---
title: "犯罪収益移転防止法とは？特定事業者の義務とKYCシステムの要件"
url: "https://www.issoh.co.jp/column/details/17391/"
published: 2026-09-05
updated: 2026-09-05
categories: ["セキュリティ"]
publisher: "株式会社一創"
---

# 犯罪収益移転防止法とは？特定事業者の義務とKYCシステムの要件

犯罪収益移転防止法は、正式名称を「犯罪による収益の移転防止に関する法律」といい、金融機関をはじめとする特定事業者に対して、顧客の確認と記録の保存、疑わしい取引の届出を義務づける法律です。マネー・ローンダリングとテロ資金供与を資金面から断つことを狙った制度で、2007年3月に成立・公布され、2008年3月1日から全面的に施行されました。この記事では、自社が特定事業者に当たるかの判定、課される七つの義務、取引時確認で集める項目、記録を七年間残すためのデータ設計、届出をシステムでどこまで支えるか、令和八年の法改正と2027年4月施行の規則改正までを、警察庁と金融庁の一次資料で整理します。

## まとめ：犯罪収益移転防止法の義務範囲とシステム対応の優先順位

結論を先に示します。この法律への対応をシステム側から見ると、着手すべき順番は「記録の項目設計」「保存年限と起算日」「検索性」の三つです。取引時確認の画面や本人確認の方式は後から差し替えられますが、記録の項目が足りないと後追いでは埋められません。確認記録には、確認に用いた書類の名称と記号番号、提示を受けた日付、対面での提示については時刻まで求められます。設計時に粒度を落とすと、七年後の検査で復元できない記録が残ります。

保存年限はどちらも七年間ですが、起算日が違います。確認記録は特定取引等に係る契約が終了した日等から、取引記録は取引の行われた日からです。同じテーブルに混ぜて一律の削除バッチを回すと、片方が早く消えるか、片方が無用に残り続けます。

三つ目の検索性は、条文上は「取引記録等を検索するための口座番号その他の事項」の一行ですが、実務では検査対応の成否を分けます。顧客単位で確認記録と全取引をひも付けて出せるか、届出の根拠になった取引を再現できるか。この二つに答えられない設計は、機能が揃っていても検査で立ち往生します。届出そのものは人の判断に委ね、システムは判断材料の抽出と根拠の保全に徹する。これが現実的な着地点です。

## 犯罪収益移転防止法の目的と自社が特定事業者に該当するかの判定手順

制度の位置づけと、義務の対象かの見分け方から押さえます。

### 犯罪収益移転防止法が定める目的と、マネロン対策の国際的な出発点

警察庁はこの法律の目的を、犯罪による収益の移転の防止を図り、国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することと説明しています（[警察庁JAFIC・犯罪収益移転防止法の概要／令和8年8月7日時点](https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/data/hougaiyou20260807.pdf)）。犯罪収益が組織的な犯罪を助長し、事業活動に流れ込むことで健全な経済に悪影響を与えるという問題意識が出発点にあります。

制度の骨格は国内で独自に組み立てられたものではありません。FATF（金融活動作業部会）が1990年の「40の勧告」で本人確認と疑わしい取引の報告を提言し、日本では2003年1月の金融機関等本人確認法を経て、対象事業者を金融機関以外へ広げる必要から2007年3月にこの法律が成立しました。「なぜここまで細かい記録が要るのか」と問われたら、国際基準への適合が答えになります。

### 特定事業者に当たる十四業種と、自社の該当可否を見分ける確認方法

義務を負うのは「特定事業者」です。法第2条第2項に列挙されており、金融機関等、ファイナンスリース事業者、クレジットカード事業者、カジノ事業者、宅地建物取引業者、宝石・貴金属等取扱事業者、郵便物受取サービス業者、電話受付代行業者、電話転送サービス事業者、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士、弁護士の十四類型に整理されます（[e-Gov・犯罪による収益の移転防止に関する法律](https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000022)）。金融業以外が広く含まれる点が見落とされがちです。

