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title: "年末調整の電子化はいつから？義務化の範囲と2027年の変更点・進め方を解説"
url: "https://www.issoh.co.jp/column/details/15326/"
published: 2026-07-18
updated: 2026-09-30
categories: ["勤怠・給与"]
publisher: "株式会社一創"
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# 年末調整の電子化はいつから？義務化の範囲と2027年の変更点・進め方を解説

年末調整の電子化は、従業員が紙に手書きしていた扶養控除等申告書や保険料控除申告書をデータで提出してもらい、控除額の計算から給与システムへの取り込みまでを一気通貫で処理する仕組みです。「いつから」という問いへの答えは、2020年10月に全申告書と控除証明書をデータで出せる制度が整い、2021年4月に税務署への事前承認申請が廃止されて、どの企業でもどの年からでも始められるようになった、というものになります。一方で「義務化」と呼ばれる動きは申告書の受け取り側ではなく、税務署へ出す法定調書の側で進んでおり、2027年1月の提出分からe-Tax等での提出義務の基準が100枚以上から30枚以上へ下がるのが、義務化の中身です。本記事では、制度の年表、電子化の対象書類と仕組み、義務化の範囲、メリット・デメリット、進め方の5ステップまでを人事労務の担当者向けに整理します。あわせて、今年から始めるか来年に回すか、市販の年末調整システムで足りる企業と個別開発を検討すべき企業の見極めも、条件付きで言い切ります。

## まとめ：年末調整の電子化は2020年10月に整備済み、義務化されるのは法定調書の提出側

年末調整の電子化とは、扶養控除・保険料控除・住宅ローン控除の各申告書を従業員がデータで作成・提出し、担当者側の検算や転記をなくす取り組みを指します。制度は2020年10月に整い、2021年4月以降は税務署への申請も要りません。電子化そのものに法律上の義務はなく、始める時期も方式も企業が選べます。ただし税務署へ提出する法定調書は別の話です。前々年の提出枚数が種類ごとに100枚以上の企業にはe-Tax等での提出義務があり、2027年1月提出分からこの基準が30枚以上へ下がります。同じ2027年1月からは、市区町村へ給与支払報告書を出せば税務署への源泉徴収票の提出を省ける「みなし提出」も始まります。

効果が最も大きいのは、担当者の検算・差し戻し・保管の3工程です。従業員側も、マイナポータル連携を使えば控除証明書の転記や紛失時の再発行依頼から解放されます。一方で初年度は、操作に不慣れな従業員への説明とシステム費用の負担が確実に発生するため、10月の申告開始から逆算して夏前に準備へ着手する段取りが実務の分かれ目になります。2026年9月末の時点で一から製品選定を始めるなら、今年は国税庁の年調ソフトと紙の併用で部分的に始め、本格導入は2027年分に回す判断が現実的です。

方式は、国税庁が無償提供する年調ソフト、市販の年末調整システム、労務システム一体型、個別開発の4択です。単一法人で標準的な給与体系なら市販システムで足り、個別開発は過剰と判断します。複数法人の年末調整を1つに集約したい場合や、既存の基幹システムとの連携が要件に入る場合に限り、個別開発・カスタマイズを検討する価値が出ます。判断条件は本文の後半で順に示す構成です。

## 年末調整の電子化はいつから｜2007年の一部データ化から2027年までの制度年表

「電子化はいつから始まったのか」「義務化はいつからか」は、どの時点のどの手続を指すかで答えが変わります。まず制度の節目を1本の年表に並べ、自社にとって意味のある日付を拾える状態にします。

### 制度の節目を時系列で整理｜承認不要化・30枚基準・みなし提出の開始時期

次の表は、国税庁の[年末調整手続の電子化及び年調ソフト等に関するよくある質問（令和7年10月改訂版）](https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/pdf/nencho%5Ffaq.pdf)、[e-Taxの法定調書の提出義務化の概要](https://www.e-tax.nta.go.jp/hoteichosho/hoteichosho%5Fgimuka.htm)、[源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ](https://www.nta.go.jp/users/gensen/hotei/index/minashi.htm)の記載をもとに、2026年9月30日時点で整理したものです。

