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title: "IPO監査とは？上場申請に必要な監査証明の要件・N-2期からの日程・監査法人の選び方"
url: "https://www.issoh.co.jp/column/details/12468/"
published: 2026-06-12
updated: 2026-10-11
categories: ["IPO"]
publisher: "株式会社一創"
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# IPO監査とは？上場申請に必要な監査証明の要件・N-2期からの日程・監査法人の選び方

IPO監査は、上場申請書類に載せる直前2期の財務諸表について、監査法人から金融商品取引法に準ずる監査を受けることです。東証の形式要件では、直前々期は「除外事項を付した限定付適正意見」でも申請できますが、直前期は原則として「無限定適正意見」が必要です。例外の適用条件は、申請時点の規程・ガイドブックで確認します。監査対象期間はN-2期（申請期の2期前）の期首から始まるため、監査法人は期首前に確保する計画が基本です。ただし、期首後の契約でも監査を受けられる場合があります。

この記事では、東証の新規上場ガイドブック、日本公認会計士協会（JICPA）の事前準備ガイドブック2026年版、金融庁の連絡協議会報告書をもとに、要件・日程・監査法人の選び方・報酬の確かめ方を整理します。上場準備全体の流れは[IPO・上場準備の進め方とは？N-3期からの全体像と名証・福証への上場ルートを2026年最新で解説](/column/details/13439/)で扱っています。

## まとめ：IPO監査で押さえる要点

- 対象は「新規上場申請のための有価証券報告書」に載る直前2期の財務諸表。監査は金融商品取引法第193条の2に準ずる監査（準金商法監査）として行う。
- 監査意見の要件は、直前々期が「無限定適正」か「除外事項を付した限定付適正」、直前期（最近1年間）が原則として「無限定適正」。直前々期の期首後に契約して期首残高が検証できない場合の限定付適正は、申請可能と明記されている。
- 監査人は上場会社等監査人名簿に登録され、JICPAの品質管理レビューを受けた監査法人等に限られる（2023年4月1日以降は名簿登録が必須）。
- N-2期に入ってからの依頼（遡及監査）は難しい。ショートレビューはN-3期以前に受け、課題を潰してからN-2期の期首を迎える。
- JICPAの2025年調査では、受嘱時に最も重視する点として業績（中期経営計画を含む）が43%を占めた。体制の不備だけでなく、成長の説明が弱い会社も断られやすい。
- 報酬の見積方法には、執務時間×単価のタイムチャージ方式や、基本報酬に執務報酬を加える方式などがある。上場直後の同業・同規模企業の有価証券報告書「監査報酬の内容等」で実額を確かめる。

## IPO監査（準金商法監査）の定義と東証の形式要件

上場前でも有価証券報告書等の提出義務があり、金融商品取引法第193条の2に基づく監査証明を受ける会社はあります。ここでは、まだその義務がない上場準備会社を想定します。それでも取引所は、上場申請書類の財務諸表について同条に「準ずる」監査を受けることを形式要件にしています。このためIPO監査は「準金商法監査」とも呼ばれます。

### 監査意見の要件：直前々期と直前期で求められる水準

グロース市場の形式要件（有価証券上場規程第217条第5号）は、監査報告書の記載を期間で分けて定めています。東証の[新規上場ガイドブック（グロース市場編）](https://www.jpx.co.jp/equities/listing-on-tse/new/guide-new/02.html)の表を整理すると次のとおりです。

| 対象期間           | 必要な監査意見                     |
| -------------- | --------------------------- |
| 直前々期（最近1年間より前） | 無限定適正 または 限定付適正             |
| 直前期（最近1年間）     | 無限定適正（原則）                   |
| 中間・期中レビュー      | 有用な情報を表示している旨の意見 または 無限定の結論 |

直前々期に限定付適正が許される理由は、ガイドブックの注記に書かれています。「直前々期の期首後に監査契約を締結して監査を実施したために、期首残高の妥当性の検証が困難であることや、必要な監査時間が確保できないこと」で限定付適正になった場合でも申請できる、という扱いです。逆に直前期で無限定適正が要るのは、基準事業年度までに監査法人の指導で会計上の問題点をすべて解消している必要があるためだと説明されています。

無限定適正でも、継続企業の前提に関する重要な不確実性が監査報告書に記載されていれば、上場承認までにその記載がなくなることが原則として求められます。赤字が続くスタートアップは、監査意見の区分だけでなくこの注記の有無も確認しておくべきです。