判定でつまずきやすいのは、業種名が自社の看板と一致しない場合です。ファイナンスリース事業者は、賃貸期間の中途で解除できない契約で、かつ賃貸料の合計額が物品の取得に通常要する価額のおおむね90%を超えるものが該当し、物品を貸す事業すべてが対象になるわけではありません。電話転送サービス事業者なら、自己の電話番号を顧客の連絡先として使うことを許諾し、その番号への電話を指定番号へ自動転送する事業が該当します。自社の契約条項と提供形態を、この定義文に照らして突き合わせてください。SaaSの付帯機能として該当行為を含んでいた例があります。

## 特定事業者に課された七つの義務と、システムで支える範囲の切り分け

義務の全体像を、条番号と業務の順序でつかみます。

### 取引時確認から届出までの七つの義務を、業務フローの順に並べ直す

特定事業者に課される義務は七つです。取引時確認（法第4条）、確認記録の作成・保存（第6条）、取引記録等の作成・保存（第7条）、疑わしい取引の届出（第8条）、コルレス契約等締結時の厳格な確認（第9条）、外国為替取引ならびに電子決済手段および暗号資産の移転等に係る通知（第10条ほか）、取引時確認等を的確に行うための措置（第11条）が並びます。届出義務は弁護士と司法書士が対象から除かれており、依頼者との関係に与える影響の検討が続いているためです。

| 義務          | 条文   | システムの主な担当    |
| ----------- | ---- | ------------ |
| 取引時確認       | 第4条  | 入力画面と確認方法の実装 |
| 確認記録の作成・保存  | 第6条  | 項目設計と七年保存    |
| 取引記録等の作成・保存 | 第7条  | 取引ログと検索キー    |
| 疑わしい取引の届出   | 第8条  | 抽出と根拠の保全     |
| 的確に行うための措置  | 第11条 | 情報の最新化と権限管理  |

この七つのうちシステムが主役になるのは第6条と第7条です。第4条は業務手順と確認方法の選定が中心、第8条は最終判断が人に残ります。第11条は規程の作成や統括管理者の選任を含む努力義務で、確認事項に係る情報を最新に保つ措置がシステム側の宿題です。顧客情報の更新履歴を持たない設計は、この措置を果たした証跡を出せません。[内部統制の枠組み](https://www.issoh.co.jp/column/details/13087/)と同じく、規程・体制・記録の三点で組み立てるのが実務的です。

### 特定業務と特定取引という二段の絞り込みが要件定義を左右する理由

ここを誤解したまま要件を書くと、対象範囲が数倍に膨らみます。特定事業者が行う業務のすべてが義務の対象ではなく、義務の対象となる業務（特定業務）が定められ、そのうえで取引時確認が必要な取引（特定取引等）が定められる二段構造です。

取引記録等の作成・保存が不要になる「少額の取引等」も定められています。財産の移転を伴わない取引（残高照会等）と一万円以下の財産の移転に係る取引が共通の除外で、これに加えて金融機関等は200万円以下の両替等、カジノ事業者は30万円以下の金銭の両替といった業種別の線引きがあります。この閾値を実装に落とすときは、判定を取引種別マスタ側に持たせてください。金額の定数をコードに埋め込んだ実装は、政令改正のたびに改修対象になります。

## 取引時確認で確認する四項目と、ハイリスク取引で上乗せされる確認事項

取引時確認で何を集めるかを項目レベルで確定させます。

### 本人特定事項・取引目的・職業・実質的支配者という四つの確認項目

金融機関等が特定取引等を行う際に確認するのは、顧客等の本人特定事項、取引を行う目的、職業または事業の内容、法人の場合は実質的支配者の本人特定事項です。本人特定事項は自然人なら氏名・住居・生年月日、法人なら名称・所在地を指します。代表者等が取引に当たる場合は、その本人特定事項と顧客との関係、取引の任に当たっていると認めた理由も対象です。