| 時期             | 出来事                   | 企業への影響        |
| -------------- | --------------------- | ------------- |
| 2007年（平成19年）7月 | 扶養控除等申告書のデータ提供が可能に    | 税務署長の承認が前提    |
| 2020年（令和2年）10月 | 全申告書と控除証明書がデータで完結     | 一般に言う電子化の開始   |
| 2021年（令和3年）1月  | 法定調書のe-Tax等義務が100枚基準に | 提出枚数の多い企業が対象  |
| 2021年（令和3年）4月  | データ受領の事前承認申請が廃止       | 準備が整えばいつでも開始可 |
| 2026年（令和8年）8月  | 令和8年分年調ソフト試作版を公開      | マイナポータル取得は不可  |
| 2026年（令和8年）9月  | eLTAXの一元化提出機能が終了      | 源泉徴収票の同時提出が不可 |
| 2026年（令和8年）10月 | 令和8年分年調ソフト正式版（予定）     | 従業員の申告受付が始まる  |
| 2026年（令和8年）12月 | 基礎控除引上げ等の改正を施行        | 12月の年末調整で精算   |
| 2027年（令和9年）1月  | e-Tax等義務の基準が30枚以上に    | 中小企業の一部が新たに対象 |
| 2027年（令和9年）1月  | 源泉徴収票のみなし提出が開始        | 税務署提出用の作成が不要  |

表から読み取れるのは、年末調整の電子化が「ある日を境に義務になる制度」ではなく、2007年から段階的に紙の制約が外れてきた経緯だという点です。扶養控除等申告書のように以前からデータ提出できた書類もありましたが、住宅借入金等特別控除申告書や控除証明書は2020年10月まで書面が必要で、そこが揃ってようやく申告書一式をデータで完結できるようになりました。企業が期限を意識すべき日付は、2027年1月の2つ（30枚基準とみなし提出）に集中しています。どちらも年末調整の結果を税務署や市区町村へ出す段階の話で、従業員から申告書を受け取る方法そのものを縛るものではありません。

### 2026年12月の年末調整に反映する令和8年度改正と年調ソフト正式版の公開時期

今年（令和8年分）の年末調整は、電子化の有無にかかわらず計算の前提が変わります。国税庁の[令和8年分 年末調整のしかた](https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2026/01.htm)によると、令和8年度税制改正は原則として2026年12月1日に施行され、基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の65万円から74万円への引上げ、扶養親族等の所得要件の見直し（扶養親族は合計所得62万円以下、給与収入だけなら136万円以下）、年齢23歳未満の扶養親族がいる場合の一般生命保険料控除の特例（適用限度額6万円）が入りました。11月までの毎月の源泉徴収は変わらず、12月の年末調整で改正後の基礎控除額と給与所得控除後の金額の表を使って精算する流れです。控除の線引きがどう変わったかは、[扶養控除と配偶者控除の違い｜令和8年分は年収136万円が共通ライン](https://www.issoh.co.jp/column/details/11699/)で扱っています。

電子化の実務で気にすべきなのは、システム側の対応時期です。国税庁の[年末調整手続の電子化に向けた取組について](https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm)では、2026年7月31日に控除申告書データのXML定義書（ドラフト版）が、8月7日に令和8年分年調ソフトの試作版（プロトタイプ）が公開され、正式版は10月に公開予定とされています（2026年9月30日時点）。試作版ではマイナポータルからの証明書取得ができないため、従業員向けの案内は正式版の公開を待って出すのが安全です。市販の年末調整システムや給与システムを使っている企業は、令和8年分の改正とXML定義書への対応版がいつ提供されるかを、10月の申告受付開始前にベンダーへ確認しておきます。

## 年末調整の電子化とは｜2020年10月開始の制度概要と紙運用から変わる工程

次に、電子化で何がどう変わるのかを工程単位で押さえます。「なんとなくペーパーレスになる」という理解のままシステム選定へ進むと、対象範囲の設計を誤ります。

### 電子化で変わる4つの工程｜申告書の配布・回収・検算・保管の紙作業の置き換え

紙の年末調整では、担当者が用紙を従業員へ配布し、手書きの申告書を回収し、控除額を検算し、原本を7年間保管します。電子化後はこの4工程が、システム上での案内配信、データ提出、自動計算、電子データ保存にそれぞれ置き換わる構図です。中でも負荷が下がるのは検算と差し戻しの工程です。従業員がシステムの質問に答える形式で入力すると控除額まで自動計算されるため、電卓での再計算や記載漏れによる書類の往復がほぼ消えます。保管の負担も軽くなります。扶養控除等申告書などの年末調整関係書類は提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間の保存が求められており、紙のままでは保管スペースと廃棄管理が毎年積み上がる構造でした。データ保存に切り替われば、この物理管理そのものがなくなります。