### 登録上場会社等監査人と品質管理レビューの条件

監査をする側にも条件があります。規程第217条第6号は、申請書類の財務諸表等について「登録上場会社等監査人（日本公認会計士協会の品質管理レビューを受けた者に限る。）」による監査を受けていることを求めています。2023年4月1日以降は、上場会社等の監査を行う監査法人・公認会計士は上場会社等監査人名簿への登録が必要で、JICPAによると[2025年7月1日時点の登録上場会社等監査人は127事務所](https://jicpa.or.jp/news/information/2025/20250703dge.html)です。

東証はさらに、品質管理レビューのうち通常レビューを受けた者であることと、監査法人か複数の公認会計士による共同監査であることを求めています。個人の公認会計士1人に依頼する形は、この要件を満たしません。候補の監査法人が名簿に載っているかは、JICPAの「登録上場会社等監査人情報」で確認できます。

## 会社法監査・内部統制監査との違い

IPO監査と混同されやすい監査が2つあります。会社法の会計監査人監査と、上場後に始まる内部統制監査です。対象・時期・宛先が違うため、どれが自社にいつ掛かるかを分けて把握します。

| 項目   | IPO監査       | 会社法監査           | 内部統制監査       |
| ---- | ----------- | --------------- | ------------ |
| 根拠   | 取引所規則       | 会社法328条         | 金商法193条の2第2項 |
| 対象会社 | 上場申請会社      | 大会社など           | 上場会社         |
| 対象   | 財務諸表・連結財務諸表 | 計算書類・附属明細書      | 内部統制報告書      |
| 開始時期 | N-2期の期首     | 大会社判定後の監査対象事業年度 | 上場後（免除あり）    |

### 大会社の判定基準と会計監査人の設置義務

[会社法](https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086)第2条第6号の大会社は、最終事業年度の貸借対照表で資本金5億円以上、または負債の部の合計額200億円以上の株式会社です。大会社は第328条で会計監査人の設置が義務になります。上場準備中に増資しても、原則として増資時点で直ちに大会社になるわけではありません。増資を反映した決算が定時株主総会で承認されるなどして最終事業年度となった時点で判定します。実務では同じ監査法人が会社法監査とIPO監査をまとめて受けるのが通常で、契約時に範囲を一本化しておきます。会計監査人の選任手続や任期は[会計監査人とは？設置義務・監査役との違いから選任・任期・2024年登録制度まで会社法で解説](/column/details/12769/)で詳しく扱っています。

### 内部統制報告書の提出時期と監査免除の適用条件

上場会社は内部統制報告書を提出し、その監査（内部統制監査）を受けます。新規上場会社は、上場日の属する事業年度の直前事業年度の連結貸借対照表（連結財務諸表を作成しない場合は貸借対照表）で、資本金100億円未満かつ負債総額1,000億円未満であれば、上場後3年間は内部統制報告書の監査が免除されます（金融商品取引法第193条の2第2項第4号）。免除されるのは監査だけで、報告書自体は上場初年度から提出が必要です。評価範囲の決定や文書化はN-1期までに進めておかないと、上場後の初回報告に間に合いません。制度の全体像は[J-SOX（内部統制報告制度）とは？対象企業・3点セット・罰則と2023年改訂後の実務を解説](/column/details/13436/)を参照してください。

### 2024年4月の四半期報告書廃止で変わった点

金融商品取引法の改正で四半期報告書が廃止され、関係する政令・内閣府令は[2024年4月1日から施行](https://www.fsa.go.jp/news/r5/sonota/20240327/20240327.html)されました。上場会社は上半期の終了後に半期報告書を提出し、原則として期中レビューを受けます。ただし、銀行・保険会社等の特定事業会社には中間監査が求められます。第1・第3四半期は取引所規則の四半期決算短信に一本化され、監査人のレビューは原則任意です。上場申請書類で「中間監査報告書又は期中レビュー報告書」が求められるのはこの制度に合わせたもので、旧来の「上場後は四半期レビューが加わる」という説明は現在は当てはまりません。

## N-3期からの監査スケジュールと期首残高

JICPAの[株式新規上場（IPO）のための事前準備ガイドブック](https://jicpa.or.jp/news/information/IPO-Guidebook2026.pdf)（2026年版）が示す標準スケジュールを、監査の観点で並べると次のようになります。

| 期          | 監査まわりの作業              |
| ---------- | --------------------- |
| N-3期以前     | ショートレビュー・課題改善・監査法人の確保 |
| N-2期（直前々期） | 期首から準金商法監査・棚卸立会       |
| N-1期（直前期）  | 無限定適正を得る・内部統制の運用      |
| N期（申請期）    | 中間・期中レビュー・申請          |

