめます。

### アップワード評価・360度評価・多面観察の3つの呼び名と評価者の範囲

部下だけが上司を評価する形は、アップワード評価（上方評価）と呼ばれます。上司・同僚・部下・本人など複数の立場から評価を集める形が360度評価で、多面評価という呼び名もある制度です。企業の制度では、部下からの評価を360度評価の一部として組み込む形がよく見られます。

官公庁で使われる名称は「多面観察」です。内閣人事局の[各府省等における多面観察の実施について（依頼）](https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/management/pdf/jissi.pdf)（閣人人第183号・令和元年7月29日）は、課室長級職員等の行動を観察者である部下職員等が観察し、その結果を本人にフィードバックする取組と定義しています。令和7年10月版の観察者向けガイドでは、部下だけでなく同僚や上司を観察者に入れることも認めています。

評価手法としての360度評価が、MBOやコンピテンシー評価とどう組み合わさるかは、[人事評価制度の3本柱と評価手法の種類](https://www.issoh.co.jp/column/details/17950/)で比較しています。

### 国家公務員の多面観察が人事評価と切り分けられている理由と通知の要点

前述の通知は、多面観察と人事評価を別物として扱うよう求めています。人事評価は任用・給与・分限などの人事管理の基礎とする勤務成績の評価であり、多面観察は管理職にマネジメントの発揮状況への気付きを促す取組です。この違いを人事担当者・フィードバック担当者・対象者に研修で理解させ、観察者にも資料配布で周知することを「不可欠」としています。

実施範囲は、平成31年度人事管理運営方針に基づき、本府省等では原則として少なくとも課室長級職員が対象です。通知はさらに、幹部職員や課長補佐級への拡大、地方支分部局での実施も検討の価値があるとしています。

民間企業に法律上の実施義務はありません。それでも、各府省が「人事評価とは別物」と文書で定めて運用している事実は、制度設計の出発点として参考になります。

### 処遇に反映させる型と育成に限る型の違い、どちらを選ぶかの判断基準

部下からの評価をどこまで処遇に結びつけるかで、制度の性格が大きく変わります。

| 観点       | 育成に限る型     | 処遇に反映させる型    |
| -------- | ---------- | ------------ |
| 結果の使い道   | 本人の行動改善の材料 | 昇給・昇格・賞与の一部  |
| 部下の回答傾向  | 率直な回答が出やすい | 忖度か報復目的に偏る   |
| 上司の受け止め方 | 改善点の把握に向かう | 部下への迎合が起きやすい |
| 求められる精度  | 傾向が分かれば足りる | 説明責任に耐える精度   |

当社の判断としては、導入初年度から処遇に反映させる型は採りません。部下の評価が上司の給与を左右すると分かった時点で、厳しい指導を控える上司と、不満をぶつける部下の両方が出るからです。処遇に使うとしても、育成型で2〜3回実施して回答の分布が安定したことを確かめ、上司本人の評価に占める比率を小さく抑える形に限るべきです。

## 部下が上司を評価する制度のメリットと、機能しなくなる典型的な失敗

メリットは限られた範囲で確かに出ますが、失敗の型も決まっています。先に両方を把握しておくと、運用ルールの必要性が見えてきます。

### 上司が自分では気付けない行動を数値で返せる効果と、評価者の癖を薄める効果

最大のメリットは、管理職が日頃の自分の振る舞いを、部下の側から見た数値で知ることです。話を途中で遮る、業務配分に偏りがある、といった行動は、上司自身の自己評価ではまず出てきません。内閣人事局の令和7年3月の資料では、14項目の観察結果から「部下を活かす効果的なジョブアサインメント」の重要度4.1に対し達成度3.2という差が示され、改善すべき行動が特定できる例が載っています。

もう1つは、評価者1人の偏りを和らげる効果です。上司1人の印象で決まる評価には、寛大化や親近効果といったエラーが入り込みます。複数の部下の見え方を重ねるのは、1人の癖が結論を決める状態を避けるためです。エラーの種類と防ぎ方は[人事評価エラーの11種類と評価者訓練の研究データ](https://www.issoh.co.jp/column/details/9299/)にまとめています。

### 人気投票化・忖度・攻撃的な自由記述・形だけの実施という4つの失敗の起き方

失敗の大半は、次のどれかに当てはまります。

- 人気投票化：指導の厳しい上司ほど点数が下がり、甘い上司が高く出る
- 忖度：部下が報復を恐れ、全項目に高い点を付ける
- 攻撃的な自由記述：匿名をよいことに人格を否定する文が書かれる
- 形だけの実施：結果を本人に渡して終わり、行動が何も変わらない

