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title: "産業用ロボットの導入事例｜工程別の効果と多品種少量・教示・ライン接続の課題"
url: "https://www.issoh.co.jp/column/details/16841/"
published: 2026-08-23
updated: 2026-08-23
categories: ["DX"]
publisher: "株式会社一創"
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# 産業用ロボットの導入事例｜工程別の効果と多品種少量・教示・ライン接続の課題

産業用ロボットの導入事例は数多く公開されていますが、書かれているのは機種と改善の要約で、いくら投じて何人が何個作れるようになったのかは揃っていません。この記事では、経済産業省の「ロボット導入実証事業」が同じ書式で公開している事例データを溶接・搬送・組立・検査の工程別に読み直し、投資額と人数・労働時間・生産量の変化を並べます。そのうえで、多品種少量・教示工数・既存ラインとの接続という三つのつまずきと、稼働データを生産管理システムやMESへ渡す連携設計を扱います。

## まとめ｜事例は投資額と人数・生産量で読み、工程ごとに効果の出方を分ける

事例を読むときに見る数字は五つです。事業規模、導入前後の人数、労働時間、生産量、そして労働生産性の倍率。この五つが揃っていない事例は、自社の見積と比べる材料になりません。実証事業の中小企業の事例では、事業規模はおおむね8百万円から39百万円の帯に収まっています。

効果の出方は工程で違います。溶接は同じ継手の反復数が生産量に効き、搬送は台数ではなく律速工程の見極めで決まる。組立で置き換わるのは動作そのものより、供給・排出・スイッチ操作という設備の隙間です。検査は生産量が増えない代わりに人数が半分になる形で効きます。

つまずく場所も共通しています。多品種少量では治具とハンドの交換工数、教示では形状データが設計側にあるか、既存ラインとの接続では安全回路とPLC信号の分界点。導入後に手入力が残るかどうかは、実績を受け止める上位システム側の改修範囲を先に決めたかで分かれます。

## 公的な事例集が示す産業用ロボットの用途構成と、導入目的ごとに割れる効果

個別の事例に入る前に母集団を確認しておきましょう。ここを押さえないと、たまたま目にした1件を業界の標準だと思い込みます。ロボットの定義や垂直多関節・スカラといった機種の違いは[産業用ロボットの4種類と導入可否の判断基準](https://www.issoh.co.jp/column/details/16180/)で整理しているため、本記事では事例の読み方に絞ります。

日本ロボット工業会が2026年6月1日に公表した2025年実績（会員と非会員の合計）では、総出荷額9,938億円のうち輸出が7,897億円で前年比32.4%増、国内出荷は2,041億円で10.8%減。国内では自動車製造業向けが517億円で15.4%減、電気機械製造業向けが719億円で10.1%減でした。伸びているのは輸出であり、国内の新規導入は大型ライン以外へ移りつつあります。

### ロボット導入実証事業295件の用途構成｜ハンドリング25%と組立15%

経済産業省の「ロボット導入実証事業」は、2015年2月の「ロボット新戦略」に基づき、これまでロボットが入っていなかった領域への導入を後押しした事業です。補助率は大企業が2分の1、中小企業が3分の2、実証事業の補助上限は5,000万円、実現可能性調査であるFS事業は500万円と設定されていました。裏を返せば、自動車の車体溶接ラインのように自動化が済んだ用途はこの母集団にほとんど出てきません。

神戸学院経済学論集 第54巻第4号（2023年3月）掲載の林隆一の分析は、2016年度から2018年度の295件をデータベース化しています。企業規模別では中小企業が215件で73%、業種別では製造業が221件で75%。用途は複数回答373件で、次のように分かれました。

| 用途          | 件数  | 構成比 |
| ----------- | --- | --- |
| ハンドリング      | 93件 | 25% |
| 組立・成形（加工含む） | 57件 | 15% |
| 搬送・投入       | 49件 | 13% |
| 検査          | 34件 | 9%  |
| 溶接・塗装       | 31件 | 8%  |
| 食品加工        | 23件 | 6%  |