### 電子化の対象になる申告書・控除証明書の種類と国税庁の年調ソフトの位置づけ

データ提出の対象になる主な書類は、扶養控除等（異動）申告書、基礎控除申告書・配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書、保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書です。あわせて、生命保険料・地震保険料の控除証明書や住宅ローンの年末残高証明書なども、保険会社等が発行する電子データのまま添付できます。国税庁は申告書をデータ作成するための「年調ソフト」を無償で提供しており、パソコンとスマートフォンの両方に対応しています（2026年9月時点）。かつて必要だった税務署長への事前承認申請は2021年4月以降廃止されたため、社内の準備が整えばどの年からでも移行可能です。注意したいのは、年調ソフトが担うのは従業員の申告書作成までという点です。国税庁の[年末調整手続の電子化の概要・メリット](https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho%5F01.htm)も、申告書データで年税額を計算するには勤務先の給与システム等がデータの取込みに対応している必要があると明記しています。控除額を反映した給与計算や源泉徴収票の作成は、自社の給与システム側で処理する前提になります。

### マイナポータル連携による控除証明書一括取得の仕組みと従業員側の事前準備

マイナポータル連携は、生命保険料控除証明書や住宅ローン残高証明書などのデータを従業員がマイナポータル経由で一括取得し、申告書の該当欄へ自動入力する機能です。手入力の転記ミスがなくなり、証明書のハガキを紛失して保険会社へ再発行を頼む手間も発生しません。ただし事前準備が2段階あります。従業員本人のマイナンバーカード取得と、保険会社側でデータ受け取りの設定（民間送達サービスとの連携手続き）です。この設定は年末調整の直前に始めると間に合わないことがあるため、担当者からの案内は夏から初秋に出すのが実務的な線です。カードを持たない従業員がいても電子化は止まりません。保険会社のWebサイトから電子的控除証明書を個別にダウンロードする方法と、紙の証明書をそのまま提出する方法を併用できます。

## 年末調整の電子化と義務化の範囲｜法定調書の電子提出義務は2027年に対象拡大

「電子化は義務なのか」「義務化はいつからか」という疑問には、対象を2つに分けて答える必要があります。従業員からの申告書の受け取り方と、税務署への法定調書の出し方は、制度上まったく別物です。

### 年末調整の電子化そのものは任意｜2021年4月以降は税務署への事前申請も不要

従業員から申告書をデータで受け取る電子化に、法律上の義務はありません。紙のまま続けても罰則はなく、いつ移行するかは各社の判断です。制度開始当初は税務署長へ「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を出す必要がありましたが、2021年4月1日以降はこの事前承認が廃止され、手続き面の障壁はなくなりました（2026年9月時点）。国税庁のFAQは、申告書データを受け取るにあたって従業員から事前に承諾を得る必要もないとしています。残る要件は、提出者の氏名を明らかにする措置（電子署名を付すか、パスワードを設定して提出させる等）を講じることです。つまり現在の電子化は、義務への対応ではなく業務改善の投資として判断する対象です。ここを取り違えて「いずれ罰則が出るから」と焦って導入すると、範囲設計や製品選定が雑になります。急ぐ理由があるとすれば次に述べる法定調書の提出義務の側で、自社がその対象に入るかどうかを先に確かめるのが順序として正しい進め方です。

### 法定調書のe-Tax提出義務｜基準が100枚以上から30枚以上へ引き下げの時期

給与所得の源泉徴収票や支払調書といった法定調書には、e-Tax・光ディスク等・認定クラウド等のいずれかでの提出が義務になる基準があります。国税庁の[タックスアンサーNo.7455](https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7455.htm)によると、2026年12月31日までに提出する分の基準は、前々年に提出すべきだった枚数が法定調書の種類ごとに100枚以上の場合です。この基準が、2027年（令和9年）1月1日以後の提出分から30枚以上へ引き下げられます。判定に使うのは2年前、つまり2025年（令和7年）に提出すべきだった枚数です。該当した法定調書は、書面では出せません。これまで対象外だった中小企業の一部が義務の範囲へ入るため、該当する企業は年末調整の電子化と法定調書の電子提出をまとめて設計したほうが二度手間になりません。法定調書の種類ごとの提出範囲や期限は[法定調書とは？種類と提出範囲、令和8年分からの源泉徴収票みなし提出と給与システムの対応](https://www.issoh.co.jp/column/details/17900/)で整理しています。給与システムがe-Tax連携に対応しているかは、2026年のうちに確認しておく段取りを推奨します。