実装で軽視されがちなのが最後の「認めた理由」です。自由記述で済ませると、後から何を根拠に判断したのか分かりません。委任状の受領、社員証の提示、登記上の役員一致といった選択肢を用意し、根拠と裏付け書類の特定情報をセットで残してください。確認の方法そのものは施行規則に列挙されており、非対面の方法は改正が続いている領域です（[e-Gov・同法施行規則](https://laws.e-gov.go.jp/law/420M60000F5A001)）。オンライン完結の方式の選び方は[eKYCの方式比較と2027年4月の移行判断](https://www.issoh.co.jp/column/details/17389/)で個別に整理しました。

### ハイリスク取引で資産及び収入の状況まで確認が広がる場面の見極め

なりすましの疑いがある取引や外国PEPsとの取引などのハイリスク取引では、確認が上乗せされます。一部のハイリスク取引では資産および収入の状況が加わり、本人特定事項の確認方法も厳格化されます。司法書士は資産および収入の状況の確認が不要とされるなど、業種で求められる範囲が違う点も設計時に押さえる箇所です。

システム側の要点は、ハイリスク判定のフラグを取引単位で持ち、そのフラグが立った理由を記録に残すことです。確認記録の記録事項には、外国PEPsであるときはその旨とそう認めた理由、なりすましや偽りが疑われる取引では関連する確認記録を検索するための事項が含まれます。「厳格な確認をした」だけでは足りず、なぜ必要と判断しどの過去記録と突き合わせたかを辿れる状態が要ります。判定を外部サービスに任せる場合も、判定結果と入力値は自社側に保存してください。

## 確認記録と取引記録を七年間保存するためのデータ設計と起算日の違い

ここからが独自の論点です。記録保存を設計の粒度まで落とします。

### 確認記録に残す項目群と、日付や時刻まで求められる箇所の押さえ方

確認記録の記録事項は四つの群に分かれます。第一が確認事項等（本人特定事項、取引を行う目的、職業・事業の内容、実質的支配者の本人特定事項と顧客との関係など）、第二が確認のためにとった措置等（確認を行った方法、提示を受けた本人確認書類等の名称と記号番号など）、第三が確認のための措置をとった日付等、第四がその他（取引時確認を行った者と記録の作成者を特定するに足りる事項、取引の種類、異なる名義を用いる場合の名義と理由など）です。

第三の群には注意が要ります。本人確認書類等の提示を受けたときは日付および時刻を記録するとされる一方、書類の写しや本人確認用画像情報、ICチップ情報の送信を受けたときなどは日付のみです。対面と非対面で粒度が違うため、単一のタイムスタンプ列で済ませると対面ぶんの要件を満たせません。2027年4月1日施行の規則改正で対面のICチップ読み取りが原則になると、この日時の記録が確認記録の中心になります（[犯罪収益移転防止法の本人確認と対面IC読み取りの改修要件](https://www.issoh.co.jp/column/details/17393/)）。確認方法ごとに日時の要否を持たせてください。該当する場合は書類の写しや画像情報そのものを添付資料として保存する必要もあり、メタデータだけを残す運用は成り立ちません。

### 七年間の起算日が確認記録と取引記録で異なる点と保存基盤への影響

保存期間はどちらも七年間ですが、起算日が違います。確認記録は特定取引等に係る契約が終了した日等から、取引記録等は取引の行われた日から七年間です。契約が十年続いた顧客なら、確認記録の保存義務は関係開始から十七年後まで及びます。個々の取引記録は取引日基準で先に期限が来ます。