ハンドリングと搬送・投入で4割近くを占めます。人がつかんで置くだけの動作が、画像処理とセンサで置き換えられるようになった結果です。機種別では垂直多関節が304件中159件で52%、双腕および人協働ロボットが42件で14%でした。

### 導入目的の43%が生産性向上、少量多品種対応は3%にとどまる分布

同じ分析で導入目的（複数回答323件）を見ると、労働生産性の向上が139件で43%、省人化・省力化が66件で20%、過酷作業の代替が46件で14%、熟練技能のロボット化が29件で9%、品質の安定化が17件で5%、少量多品種の対応が10件で3%でした。

効いてくるのが最後の3%です。多品種少量の工場が探しても、同じ課題を主目的に据えた事例は数えるほどしか公開されていません。過酷作業や熟練技能の代替を目的としたケースでは導入の前後で生産性が上がらない事例もあった、と同分析は指摘しています。倍率が載っていない事例は、失敗ではなく目的が別だった可能性を先に疑ってください。

### 投資額と人数・労働時間・生産量を突き合わせる事例カードの読み方

実証事業のハンドブックは、1件を1ページの同じ書式で公開しています。事業規模、機種名とメーカー、担当SIer、導入前後の人数・労働時間・生産量・労働生産性。事例どうしを同じ物差しで比べられます。

| 企業（工程）      | 事業規模    | 人数      | 生産量         | 生産性  |
| ----------- | ------- | ------- | ----------- | ---- |
| 曽我製作所（溶接）   | 8百万円    | 1人→1人   | 400本→1,760本 | 4.4倍 |
| キヨーワ（切断加工）  | 14.6百万円 | 1人→1人   | 8個→24個      | 3倍   |
| 東京理化工業所（搬送） | 18百万円   | 1人→1人   | 420個→840個   | 1.2倍 |
| コタニ（検査）     | 19.5百万円 | 4人→2人   | 2,500個で横ばい  | 2倍   |
| アコオ機工（溶接）   | 39百万円   | 4人→0.5人 | 8個→9個       | 4.5倍 |

並べると、倍率の意味が事例ごとに揺れているのが分かります。東京理化工業所は生産量が420個から840個へ倍増しているのに労働生産性は1.2倍。逆にアコオ機工は生産量が8個から9個とほぼ横ばいのまま4.5倍です。前者は投入人員と時間が変わらず、後者は4人1時間が0.5人0.5時間に縮んだ結果でした。倍率をそのまま信じず、人数と労働時間と生産量から計算し直すのが、事例を比べる最初の作業です。

## 溶接工程の導入事例｜スタッド溶接と大物スポット溶接で分かれる効果

溶接は実証事業の用途で31件・8%と多くありませんが、熟練工の確保が難しい工程として相談が集中します。同じ溶接でも、小物の反復と大物の多人数作業では効き方がまったく違います。

### 曽我製作所のスタッド溶接｜8百万円で400本から1,760本への置き換え

大阪府門真市の曽我製作所は精密板金加工業で、立体形状アルミ部品へのスタッド溶接を手作業で行っていました。月6,000本の単純反復でありながら、不良を出さないために溶接ガンを垂直に保持し続ける集中力が要る工程です。

導入したのは三菱電機の垂直多関節ロボットRV-7Fで、担当SIerは新潟県燕市のテック・エンジニアリング。事業規模は8百万円です。作業者はワークを置いてスタートボタンを押すだけになり、1人8時間あたりの生産量は400本から1,760本へ、労働生産性は4.4倍。手加工時に4%だった不良率は1%へ下がっています。

効いたのは本体の性能ではありません。パーツフィーダとティーチングの作り込みで供給と打点を固定したことです。同一形状の打点が月に数千本まとまる工程なら、投資額の桁を1千万円未満に抑えたまま成立します。