### N-2期期首前の契約を勧める理由と期首残高の確認

監査人は、期首の残高が正しいことを確かめないと、その期の損益が正しいとは言えません。棚卸資産が重要な場合は実地棚卸への立会が原則ですが、期首に立ち会えなくても、当年度の立会結果から期首数量へ遡る手続などで監査証拠を得られる場合があります。直前々期の限定付適正が許容されているのはこの事情を織り込んだものですが、限定付きで済むのは直前々期だけです。ガイドブックは、決算体制や内部管理体制などの一定水準の内部統制を「直前々期の期首までに」整備しておく必要があるとしています。

### N-2期に入ってからでも遡及監査ができる条件

JICPAのガイドブックは、監査対象期間に入ってからの依頼（遡及監査）は難しい場合が多いとしつつ、一定の条件が整えば可能な場合もあると書いています。挙げられている例は次の3つです。

- IPOの重要な課題が、会計監査の導入前にすでに解決されている
- 在庫の実地棚卸だけは監査法人が立会を済ませている
- 上場会社の子会社や事業部門のスピンオフで、従前から監査法人が監査対象にしていた

これらは遡及監査が可能な場合の例示であり、該当しないだけで延期が決まるわけではありません。まず監査法人に証拠の入手可能性と受嘱可否を確認し、難しい場合に申請期を見直します。遡及監査の受嘱見通しを確認せずに日程を据え置くと、契約に至らなかった場合に上場計画や予算の見直しが必要になります。

## ショートレビューから監査契約までの手順

ショートレビューは、監査法人やアドバイザーがIPOに向けた課題を抽出する調査です。予備調査・短期調査・制度調査・クイックレビューなど呼称は様々で、会計面に絞るか内部管理体制まで広げるかも依頼先によって異なります。監査法人が行う場合は監査ではなく非監査証明業務の扱いで、モニタリングレポートは同じ区分のIPO支援業務として経営管理体制構築支援・内部統制構築支援・決算早期化支援・上場申請書類の作成支援を挙げています。結果は課題一覧の報告書として受け取り、それを改善計画に落とします。

### 初回のショートレビューで指摘されやすい事項

JICPAのガイドブックは、初めてショートレビューや会計監査を受ける会社にありがちな指摘を例示しています。主な項目は次のとおりです。

| 項目        | 確認されること              |
| --------- | -------------------- |
| 会計データ・証憑  | 仕訳の根拠資料が網羅的に保管されているか |
| 発生主義・収益認識 | 現金主義の処理を発生主義に直せるか    |
| 棚卸資産管理    | 実地棚卸と受払記録が正確か        |
| 原価計算      | 原価計算の体制があるか          |
| 資産・負債の管理  | 固定資産の実在・不明残高の有無      |
| 連結決算      | 連結範囲と子会社の決算体制        |

法人税法ベースで決算を組んできた会社は、収益認識会計基準・減損会計・引当金の見積りで根拠資料を新たに作ることになります。ガイドブックの例では、実地棚卸のマニュアルがなく拠点ごとにやり方が違った会社で、本社が初めて立ち会ったところ帳簿在庫と実在庫が全く合わなかったケースが紹介されています。経理の統制が弱い場合の優先順位は[経理の内部統制はなぜ必要？不正・粉飾を防ぐ目的と規模別に整える優先順位](/column/details/12768/)で整理しています。

### アドバイザリー契約から監査契約への切替えと独立性

ショートレビューを監査予定の監査法人に頼むと、課題の見立てがそのまま監査に引き継がれる利点があります。一方で、監査契約を結ぶと監査法人には独立性が求められ、アドバイザリー業務の提供に制限が掛かります。監査契約と並行して同じ法人から改善の助言を受けられない場合があるため、ガイドブックは別途アドバイザーの登用も検討するよう勧めています。規程類の作成や業務フローの設計まで外部に頼る予定があるなら、監査法人とは別の支援先をN-2期の前に決めておきます。承認ワークフローや会計システムの側から統制を組み直す場合は、[IPO準備・内部統制システム支援](/service/business%5Fsystem/ipo/)のような開発会社に、監査法人の指摘一覧を渡して要件を詰める進め方もあります。