### 30枚判定の数え方｜源泉徴収票は改正前の提出範囲で数えみなし提出分も算入

「源泉徴収票を30枚以上出すのは従業員30人以上の会社」と考えるのは誤りです。[タックスアンサーNo.7411](https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7411.htm)のとおり、2026年12月31日以前に税務署へ出す源泉徴収票の提出範囲は限られており、年末調整をした一般の従業員なら年間の給与が500万円を超える人、役員なら150万円を超える人、といった線で絞られます。従業員が50人いても、給与500万円超の人が10人なら給与所得の源泉徴収票は10枚前後という計算です。2027年1月からは提出範囲が「年の途中で退職し支払額30万円以下の人を除く全員」へ広がりますが、みなし提出のQ&Aは、義務の判定に使う枚数を改正前の提出範囲で数え、みなし提出で済ませた分も判定から外れないとしています。報酬・料金の支払調書のように、給与以外の調書が先に30枚へ届く会社もあるため、判定は種類ごとに枚数を数え直すのが確実です。

### 源泉徴収票のみなし提出とeLTAX一元化機能の終了｜給与システム側の影響

2027年1月1日以後は、市区町村へ給与支払報告書を提出すれば、税務署へ給与所得の源泉徴収票を提出したものとみなされます。税務署提出用の源泉徴収票を別に作る必要がなくなる一方、従業員本人へ渡す源泉徴収票は引き続き全員分の作成・交付が必要です。あわせて、源泉徴収票と給与支払報告書を同時に作成・提出できたeLTAXの一元化機能は2026年9月で終了すると特設ページで案内されています。給与システムが一元化機能を前提にした出力を組んでいる場合は、2027年1月の提出に向けて設定の見直しが要ります。市区町村への提出経路の設計は[eLTAXとは？電子申告・共通納税の仕組みと給与システム連携の設計](https://www.issoh.co.jp/column/details/17572/)を参照してください。

### 源泉徴収票の電子交付に必要な従業員の同意と電磁的方法による提供の手続き

従業員本人へ渡す源泉徴収票を紙から電子交付へ切り替える場合には、あらかじめ従業員の承諾を得る手続きが必要です。電磁的方法の種類と内容を示したうえで同意を取り、同意しない従業員には従来どおり書面で交付します。電子交付した後でも、従業員から請求があれば書面で交付しなければなりません。実務では、給与明細の電子化と同じ仕組みに載せて同意を一括で取得する運用が一般的です。ここで押さえておきたいのは、同意が取れない従業員が数名残っても電子化全体は成立するという点です。申告書のデータ収集・源泉徴収票の電子交付・法定調書の電子提出は、それぞれ独立に進められます。全員一斉・全工程同時の移行にこだわると初年度の負荷が跳ね上がるため、同意が集まった範囲から段階的に切り替える設計で問題ありません。

## 年末調整を電子化するメリット・デメリット｜担当者と従業員それぞれの実務差

導入判断の材料として、効果と負担を実務の重み付きで整理します。メリットとデメリットは同じ大きさではなく、効果は毎年続き、負担は初年度に集中するという時間差が判断の軸になります。

### 企業側のメリット｜検算・突合・差し戻しの削減と申告書7年保管コストの圧縮

担当者側の効果は3点に集約されます。第一に検算の削減です。控除額がシステムで自動計算されるため、申告書1枚ずつの再計算と保険料控除証明書との突合が不要になります。第二に差し戻しの削減です。記載漏れや証明書の添付忘れは提出時点でシステムが弾くので、従業員との書類の往復が起きません。紙運用でこの往復に費やしていた12月の残業が、そのまま削減対象になります。第三が保管コストです。7年間の保存義務がある申告書類を電子データで保存すれば、キャビネットの占有と年次の廃棄作業が消えます。効果の性質として見逃せないのは、これらが初年度だけでなく毎年繰り返し効くことです。令和8年分のように控除額の計算ルールが変わる年は、紙だと記載例の差し替えと従業員への説明が増えますが、システムなら改正対応版に更新するだけで計算式が入れ替わります。従業員数が多いほど削減幅は枚数に比例して大きくなるため、規模の大きい企業ほど投資回収は早くなります。