### アコオ機工の鉄道車両サブフロア｜4人から0.5人と前後工程の消滅

兵庫県赤穂市のアコオ機工は、4m×1.4m・310kgの鉄道車両用サブフロアを定位置式スポット溶接機で溶接していました。製品が大きく1人では扱えないため、4人がかりの作業です。不二越のSRA210Tを導入し、担当SIerは兵庫県西宮市の高丸工業、事業規模は39百万円でした。

結果は1台あたり4人1時間から0.5人0.5時間へ、労働生産性で4.5倍。ただし生産量は8個から9個とほとんど変わっていません。効果の中身は速度ではなく、工程そのものの消滅でした。打点位置にマークを入れるレーザー工程、図面を読みながら部品を配置する組立工程、熱処理やハンマリングによる歪取り工程が、治具固定と自動溶接によって不要になっています。空いた3人は次工程へ回り、後工程の平準化にもつながりました。

### 溶接でロボットが成立する条件｜同一継手の反復数と治具の共通化

二つの事例に共通するのは、継手の形状と姿勢が固定されていたことです。曽我製作所はスタッドという規格部品、アコオ機工は同一製品の打点。どちらも治具に固定すれば毎回同じ位置に同じ姿勢で来ます。見積を比べるときも、サイクルタイムではなく前後の段取り・墨出し・歪取りのうち何工程が消えるかを数えてください。

逆に言えば、継手形状が受注ごとに変わり、その都度治具を起こす工程には当てないほうが早い。治具の設計製作費がロボットシステムの費用を上回り、教示のやり直しも毎回発生します。まずポジショナの導入と溶接条件の標準化で形状のばらつきを減らす順番です。

## 搬送・組立・検査の導入事例｜工程ごとに置き換わる作業と人に残る作業

溶接以外の三工程も、実証事業のデータで具体的に追えます。搬送は台数の話ではなく、組立は動作の話ではありません。

### 搬送の事例｜東京理化工業所がサイクルタイム律速を2台構成で解いた

福島県白河市の東京理化工業所は、半凝固鋳造品の生産工程にファナックのLR-200iD 6軸（悪環境仕様）を導入しました。担当SIerは兵庫県加古川市のテイミス、事業規模は18百万円です。

課題は台数不足ではありませんでした。鋳造機は30秒に1個を出せる能力があるのに、半凝固スラリーを生成する工程でカップのメンテナンスが必要で、それを1台のロボットが8工程まとめて担っていたためサイクルが60秒に伸びていた。ロボット自身が律速工程になっていたわけです。1台足して工程を分け、鋳造機のサイクル内でメンテナンスを収めた結果、生産量は1日420個から840個になりました。

搬送の事例では、何を運んだかではなくどの設備の能力に合わせて動いているかを見てください。1台に工程を集約すると安く見えますが、上流設備の能力を引き出せなければ投資は回収できません。

### 組立の事例｜山本電機製作所の双腕ロボットが引き受けた供給と排出

山本電機製作所は、MEMS技術を使った超小型微差圧センサの量産にあたり、センサ基板の組立工程で詰まっていました。ダイボンディングとワイヤーボンディングの設備は試作段階で揃っていたものの、ワークの供給・排出とスイッチ操作に人手が必要で、作業者が常時待機する状態だったためです。

選んだのは人の動きをそのままなぞれるNEXTAGEの双腕ロボットで、担当SIerはTHKインテックス。既存設備も組立手順も変えず、作業場にロボットを置くだけで自動化しています。ハンドカメラで供給時に基板の状態を確認するようにしたため、組立後の検査工程も不要になりました。労働生産性は2倍、月産2,000台で年間2.4億円ほどの売上です。

置き換わっているのは組立動作そのものではなく、設備の隙間です。専用機を入れ替えずに隙間だけを埋める型なら、既存設備の改造費が発生しません。設備を新調する前に、人が張り付いている理由が動作なのか待機なのかを切り分けてください。