最も多いのは最後の「形だけの実施」です。内閣人事局の資料も、各府省で多面観察を実施しただけで満足してしまい、対象者から観察者へのフィードバックが行われず行動変容が起きない例を、よく起こる課題の筆頭に挙げています。人気投票化と忖度は処遇との連動を切ればかなり抑えられますが、形骸化は運用設計でしか防げません。

## 匿名性と報復防止を担保する運用ルールと、回答者数の下限の決め方

部下が安心して率直に答えられるかどうかが、この制度の成否を決めます。そのための運用ルールを、一次情報で示されている数字とともに整理します。

### 観察者は3名以上、回答数が下限に届かない上司には結果を返さない設計

令和元年の通知は、各観察者の回答を集計したものだけを本人に返し、個人の回答が特定されないよう配慮することを不可欠としています。そのうえで、1人の対象者に一定数以上の観察者を確保し、回答数が一定数に達しない場合は本人へのフィードバックを控えることも考えられる、としています。

具体の数字は、令和7年10月の[多面観察の新たな手法 対象者・観察者向けガイド](https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/management/pdf/guide.pdf)に出てきます。匿名性の担保と組織開発の観点から観察者は3名以上とし、選定が難しい場合は配下の職員全員を観察者にするよう案内しています。

民間で運用するなら、「依頼3名以上」と「回答3件以上で開示」を分けて決めるのが安全です。依頼した3名のうち1名が答えなければ回答は2件になり、残る2人のどちらが何を書いたか推測できてしまうからです。部下が2名以下しかいない管理職は、同僚や他部署の協働相手を観察者に加えるか、その期は対象から外します。

### 自由記述を残すか廃止するかの判断と、内閣人事局が試行で廃止した背景

自由記述は、数値だけより内省しやすい反面、匿名の攻撃的なコメントが混ざる危険を抱えます。内閣人事局の[多面観察の新たな手法の方向性について](https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/management/pdf/houkousei.pdf)（令和7年3月）は、信頼関係が崩れかねない攻撃的なコメントが多々見受けられたとして、自由記述を試行的に廃止し、代わりに対象者と観察者の対話会を開く方針を示しました。事務局が全件を校閲する作業コストも理由に挙がっています。

当社の判断は、初回は自由記述なしで始める、です。自由記述を残す場合は、「良い点」と「変えてほしい行動」の2欄に限り、人格や性格ではなく観察できた行動を書くよう設問文で縛ります。そのうえで、人事が開示前に目を通す工程を必ず挟みます。

### 上司の恨み言や回答者探しを防ぐ事前研修と、30〜60分の対話会の進め方

報復を防ぐ第一の手段は、結果を受け取る前の上司への研修です。令和元年の通知は、観察者に対して恨み言・言い訳・追及を厳に慎むこと、怒りを爆発させる・観察者や手法のせいにする・部下に迎合するといった誤った受け止め方をしないことを、対象者に理解させるよう求めています。評価者訓練の具体的な進め方は[人事評価制度の作り方](https://www.issoh.co.jp/column/details/18592/)の評価者訓練の章で扱っています。

令和7年の新手法は、対象者が結果を分析したうえで、観察者との対話会（30〜60分）を自ら開く流れを推奨しています。開示の度合いは3段階で選べます。

1. 一般的開示：結果と分析シートを開示し、対象者が対話会を進行
2. 弱開示：結果は伏せ、分析シートのみ開示し、第三者が対話会を進行
3. 最小開示：分析シートをメール等で送るだけで対話会は開かない

人事局内のトライアルでは、90％を超える対象者が一般的開示を選んでいます。一方で、心理的安全性が低いチームでは対話会が機能しない危険があるため、最初は弱開示や最小開示から始める判断もありえます。

### 報復の疑いやハラスメントは多面評価で受けず、記名式サーベイと通報で受ける線引き

見落とされやすいのが、部下が上司を評価する制度をハラスメントの検知に使おうとする設計です。令和7年3月の資料は、多面観察は人材育成が目的でハラスメントのアラート検知には向かないとし、ハラスメント事案が発生する職場では、閲覧権限を人事に限った記名式のパルスサーベイや通報制度で受けるよう整理しています。匿名の集計値では、誰がどんな被害を受けたのか解像度が上がらないためです。

結果開示の後に、上司が特定の部下の仕事を外す、面談で回答の有無を問いただすといった動きが出た場合も同じです。多面評価の次の回を待たず、通報窓口で個別に受けます。パルスサーベイの設問と頻度の決め方は[パルスサーベイの質問項目と頻度の決め方](https://www.issoh.co.jp/column/details/10303/)で解説しています。

## 部下が上司を評価する項目例と、重要度×達成度の2軸で改善点を探す設計

何を聞くかと、どう集計するかで、結果が行動改善につながるかが決まります。

### 評価項目例：傾聴・業務配分・成長支援など、観察できる行動で書く設問

設問は「リーダーシップがある」のような抽象語ではなく、部下が日常で観察できる行動で書きます。令和7年3月の資料が示す14項目のうち、民間でもそのまま使いやすいものを挙げます。