### 従業員側のメリット｜控除額の自動計算と控除証明書を紛失した際の再発行不要

従業員にとっての変化は、手書きと手計算からの解放です。保険料控除申告書は控除額の計算式が複雑で、紙では毎年書き方を調べ直す人が多い書類ですが、電子化後は画面の質問に答えるだけで計算が終わります。令和8年分から入った23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例も、対象かどうかの判定と計算をソフト側が受け持ちます。前年のデータを引き継げるシステムなら、扶養家族の情報など変わらない項目の再記入も不要です。マイナポータル連携まで使えば、秋に届く控除証明書のハガキを保管しておく必要がなくなり、紛失時に保険会社へ再発行を依頼する数日がかりのやり取りも起きません。スマートフォンから提出できる点も現場では効きます。工場や店舗などパソコンを持たない職種でも、休憩時間に自分の端末から申告を済ませられるため、担当者が紙を追いかけて回収する構図そのものが変わります。

### デメリットと初年度のつまずき｜操作に不慣れな従業員対応とシステム費用負担

負担側で最大のものは、初年度の従業員対応です。操作に不慣れな従業員からの問い合わせは導入初年に集中し、説明資料やFAQ、問い合わせ窓口を用意しないと担当者がかえって多忙になります。マイナポータル連携の事前設定も、案内が遅れると「証明書データが取れない」という駆け込みを生みます。次にシステム費用です。国税庁の年調ソフトは無償ですが、市販の年末調整システムや労務システムは従業員数に応じた利用料がかかります。もっとも、この負担は削減される残業時間・印刷郵送費と比較して判断すべき項目で、従業員数十人規模以上なら回収の見通しは立てやすい水準です。見落とされがちなのが移行期の二重管理で、紙とデータの併用期間中はデータ分と紙分を別々に管理する手間が残ります。併用は初年度限りと期限を切るのが、負担を長引かせないコツです。

## 年末調整の電子化の進め方5ステップ｜方式選定から従業員への周知・運用開始まで

ここからは導入の手順です。年末調整は10月〜11月に申告が始まる年中行事なので、工程は開始月から逆算して組みます。

### 導入スケジュールの逆算｜10月の申告開始から数えた準備着手の時期と工程表

初年度の標準的な工程は次の5段階です。

1. 電子化の範囲を決める（申告書のデータ収集のみか、控除証明書のデータ取得や源泉徴収票の電子交付まで含めるか）
2. 方式とシステムを選定する（年調ソフト＋給与システム、市販システム、労務システム一体型、個別開発）
3. 給与システムとのデータ連携を検証する（控除額データの取り込み形式・テスト）
4. 従業員へ周知する（操作案内・FAQ・マイナポータル連携の事前設定の案内）
5. 運用を開始し、紙提出の従業員分と合わせて処理する

10月開始から逆算すると、システム選定は遅くとも6月〜7月、従業員への最初の案内は8月〜9月が目安です。選定と連携検証に2〜3カ月、周知に1〜2カ月を見込むと、夏前の着手で初年度に間に合う計算になります。逆に9月からの着手では選定を妥協するか、翌年からの導入に切り替えるかの二択になりがちです。国税庁の年調ソフトは例年10月に正式版が出るため、ソフトの画面を使った手順書の作成は10月前半に集中します。

### 無償の年調ソフトと市販の年末調整システムの比較｜自社に合う方式の選定基準

方式は費用と守備範囲で選びます。主な4方式の違いは次のとおりです。

| 方式          | ソフト費用       | 向いている企業        |
| ----------- | ----------- | -------------- |
| 国税庁の年調ソフト   | 無償          | 費用を抑えたい小規模企業   |
| 市販の年末調整システム | 従業員数に応じた利用料 | 給与システムと連携する企業  |
| 労務システム一体型   | 月額制が中心      | 入退社手続きも電子化する企業 |
| 個別開発・カスタマイズ | 初期開発費       | 複数法人・独自要件がある企業 |