### 検査の事例｜コタニの磁気探傷で4人から2人、カメラ5方向で多品種を吸収

兵庫県加西市のコタニは、鍛造部品の品質保証のために磁気探傷検査装置を使った手作業の検査を行っていました。4kgから7kgのワークを1日約2,500個ハンドリングする過酷な工程です。川崎重工のRS050Nと不二越のMC50を導入し、担当SIerは自社、事業規模は19.5百万円でした。

導入後も生産量は1日2,500個のまま変わりません。変わったのは人数で、4人から2人になりました。検査工程の効き方は生産量ではなく人数に出ます。加えて、電動アクチュエータの上に高精度カメラを5方向に配置したことで、プログラムの変更だけで撮像領域を変えられる構成にしました。サイズや形状が多少違うワークでも、機械側を作り直さずに検査対象箇所を撮れます。

## 導入でつまずく三つの課題｜多品種少量・教示工数・既存ラインとの接続

ここまでの事例は成立した側です。相談の場で止まるのは、たいてい次の三つのどれかにあたります。

### 多品種少量で止まる原因｜段取り替えごとの治具交換とハンド交換の工数

止まる原因はロボット本体ではありません。品種が変わるたびに、ワークを固定する治具、つかむハンド、供給装置の三つを入れ替えるからです。段取り替えの作業時間がそのまま非稼働時間になり、1直に何度も切り替える工程では実稼働率が下がります。

回避の方向は二つです。ひとつは治具の共通化で、品種ごとの専用治具を作らずベースプレートと位置決めピンを共通にする。もうひとつはコタニのように、ハンドやカメラの側で品種差を吸収する構成にすること。どちらも成立しないなら、工程順と品種のまとめ方を見直すほうが投資対効果は高くなります。

### 教示工数を削る回避策｜キヨーワのCADデータ入力によるティーチングレス

栃木県宇都宮市のキヨーワは、建築鉄骨の三次元切断加工を熟練工がガス溶断機で手作業していました。少量多品種であるため、通常なら品種ごとの教示工数が壁になります。ここで採ったのは、安川電機のMOTOMAN-MA2010を使ったプラズマロボットに、CADデータから事前に生成した加工情報を読ませる方式でした。担当SIerは同じ宇都宮市の光機材、事業規模は14.6百万円です。教示作業そのものをなくしたことで、1人8時間あたり8個だった加工が24個になり、労働生産性は3倍。罫書作業と鉄骨の反転作業も不要になりました。

この回避策には前提があります。製品形状のデータが設計側にあることです。図面が紙で、現物合わせで寸法を決めている工程では、CADデータからの教示は成り立ちません。オフライン教示の提案を受けたら、まず自社の設計データがどの形式で、どこまで実物と一致しているかを確かめてください。

### 既存ラインとの接続｜PLC信号の設計と安全回路の分界点をどこに置くか

単独のセルとして置くなら、ロボットは自分のコントローラだけで動きます。既存ラインに割り込ませる場合は上流下流の設備と起動・完了・異常の信号をやり取りする必要があり、この設計を誰が持つかで見積が変わります。一般には設備側のPLCが親、ロボットコントローラが子で、工程の進行はPLC側のシーケンスが管理する構成です。

先に決めるべきは安全回路の分界点になります。非常停止、扉のインターロック、ライトカーテンの入力を既存ラインの安全盤に集約するのか、ロボットセル側に独立した安全盤を持たせるのか。前者は既存設備の改造とリスクアセスメントのやり直しを伴い、後者は工程間の停止連動が粗くなります。機種選定の段階から設備担当を巻き込んでおくと手戻りが減ります。

## 稼働データを生産管理システムやMESへ渡す連携設計と受託開発の分界点

ロボットが動き出したあと、実績を紙や表計算に手入力し続けている工場は少なくありません。自動化した工程だけデータが取れていない状態です。この連携をどこまで作るかは、ロボットの発注とは別の意思決定になります。

### ロボットコントローラから取れるデータとOPC UA for Roboticsの守備範囲

ロボットコントローラから外へ出せるのは、稼働と停止の状態、アラームコード、サイクル時間、各軸の負荷や温度といった機器側の情報です。メーカーごとに取り出し方が異なるため、標準化の枠としてOPC UA for Robotics（OPC 40010-1／VDMA 40010-1）が2018年に公開されています。ただしPart 1の範囲は資産管理と状態監視のデータモデルで、生産実績や工程指示そのものは対象外です。