## 監査法人の選び方と「監査難民」への備え

IPO監査は「頼めば受けてもらえる」業務ではありません。監査法人側の人員と工数に限りがあり、受嘱するかどうかを審査されます。ここでは、受嘱判断の実データと、契約できない構造要因を一次資料で確認します。監査法人という組織そのものの定義や設立要件は[監査法人とは？公認会計士法の定義・設立要件と監査を受ける会社の準備を解説](/column/details/17989/)を参照してください。

### 監査法人が受嘱で重視する点（JICPA 2025年アンケート）

JICPAは2025年4月4日〜18日に、2024年IPO企業の83%（71社）を監査した上位9監査法人のショートレビュー実施者にアンケートを取っています。結果はガイドブック2026年版に収録されています。自由記述はキーワードで再分類され、複数回答は該当する全項目に集計されています。

| 受嘱時に最も重視する点  | 割合  |
| ------------ | --- |
| 業績（中期経営計画含む） | 43% |
| 成長性・将来性      | 22% |
| 内部管理体制       | 14% |
| 業種・業界等       | 7%  |
| 事業内容の社会的意義   | 7%  |
| 自社の受嘱方針との一致  | 7%  |

今後の受嘱姿勢は「より積極的に取り組んでいく」が69%、「従来通り」が31%でした。CFO・管理部長の適切な就任時期は「ショートレビュー実施前」が69%です。内部管理体制より業績と成長性が上に来ている点は見落とされがちで、監査法人に会う前に事業計画の根拠を固めておく必要があります。審査で見られる事業計画の作り方は[IPOの事業計画書とは？上場審査で問われる「事業計画の合理性」と提出書類・作り方](/column/details/12406/)で解説しています。

### 大手・準大手・中小監査事務所の選び分け

金融庁の[「株式新規上場（IPO）に係る監査事務所の選任等に関する連絡協議会」報告書](https://www.fsa.go.jp/singi/kansaninkyougikai/houkoku/20200325/01.pdf)（2020年3月）の時点では、上場直前期の準金商法監査に占める大手監査法人のシェアは件数ベースで概ね8割超でした。その後、担い手は広がっています。公認会計士・監査審査会の[令和8年版モニタリングレポート](https://www.fsa.go.jp/cpaaob/shinsakensa/kouhyou/20260717/2026%5Fmonitoring%5Freport.pdf)によると、2025年1〜12月の新規上場国内会社66社（TOKYO PRO Market等を除く）の監査事務所の規模別シェアは次のとおりです。

| 監査事務所の規模 | 2024年 | 2025年 |
| -------- | ----- | ----- |
| 大手監査法人   | 49%   | 46%   |
| 準大手監査法人  | 27%   | 18%   |
| 中小監査法人   | 24%   | 36%   |

同レポートでは、報告徴収の対象となった中小監査法人44法人のうち59%が、IPO準備会社に監査証明業務か非監査証明業務を提供していると回答しています。

海外子会社の重要性が高い会社は、現地監査人との連携体制を優先して確認します。時価総額や監査法人の規模だけで決めず、同業種の監査経験、担当チーム、対応可能な工数を比較します。国内中心で連結子会社が少ない会社は、中小監査事務所も現実的な選択肢になります。JICPAは報告書を受けて[IPOを目指す企業の監査の担い手となる中小監査事務所リスト](https://jicpa.or.jp/business/ipokansa/list.html)を公開しており、各事務所のIPOへの取組と上場会社等監査人の登録情報を並べて確認できます。ただし主幹事証券会社が監査人の経験を重視することもあるため、中小を選ぶ場合は証券会社とも早めにすり合わせます。

### 契約を断られる構造要因と断られたときの手順

連絡協議会報告書は、監査を受けられない企業が出る背景として、2015年頃の不適切取引や会計不正を受けた監査手続の厳格化による工数の増加と、働き方改革や公認会計士のスタートアップへの転籍による人員確保の難しさを挙げています。ショートレビューを受けた後、相当期間が経ってから内部管理体制の整備の遅れなどを理由に監査契約を断られ、上場スケジュールが大幅に後ろ倒しになった事例も記載されています。

断られたときは、まず理由を監査法人から聞き取ります。報告書は大手監査法人に、受嘱しない場合はその理由を企業に説明し適切にフォローアップするよう求めています。理由が体制の不備なら改善計画を示して再依頼し、業績や成長性が理由なら事業計画を作り直します。いずれでもない場合（人員の都合など）は、アドバイザーや主幹事証券会社と相談して別の監査法人を当たります。理由を聞かずに次の法人へ移ると、同じ理由で断られ続けます。