この差から三点が決まります。削除ポリシーを記録種別ごとに分けること、契約状態の変化を記録側へ伝播させて確認記録の期限を確定させること、期限未確定の状態を明示的に持ち誤削除を防ぐことです。[金融業界の文書管理システムに求められる保存年限と閲覧統制](https://www.issoh.co.jp/column/details/17165/)と同じで、保存年限は種別ごとに設定できる前提で基盤を選んでください。一律のライフサイクル設定しか持たない基盤では行き詰まります。

### 検索性の要件を後回しにすると当局検査で詰む理由と項目設計の順序

取引記録等の記録事項の先頭に置かれているのは、口座番号その他の顧客等の確認記録を検索するための事項です（確認記録がない場合は氏名その他、顧客等または取引等を特定するに足りる事項）。この一行が求めているのは、取引記録と確認記録を双方向に辿れる状態を保つことです。

検査や内部監査で求められるのは、特定の顧客について確認記録と取引の一覧を短時間で提示することと、届け出た事案の根拠を再現することです。取引記録の記録事項には、日付・種類・財産の価額に加え、財産の移転を伴う取引では移転元または移転先を特定するに足りる事項が含まれます。相手方の名義を正規化せずに保存すると、後から資金の流れを追えません。検索の入口（顧客ID・口座番号・取引ID・相手方）を先に決めるのが安全な順序です。画面から作り始めた案件は、検索キーが後付けになって索引の張り直しが発生しました。

## 疑わしい取引の届出をシステムでどこまで自動化すべきかという判断

次は届出です。自動化の範囲を誤ると現場が回らなくなります。

### 疑わしい取引の参考事例を検知ルールへ落とすときの誤検知の抑え方

届出の対象は、特定業務で収受した財産が犯罪による収益である疑いがある場合と、顧客等が組織的犯罪処罰法第10条の罪もしくは麻薬特例法第6条の罪に当たる行為を行っている疑いがあると認められる場合です。犯罪による収益には、犯罪収益そのもの、それに由来する財産、他の財産と混和した財産が含まれ、金銭に限られません。

検知ルールの落とし穴は、閾値をきつくして件数を稼ぐことです。閾値だけで拾った案件は現場でほぼ棄却され、レビュー担当の時間を削るだけに終わります。ルールは取引金額単独ではなく、顧客が申告した目的や職業・事業の内容と実際の取引との乖離を見る形に組み直してください。取引時確認で集めた四項目は届出判断の基準線としても使えます。確認情報が最新でなければ乖離も測れないため、第11条の情報最新化の措置は届出精度に直結します。

### 届出の判断は人が担い、システムは根拠の再現に徹するという線引き

判断を言い切ります。届出するかどうかの決定を自動化してはいけません。この制度は取引に従事する職員の経験と知識によって支えられている前提で設計されており、警察庁も、記録の保存で資金の流れをトレースできるようにする点と、疑いのある取引を届け出る点の両輪で説明しています。機械が閾値で決めた届出は、なぜその判断に至ったかを説明できません。

ではシステムは何をするか。候補の抽出と判断材料（確認記録・過去取引・関連口座）の一画面への集約、レビュー担当が下した判断と理由の記録、届出に至った案件の判断時点のデータを凍結して保全すること。この三つです。三つ目が抜けている実装をよく見かけます。顧客情報が後から更新されると、届出時に何を見ていたのかが分からなくなるためです。設計上の制約も一つあります。特定事業者は、届出を行おうとすることや行ったことを顧客等やその関係者に漏らしてはなりません。顧客向け画面や通知、営業担当が見る顧客ビューに届出状態を出さない権限設計が要ります。マイページに審査中と表示する実装は、この禁止に触れる恐れがあります。