年調ソフトは無償という強みの半面、収集したデータの管理や給与システムへの受け渡しは自社で組み立てる必要があり、担当者にある程度の習熟を求めます。市販の年末調整システムは進捗管理や差し戻しの機能が作り込まれており、給与システムと同じベンダーで揃えると連携の検証工数が小さく済みます。入社手続きや雇用契約まで電子化する構想があるなら、年末調整を単機能で選ばず労務システム一体型を検討したほうが、翌年以降の拡張で二重投資になりません。方式を決めたあとに個別製品を比較する段階の判断軸（法改正への追随方法・給与システムとの連携方式・料金の3層構造）は、[年末調整システムとは？比較の観点と料金相場・個別開発の判断基準を解説【2026年】](https://www.issoh.co.jp/column/details/15923/)で整理しています。

### 従業員への周知とマイナポータル連携準備｜初年度の混乱を防ぐ説明と紙の併用

初年度の成否は、システムの出来よりも周知の設計で決まります。案内で伝えるべきは操作手順そのものより「何が楽になるか」です。手書き・押印・証明書ハガキの提出が不要になる、スマートフォンで完結する、という変化を先に示すと協力を得やすくなります。そのうえで、画面キャプチャ付きの手順書とFAQを配り、問い合わせ窓口を1カ所に決めておきます。マイナポータル連携を使う場合は、保険会社側の設定に時間がかかることを明記して早めの準備を促してください。同時に、初年度から全員をデータ提出に揃えようとしないことも運用側の判断です。紙提出の選択肢を残した併用でスタートし、提出状況を見ながら翌年に完全移行を判断する2段階の計画なら、IT操作に不安のある従業員を置き去りにせず移行できます。運用開始後に担当者と従業員が実際に何をどの順番で行うかは、[年末調整の電子化のやり方｜担当者6工程と従業員側の操作手順を実務ベースで解説](https://www.issoh.co.jp/column/details/15925/)で担当者6工程と従業員側4段階に分けて示しています。

## 市販システムで足りる企業と個別開発を検討すべき企業の見極め｜条件付きの結論

最後に、電子化を始める時期と、方式選定で迷いやすい「市販か、作り込みか」の線引きを条件付きで言い切ります。ここが本記事の結論です。

### 今年から始めるか来年に回すか｜2026年9月末時点の着手可否を決める3条件

2026年9月末から令和8年分の年末調整で電子化を始められるのは、次の3条件がそろう企業です。1つ目は、使っている給与システムが年調ソフトや市販システムの申告書データを取り込めること。2つ目は、令和8年度改正への対応版が11月までに提供されるとベンダーが示していること。3つ目は、10月中に従業員へ案内を出し、紙との併用を前提に問い合わせを受けられる体制があることです。3つがそろうなら、今年は希望者だけをデータ提出に切り替える部分導入で始め、翌年に対象を広げる進め方で問題ありません。どれか1つでも欠けるなら、今年は紙で乗り切り、2027年分に向けて2027年6月までに方式を決める計画へ切り替えます。改正対応が重なる年に、選定途中の製品で初年度を迎えるほうが事故は大きくなるからです。

### 市販パッケージやクラウドで足りる条件｜単一法人・標準的な給与体系の場合

単一法人で、給与体系が標準的（手当の種類が既製品の設定範囲に収まる）で、給与システムに市販製品を使っているなら、年末調整も同系列の市販システムで足ります。この条件下での個別開発は費用対効果が合わず、選びません。年末調整は年1回の業務であり、業務の型も税制で全国共通に決まっているため、独自性を出す余地がもともと小さい領域だからです。令和8年分のような税制改正への追随も、市販製品ならベンダーが毎年まとめて対応します。市販システムの設定でまかなえる業務にスクラッチ開発を持ち込むのは過剰投資と判断します。この場合の検討順序は、現在の給与システムと同じベンダーの年末調整機能→連携実績のある他社製品、の順で十分です。

### 個別開発・カスタマイズが選択肢になる場面｜複数法人の集約と基幹システム連携

逆に、既製品の設定では吸収できない構造を抱えている場合は、個別開発やカスタマイズが検討に値します。典型は3つあります。グループ複数法人の年末調整を1つの仕組みへ集約したいが法人ごとに給与システムが異なる場合、自社開発の基幹システムや人事データベースが既にあり年末調整データをそこへ直接流し込みたい場合、そして市販システムの提供終了や保守条件の変更で載せ替えを迫られている場合です。いずれも論点は年末調整の機能そのものではなく、周辺システムとのデータ連携の設計にあります。自社で組む場合は、国税庁が公開している控除申告書データのXML定義書に合わせて取込み部分を作り、毎年の定義書改訂に追随する保守体制まで見込んでおく必要があります。こうした連携要件の整理から相談したい場合は、一創の[人事・労務管理システム開発](https://www.issoh.co.jp/service/business%5Fsystem/hr-management/)のように、既存の人事・給与データの構成を踏まえて業務システムを個別に設計・開発する受託会社に要件定義段階から入ってもらう進め方が、後戻りの少ない選択です。