- 傾聴：相手の話を否定したり途中で遮ったりせず、最後まで聴いている
- 気持ちよく働ける環境：不機嫌な態度で声をかけにくい雰囲気を作っていない
- 業務配分：人員や予算を踏まえて仕事を割り振り、達成まで支援している
- 成長支援：部下のやりたいこととできることを把握し、仕事と重ねている
- やめる判断：チームとして何をやらないかを適切な時期に決めている
- 心理的安全性：ミスを報告しても責められないと感じられる運営をしている

設問数は、同資料の整理では多面観察で15〜40問程度、頻度は年2回が目安とされています。初回に優先するのは、15問前後に抑え、1つの設問に2つの行動を混ぜないことです。トライアルでも「設問の中に複数の項目が含まれている」という観察者の声が出ています。心理的安全性の項目の作り方は[心理的安全性の定義と7つの質問](https://www.issoh.co.jp/column/details/8443/)が参考になります。

### 重要度と達成度のGAPで見る集計方法と、組織平均との比較をやめる理由

令和7年の新手法では、同じ設問について「重要度」と「達成度」を5段階で答えてもらい、重要度の平均から達成度の平均を引いたGAPで改善点を探します。資料に載っている集計例の一部を示します。

| 設問項目           | 重要度 | 達成度 | GAP   |
| -------------- | --- | --- | ----- |
| 自己開示           | 4.3 | 3.7 | 0.6   |
| 効果的なジョブアサインメント | 4.1 | 3.2 | 0.9   |
| ワークライフバランス     | 4.2 | 4.9 | \-0.7 |

GAPがプラスで大きい項目が、部下が期待しているのにできていない行動です。従来の、組織平均と本人の点数を比べる相対評価は廃止されました。担当業務も部下の構成も違う管理職同士を並べても、本人の課題が明確にならないうえ、人事評価と変わらなくなるという声がトライアルで出たためです。なお、試行の当初は「期待度」と聞いていたところ、本人ではなく役職への期待で点を付ける回答が多発し、「重要度」に言葉を改めています。

実施時期は、人事異動後2〜3か月で1回目、さらに5〜6か月後に2回目を行うと、改善の効果を確かめやすいとされています。

## 多面評価をシステムで回す要件：評価者割当・匿名集計・閾値・閲覧権限

ここからは、制度をシステムに載せるときに決めるべき要件です。製品の機能表より先に、データの持ち方と権限を決めます。

### 評価者割当と回収管理が表計算で破綻する規模と、システムに持たせる機能

管理職20名に観察者を平均6名ずつ割り当てると、依頼は120件になります。誰が誰を評価するかの組み合わせ、未回答者への督促、回答件数が下限に届いたかの判定、集計値の作成と本人への配布を、匿名性を崩さずに手作業で回すのは、この規模でも負担が大きくなります。担当者が回答の個票を目にしてしまう点も問題です。

システムに持たせる機能は、優先度順に次のとおりです。まず、評価者と対象者の割り当てを人事マスタの組織情報から自動で作り、手で追加・除外できること。次に、回答件数が設定した下限未満の対象者は集計結果を出力しない閾値判定。そのうえで、重要度と達成度の2軸集計とGAP表示、督促メールの自動送信が続きます。

### 回答の個票を誰が見られるか：閲覧権限と個人情報保護法の開示請求への備え

最も慎重に設計すべきは、個票の閲覧権限です。上司本人には集計値しか見せないことは当然として、人事担当者や上司の上司が個票を見られるかどうかも、規程とシステム権限の両方で決めておきます。「人事も個票は見られない」と観察者に約束するなら、管理者画面からも個票を引けない作りにする必要があります。

法的な論点として、[個人情報保護法](https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057)第33条は、本人が自分に関する保有個人データの開示を請求できると定めています。同条2項は、開示すると本人又は第三者の権利利益を害するおそれがある場合などに、全部又は一部を開示しないことができるという規定です。上司が自分への評価データの開示を求めてきたとき、個々の部下の回答をどう扱うかは、事業者が個別に判断することになります。個票の保存期間と、集計後に個票を消すか残すかを最初に決め、規程に書いておくと判断がぶれません。解釈は[個人情報保護委員会のガイドライン（通則編）](https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines%5Ftsusoku/)で確認し、運用前に社内の法務担当や専門家の確認を受けてください。

### 市販の360度評価ツールで足りる条件と、個別開発を選ぶ条件の分かれ目

育成目的の多面評価を年1〜2回、全社共通の設問で回すだけなら、市販の360度評価ツールや人事評価システムの多面評価機能で足ります。製品ごとに違いが出るのは、匿名性の担保方法と回答者の割り当て方です。見比べ方は[人事評価システムの比較](https://www.issoh.co.jp/column/details/17479/)で4タイプに分けて整理しています。