## IPO監査の費用の決まり方と相場の確かめ方

IPO準備会社の監査報酬やショートレビュー費用は、業務範囲や会社の状況によって異なるため、個別の見積りと開示事例を照合して予算を検討します。見積りの決まり方は公表されています。令和8年版モニタリングレポートによると、JICPAの「監査報酬算定のためのガイドライン」が示す見積方法は、執務時間に職階ごとの単価（チャージレート）を掛ける「タイムチャージ方式」と、監査の種類や会社規模で決まる固定額に執務時間分を足す「基本報酬＋執務報酬方式」の2つです。大手監査法人は全てタイムチャージ方式を採用しています。報酬は監査時間だけでなく、担当者の職階や業務の難易度に応じた単価、採用する算定方式でも変わります。工数には売上規模・拠点数・連結子会社数・業種固有の会計論点・内部統制の整備水準が影響します。

### 工数を押し上げる要因と抑えられる部分

工数が膨らむのは、証憑が揃っていない、見積り項目の根拠資料がない、月次決算が締まらないなど、監査人が自分で確かめる手続を増やさざるを得ない場合です。連結子会社や海外拠点が多いと、往査と他の監査人との連携の分だけ工数が増えます。反対に、決算の締めが早く証憑が電子で揃っている会社は、同じ規模でも監査時間を抑えやすくなります。報酬を値切って工数を減らそうとするのは逆効果です。JICPAの倫理規則は、正当な根拠に基づかない低廉な報酬見積額の提示は基準に従った業務の実施を難しくするとしており、値下げ交渉が受嘱を見送る理由になり得ます。

### 上場直後の企業の有価証券報告書による監査報酬の確認

上場会社は有価証券報告書の「コーポレート・ガバナンスの状況等」にある「監査の状況」で、監査公認会計士等に支払った監査報酬と非監査報酬を最近2連結会計年度分開示しています。EDINETで同業・同規模の新規上場企業を3〜5社選び、上場前の年度が比較対象に含まれる有価証券報告書や有価証券届出書を確認します。金額は監査対象年度、連結範囲、監査・レビューの業務範囲をそろえて比較します。非監査報酬の欄にはショートレビューやアドバイザリーの対価が入っていることもあるため、内訳の注記まで読みます。

## よくある質問

### IPO監査は何期分受ける必要がありますか？

上場申請書類に載る直前2期分（直前々期と直前期）です。加えて申請期には、中間監査報告書または期中レビュー報告書が添付されることがあります。監査対象期間はN-2期の期首から始まるため、期首前の契約を目指します。期首後に依頼する場合は、必要な監査証拠を入手できるか監査法人に確認します。

### 上場準備で受ける監査の意見は無限定適正でなければいけませんか？

直前期（最近1年間）は原則として無限定適正意見が必要です（継続企業の前提や比較情報のみを理由とする場合などの例外があります）。直前々期は、除外事項を付した限定付適正意見でも申請できます。期首後に契約して期首残高が検証できなかった場合の限定付適正は、東証のガイドブックで申請可能と明記されています。

### ショートレビューと監査は何が違いますか？

ショートレビューはIPOに向けた課題を抽出する調査で、監査意見は出ません。監査はN-2期以降の財務諸表について適正かどうかの意見を表明するものです。ショートレビューを監査予定の監査法人に頼んだ場合でも、監査契約後は独立性の制約でアドバイスが受けられない範囲があります。

### 個人の公認会計士にIPO監査を頼めますか？

東証は、品質管理レビュー（通常レビュー）を受けた登録上場会社等監査人による監査であり、監査法人か複数の公認会計士による共同監査であることを求めています。個人の公認会計士1人での監査は要件を満たしません。

### 上場すると内部統制監査もすぐに必要になりますか？

上場前年度の連結貸借対照表（連結財務諸表を作成しない場合は貸借対照表）で資本金100億円未満かつ負債総額1,000億円未満の新規上場会社は、上場後3年間は内部統制報告書の監査が免除されます。ただし内部統制報告書の提出自体は上場初年度から必要です。

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出典: [IPO監査とは？上場申請に必要な監査証明の要件・N-2期からの日程・監査法人の選び方](<https://www.issoh.co.jp/column/details/12468/>)（株式会社一創）