## 令和八年改正と令和九年四月施行の規則改正で変わる実装の前提条件

直近の二つの改正は、システムの前提を変えます。

### 令和八年改正で通帳の不正譲渡と送金犯罪の罰則がどう変わったか

令和八年（2026年）6月10日、犯罪収益移転防止法の一部を改正する法律（令和8年法律第34号）が公布されました。改正は三点で、預貯金通帳の不正譲渡等に対する罰則の引上げ、いわゆる「送金犯罪」に関する罰則の創設、いわゆる「架空名義口座」を利用した新たな措置の創設です。このうち罰則に関する二点は2026年7月10日から施行され、架空名義口座に関する措置は公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます（[警察庁・令和8年改正犯罪収益移転防止法](https://www.npa.go.jp/bureau/sosikihanzai/hansyu/houritukaisei.html)）。

三点目の施行日が未定である点は計画上の注意事項です。預貯金取扱事業者は政令の公布を待って改修内容を確定させる段取りが要ります。改正の沿革は警察庁のJAFICが法令ページで一覧にしており、施行令と施行規則の改正も公布日ベースで追えます（[警察庁JAFIC・法令と改正沿革](https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/hotop.htm)）。要件定義の初日にこのページを開き、参照時点を仕様書に明記してください。条文だけを見て判断すると、施行日前の公布済み改正を見落とします。

### 令和九年四月施行の規則改正が求める口座情報の共有と分析の実装体制

もう一つが施行規則の改正です。令和八年6月26日公布の改正命令は、2027年4月1日から施行されます。犯罪に利用された口座や利用されるおそれがある口座について、情報の適正な取扱いおよび安全管理のための措置を定めたうえで他の金融機関へ取引確認情報を提供すること、提供された情報を分析して防止策を講じることを、預貯金取扱事業者の努力義務として位置づける内容です（[金融庁・施行規則改正命令の公布とパブリックコメント結果](https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260626/20260626.html)）。

努力義務であっても、システム面の宿題は具体的です。提供する情報の範囲を定義し、提供の可否を判定する基準を規程に落とし、提供と受領の記録を残す。受領した情報を自社の顧客・口座と突き合わせる照合処理も新規に要ります。問われるのは名寄せの精度で、厳しすぎる照合は取りこぼし、緩すぎる照合は無関係な顧客を巻き込みます。二段階の照合（厳格一致で自動、近似一致は人のレビュー）を前提に工数を見てください。勘定系と接続する場合は、[金融システムの運用体制と委託範囲](https://www.issoh.co.jp/column/details/17142/)も同時に見直す対象になります。

## パッケージ導入と自社開発を分ける判断基準と発注時に確認する項目

発注側が判断を持てるよう選択肢を整理します。

### パッケージで足りる範囲と、自社開発でしか埋まらない要件の見分け方

判断を示します。取引時確認の実施部分と疑わしい取引の検知は、パッケージやSaaSを軸に据えるべきです。理由は費用ではなく、確認方法を定める施行規則が数年おきに改正されるためで、自社実装は改正ごとの条文読解と改修を自前で背負うことを意味します。期限付きの改修が繰り返し発生する領域では、追随を製品側に委ねる価値が大きくなります。

一方で、自社開発でしか埋まらない部分もはっきりしています。確認記録と取引記録を既存の顧客マスタ・勘定系とひも付ける層、記録種別ごとの保存年限と削除の制御、検査対応の抽出です。自社のデータモデルに依存するため、汎用製品では最後の一歩が合いません。確認と検知は製品、記録と検索は自社設計という組み合わせが実務的です。製品側に記録保存まで任せる場合は、解約時にデータをどの形式で引き取れるかを契約前に確認してください。七年の保存義務は、製品の契約期間より長く続きます。

### 発注時に確認する保存年限の設定・監査ログ・委託先管理の三つの観点

見積り前に確認する観点を三つに絞ります。第一が保存年限の設定単位です。記録種別ごとに年限と起算日を設定でき、契約終了イベントで期限を確定できるか。一律の保持期間しか持たない製品は、確認記録の起算日要件を満たせません。第二が監査ログで、誰がいつどの確認記録を閲覧・更新したかを残せるか、届出状態を特定の担当だけに見せられるかを見ます。届出の秘匿義務があるため、閲覧制御は機能要件として明記してください。