個別開発を選ぶのは、重要度×達成度の2軸設問や開示の度合いを部署ごとに変えたい場合、既存の人事マスタや勤怠・給与と評価者割当を連動させたい場合、個票の閲覧権限を規程どおりに細かく制御したい場合です。当社では、評価者割当・匿名集計・閾値判定・閲覧権限を自社の制度に合わせて作り込む[人事・労務管理システム開発](https://www.issoh.co.jp/service/business%5Fsystem/hr-management/)を承っています。

## 部下が上司を評価する制度を導入すべきでない職場と、先に整える前提条件

どの職場でも効果が出る制度ではありません。次の条件に当てはまるなら、導入を見送るか、前提を整えてからにします。

### 部下2名以下の管理職が多い組織や、ハラスメント事案が進行中の職場での見送り

管理職1人あたりの部下が2名以下の組織では、同僚や他部署を観察者に加えても回答が3件に届かないことが多く、匿名性を保てません。この場合は導入しない判断が妥当です。上司と部下の1on1面談の質を上げるほうが先です。

ハラスメントの申し立てが係争中、または調査中の職場も見送ります。部下の回答が調査の材料として扱われる、上司が回答者を特定しようとする、といった二次被害の危険が高いためです。まず通報制度と記名式のサーベイで個別に対応し、職場が落ち着いてから実施時期を決めます。

前提として整えるべきは、経営層や役員が「人事評価ではない」と自分の言葉で発信することです。令和7年3月の資料も、多面観察の目的を幹部から発信し、観察者の理解を深めることを導入時の啓発事項の最初に置いています。組織全体の状態を測る仕組みとの使い分けは、[組織サーベイの種類と選び方](https://www.issoh.co.jp/column/details/15441/)を参照してください。

## よくある質問

部下が上司を評価する制度について、検討時によく出る質問に答えます。

### 部下が上司を評価する制度は何と呼ばれていますか？

部下だけが上司を評価する形はアップワード評価（上方評価）と呼ばれます。上司・同僚・部下など複数の立場から評価を集める形は360度評価または多面評価で、部下からの評価をその一部として扱うことが多い制度です。国家公務員では「多面観察」という名称で、課室長級職員を主な対象に、部下職員が上司の行動を観察して本人へ返す取組として実施されています。どの名称でも、上司の行動を部下の視点で可視化する点は共通です。

### 部下が上司を評価した内容は、上司本人にばれますか？

適切に設計された制度では、上司に返るのは複数の回答を集計した値だけで、誰がどう答えたかは分かりません。ただし、回答者が2名以下だと推測できてしまうため、回答件数が3件に届かない上司には結果を返さない設計が必要です。自由記述は文体や具体的なエピソードから書き手が推測されやすいので、残す場合は行動の記述に限定し、開示前に人事が確認します。観察者には、匿名で集計されることを事前に周知します。

### 部下からの評価を上司の給与や昇格に反映してもよいですか？

法律上の禁止はありませんが、導入当初からの反映は勧めません。処遇に結びつくと、部下は報復を恐れて高い点を付けるか、不満の表明に使うかのどちらかに偏り、上司は部下への迎合に向かいやすくなります。国家公務員の多面観察も、人事評価とは別の取組という位置付けです。反映するなら、育成目的で2〜3回実施して回答の分布が安定したことを確かめ、評価全体に占める比率を小さく抑えます。

### 部下が少ない管理職には、どのように実施すればよいですか？

内閣人事局のガイドは観察者を3名以上確保するよう求めており、部下だけで足りない場合は同僚や上司を観察者に加える方法を認めています。民間でも、日常的に業務で協働している他部署の担当者を加えることが、3名を確保する方法の1つです。それでも回答が3件に届かない場合は、その期は結果を返さず、1on1面談でのフィードバックに切り替えます。少人数のまま無理に実施すると、匿名性が崩れて制度そのものの信頼を失います。

### 部下が上司を評価する項目は何問くらいが適切ですか？

内閣人事局の整理では、多面観察の設問数は15〜40問程度、頻度は年2回が目安とされ、令和7年の新手法のトライアルでは14項目でした。民間で初めて導入するなら15問前後から始め、傾聴・業務配分・成長支援など、部下が日常で観察できる行動に絞ります。1つの設問に複数の行動を混ぜると答えにくくなるため、守るべき原則は1問1行動です。重要度と達成度の2軸で聞く場合、回答の負担は設問数の2倍になる点も考慮します。

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出典: [部下が上司を評価する制度とは｜360度評価との違いと匿名性・報復防止の運用、システム化の要件](<https://www.issoh.co.jp/column/details/18594/>)（株式会社一創）