### 給与計算・勤怠管理まで含めた電子化の範囲設計｜年末調整単体で終えない判断

年末調整は給与計算業務の年間サイクルの一部であり、単体で電子化しても前後の工程が紙のままだと効果が細切れになります。控除額のデータは毎月の給与計算に反映され、その給与計算は日々の勤怠データを源流とするからです。範囲設計の考え方は、[給与計算の業務の流れと年間スケジュール](https://www.issoh.co.jp/column/details/12908/)で整理しているとおり、年間の業務サイクル全体を見てから電子化の順番を決める形が遠回りに見えて確実です。勤怠側がタイムカード集計のままなら、[勤怠管理システムの機能と選び方](https://www.issoh.co.jp/column/details/15081/)を先に押さえて打刻から給与までのデータの流れを設計したうえで、年末調整をその一部として位置づけると、システム間の手入力が残りません。年末調整だけを急いで電子化する判断は、12月の繁忙が差し迫っている場合の応急処置と割り切り、翌年度に範囲を広げる計画とセットにするのが本記事の推奨です。

## よくある質問

年末調整の電子化について、検索の多い質問に担当者の実務目線で答えます。

### 年末調整の電子化はいつから始まった制度ですか？

2020年10月から、住宅借入金等特別控除申告書や生命保険料控除証明書なども含めて、年末調整の申告書一式をデータのまま勤務先へ提出できる制度が始まりました。扶養控除等申告書などは2007年7月からデータ提出の道がありましたが、書面が残る書類があったため、申告書一式がそろったのは2020年10月です。2021年4月には税務署長への事前承認申請が廃止され、社内の準備が整えばどの年からでも移行できます（2026年9月時点）。

### 年末調整の電子化の義務化はいつからですか？中小企業も対象になりますか？

従業員から申告書をデータで受け取る電子化自体は、企業規模を問わず義務ではなく、義務化の予定も示されていません。義務がかかるのは税務署へ提出する法定調書の側で、前々年の提出枚数が種類ごとに100枚以上ならe-Tax等での提出が必要です。この基準は2027年1月提出分から30枚以上へ下がります。源泉徴収票の枚数は改正前の提出範囲（年末調整済みの一般従業員は給与500万円超など）で数えるため、従業員数だけでは決まりません。支払調書を含め、種類ごとに2025年の枚数を確認してください。

### マイナンバーカードを持っていない従業員がいても電子化できますか？

できます。マイナポータル連携は控除証明書を一括取得するための手段の1つであり、電子化の必須条件ではありません。カードを持たない従業員は、保険会社のWebサイトから電子的控除証明書のデータを個別にダウンロードして読み込む方法か、従来どおり紙の証明書で提出する方法を選べます。全員がカードを持つまで導入を待つ必要はありません。

### 令和8年分の年調ソフトはいつから使えますか？無料ですか？

国税庁は2026年8月7日に令和8年分の試作版を公開しており、正式版は2026年10月に公開予定としています（2026年9月30日時点）。費用はかからず、パソコンとスマートフォンの両方で使えます。試作版はマイナポータルからの証明書取得に対応していないため、従業員へは正式版で案内してください。守備範囲は従業員の申告書作成までで、提出データの進捗管理や、控除額を反映した給与計算・源泉徴収票の作成は、自社の給与システム側で処理する必要があります。

### 紙の申告書とデータ提出が混在しても問題ありませんか？

問題ありません。従業員ごとに紙とデータのどちらで提出しても制度上は差し支えなく、実務では初年度を併用で始める企業が多数派です。ただし併用期間中は担当者側で二重管理が発生します。併用は移行期の経過措置と割り切り、2年目以降にデータ提出へ寄せる計画を先に決めておくと、負担の残る期間を短くできます。

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出典: [年末調整の電子化はいつから？義務化の範囲と2027年の変更点・進め方を解説](<https://www.issoh.co.jp/column/details/15326/>)（株式会社一創）