実務では、PLC経由で1サイクル完了の接点やフィールドバス上の変数を拾い、上位へ渡す構成が現実的な落とし所になります。設備から実績を取り込む方式の全体像は[MESが受け持つ11機能とISA-95レベル3の実装要件](https://www.issoh.co.jp/tech/details/16796/)で整理しているので、ロボット以外の設備も含めて設計するときはそちらを参照してください。

### 実績登録の粒度｜ロボットのサイクル完了を何の実績として計上するか

つまずくのは信号の取り方ではなく、その信号を何と見なすかです。ロボットのサイクル完了は、良品1個の完成とは限りません。検査工程を通していなければ、不良を良品として計上してしまいます。

粒度の決め方は二つです。ロット単位で締めるなら、サイクル数を累計して工程完了時に良品数と不良数を確定させる。個体単位で追うなら、ワークにシリアルを振り、サイクル記録と検査結果をひも付けます。コタニのように検査そのものがロボット工程なら、判定結果をそのまま実績に載せられます。

### 生産管理システム側の改修範囲と、SIerの見積に含まれない開発の切り分け

ロボットSIerの見積に入るのは、ロボットシステムと制御盤、PLCまでが通例です。生産管理システムやMES側の受け口、品目マスタと工順の整備、実績照会の画面、日次の締め処理は含まれません。ここを曖昧にしたまま立ち上げると、ロボットは動いているのに実績だけ手入力という状態が残ります。

先に決めるのは三点です。上位システムのどのテーブルに何を書くか、連携の周期は逐次かバッチか、異常停止時に誰が補正入力するか。パッケージの標準機能で足りるかどうかの見極めは、[生産管理システムの機能とERP・MESとの違い](https://www.issoh.co.jp/column/details/13633/)を踏まえると早くなります。受け口がない場合は、[生産管理システムの受託開発](https://www.issoh.co.jp/service/business%5Fsystem/production-management/)として設備連携の部分だけを切り出して作る進め方もあります。

## 事例の投資額を自社の見積に翻訳する手順と、SIer選定で見分ける三つの型

最後は、他社の事例を自社の金額感へ置き換える作業です。ここを飛ばすと、事例の数字を本体価格と誤解したまま相見積を取ることになります。

### 事例の事業規模が指す範囲｜システム費用が本体の3〜6倍になる前提

ハンドブックの事業規模は補助対象となった事業の費用で、ロボット本体の価格ではありません。設備費用とSIerによるシステムインテグレーション費用を含みます。前掲の林の分析でも、産業用ロボットのシステム導入費用はロボット単体コストの3倍から6倍になるのが一般的だと整理されています。

この係数を持っておくと、見積の読み方が変わります。本体400万円という提案を受け取ったら、システム一式では1,200万円から2,400万円のレンジに置き直して回収年数を計算する。周辺装置と架台、安全部材、教示と立会い調整までを含めた費用の内訳は親記事で扱っているので、見積書の項目を突き合わせるときに使ってください。見積書そのものの分解と条件のそろえ方は[産業用ロボットの見積もりと相見積もりの手順](https://www.issoh.co.jp/column/details/16843/)にまとめています。

### ロボットを当てない工程の条件｜段取り頻度とワーク供給精度から引く線

言い切ります。次の三条件のうち二つが当てはまる工程には、いま産業用ロボットを当てないほうがいい。ひとつ、ワークが毎回違う位置と姿勢で来て、供給装置の作り込みがロボット本体より高くつく。ふたつ、同一形状の反復が月数百に届かず、段取り替えが1直に何度も入る。みっつ、受注変動が大きく、投資回収の前提になる稼働率が読めない。