第三が委託先管理です。本人確認や検知を外部に委託する場合、委託先が保持するデータの範囲と保存期間、自社が残すべき記録を切り分けてください。委託していても義務を負うのは自社で、記録を出せない事態は自社の不履行になります。[金融システム開発](https://www.issoh.co.jp/service/business%5Fsystem/financial/)のように勘定系や審査フローと結合した領域では、この切り分けを要件定義の初期に行わないと、後から記録の穴が見つかって作り直しになりました。相談先は、法令の記録要件をデータモデルの言葉に翻訳できるかで選んでください。機能一覧の比較よりも、この翻訳能力が結果を左右します。

## よくある質問

問い合わせの多い五つに答えます。

### 犯罪収益移転防止法をわかりやすく言うとどのような法律ですか？

犯罪で得たお金の出所を分からなくする行為（マネー・ローンダリング）を、取引の入口で防ぐための法律です。金融機関などの事業者に、顧客が誰かを確かめ、確認内容と取引を記録して七年間保存し、犯罪収益の疑いがある取引を行政庁へ届け出ることを義務づけています。口座開設で本人確認書類の提示を求められる根拠がこれです。

### 犯罪収益移転防止法施行規則は法律とどう違いますか？

法律が義務の骨格を定め、施行令（政令）が対象取引や金額の線引きを、施行規則（府省令）が確認方法や記録事項の細目を定める三層構造です。実務で頻繁に参照するのは施行規則で、本人確認の具体的な方法が列挙され、改正の頻度も最も高くなります。仕様書に根拠を書くときは、どの階層かと参照時点を併記してください。

### 自社が特定事業者に該当するかはどこで確認できますか？

法第2条第2項の列挙と、警察庁JAFICの概要資料にある特定事業者の項が出発点です。業種名だけでは判断できないため、定義文と自社の契約条項を突き合わせてください。付帯サービスとして電話転送や郵便物受取に相当する行為を含む場合、本業が別でも該当する可能性があります。迷う場合は所管行政庁への照会が確実です。

### 確認記録は電子データでの保存が認められますか？

電子データでの保存が可能で、多くの事業者はシステム上で作成・保存しています。ただし記録事項に加えて添付資料の保存が求められます。本人確認書類の写しの送付を受けたときはその写し、本人確認用画像情報やICチップ情報の送信を受けたときはその情報またはその写しが対象です。メタデータだけを残して受領した画像を破棄する運用は要件を満たしません。

### 個人が口座を売った場合はどのような罰則がありますか？

預貯金通帳や口座の不正な譲渡等は処罰の対象で、令和八年（2026年）6月10日公布の改正法により罰則が引き上げられ、2026年7月10日から施行されています。いわゆる送金犯罪に関する罰則も新設されました。事業者側では、譲渡の兆候（短期間での大量入出金や名義と実際の利用者の不一致）を検知の材料として扱う設計が要ります。

## 関連記事

- [eKYCとは](https://www.issoh.co.jp/column/details/17389/)：非対面の本人確認方式の違いと、2027年4月の改正への移行判断。
- [金融業界の文書管理システムとは](https://www.issoh.co.jp/column/details/17165/)：保存年限と閲覧統制、検査対応に耐える検索性。
- [内部統制とは](https://www.issoh.co.jp/column/details/13087/)：規程・体制・記録で義務履行を支える枠組みの基本。
- [金融システムの運用とは](https://www.issoh.co.jp/column/details/17142/)：24時間365日の監視と委託範囲の決め方。
- [金融・公共・流通系のシステム開発](https://www.issoh.co.jp/column/details/12888/)：業界特化の要件と外注先の選び方。

---

出典: [犯罪収益移転防止法とは？特定事業者の義務とKYCシステムの要件](<https://www.issoh.co.jp/column/details/17391/>)（株式会社一創）