先へ手を付けるのは、治具の共通化、品種のまとめ方の見直し、工程順の組み替えです。実証事業で少量多品種対応を掲げて成立した事例も、キヨーワのようにCADデータや画像処理で品種差を吸収する構造を先に持っていました。構造を作らないまま台数を入れると、段取り替えのたびに止まるロボットが1台増えるだけです。

### SIer選定で見分ける三つの型｜適材適所型・特定メーカー型・ユーザー兼業型

実証事業で担当SIerが開示された292件は広く分散しており、最も多い高丸工業でも11件です。その中で、林の分析は三つの型を挙げています。

- 適材適所型：高丸工業（兵庫県）は地元中小向けのニッチな業種・用途、サンビット（福岡県）は九州の食品加工向けと、対象を絞って複数メーカーを使い分ける
- 特定メーカー型：サンワテクノス（東京都）は安川電機製、テイミス（兵庫県）はファナック製を中心に得意領域へ展開する
- ユーザー兼業型：THKインテックス（東京都）やグローリー（兵庫県）のように、自社での導入経験を踏まえて他社向けに展開する

選ぶ基準は実績の総数ではありません。自社と同じ工程種別・同じワーク重量帯の実績があるか、導入後の教示変更を誰が担うのかです。特定メーカー型は立ち上げが速い代わりに機種の選択肢が狭く、適材適所型は提案の幅が広い代わりに保守窓口が分散します。

## よくある質問

産業用ロボットの導入事例について、相談の場で繰り返し聞かれる質問をまとめました。

### 中小企業の産業用ロボット導入事例はどのくらいの投資額ですか？

経済産業省のロボット導入実証事業に採択された中小企業の事例では、事業規模が8百万円から39百万円に分布しています。これはロボット本体の価格ではなく、周辺装置とシステムインテグレーション費用を含んだ事業全体の費用です。同事業の補助率は中小企業が3分の2、実証事業の補助上限額は5,000万円と設定されていました。

### 多品種少量生産の工場でも導入事例はありますか？

あります。多品種小ロットの鍛造部品を検査するコタニと、少量多品種の建築鉄骨を切断するキヨーワが代表例です。ただし少量多品種対応を導入目的に挙げた事例は回答323件中10件にとどまります。成立している事例に共通するのは、可動カメラやCADデータ入力で品種差を機械の作り替えなしに吸収する構造でした。

### 導入事例の労働生産性の倍率は自社にそのまま当てはめられますか？

そのままでは当てはまりません。同じ事例集でも、生産量が2倍で労働生産性1.2倍という記載と、生産量がほぼ横ばいで4.5倍という記載が並びます。差は投入人員と労働時間が動いたかどうかです。倍率を見る前に人数・労働時間・生産量の三つを確認し、自社の工程の初期値に置き換えて計算し直してください。

### 協働ロボットの導入事例は普通の産業用ロボットと何が違いますか？

実証事業の機種別集計では、双腕および人協働ロボットが304件中42件で14%を占め、垂直多関節の52%に次ぐ位置にあります。事例の中身は組立や搬送で人の作業をそのまま置き換える目的が中心で、既存設備と手順を変えずに人の待機時間だけを埋める使い方が典型でした。柵の要否は出力だけで決まらず、工程レイアウトとリスクアセスメントの結果によります。

### 導入事例のように稼働データを生産管理システムへつなぐ必要はありますか？

全ての工程で必要というわけではありません。まず取る価値があるのは、1サイクル完了の信号と停止時間の記録です。この二つだけでも実稼働率と段取り替えの実時間が数字になり、次の投資判断の材料になります。良品数として実績計上まで進めるなら、検査結果とひも付ける設計が前提です。

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- [製造業のDX事例｜工程改善・予知保全・品質・在庫で見る成果指標](https://www.issoh.co.jp/column/details/15941/)：ロボット以外の投資も含めた工程別の成果指標です。
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出典: [産業用ロボットの導入事例｜工程別の効果と多品種少量・教示・ライン接続の課題](<https://www.issoh.co.jp/column/details/16841/>)（株式会社一創）
