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title: "原価計算における人件費の扱い方｜原価に入る範囲・賃率の計算・売上原価への流れ"
url: "https://www.issoh.co.jp/column/details/11219/"
published: 2026-03-05
updated: 2026-10-20
categories: ["会計"]
publisher: "株式会社一創"
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# 原価計算における人件費の扱い方｜原価に入る範囲・賃率の計算・売上原価への流れ

原価計算の人件費と給与台帳の金額が合わないときは、製造原価と販管費の区分、集計期間、在庫に含まれる労務費を確認します。同じ給与でも、製造ラインで働く人の分は製品の原価になり、経理や営業の分は販売費及び一般管理費としてその期の費用になります。しかも原価になった人件費は、製品が売れるまで在庫の価額として貸借対照表に残ります。この記事では、企業会計審議会が昭和37年に定めた原価計算基準の条文に沿って、原価に入る範囲の判定、部署ごとの計上先、賃率と工数による計算、売上原価への流れ、差異の分析までを順に確認します。

## まとめ｜原価に入る人件費の判定と計算の要点

人件費のうち製造原価になるのは、製品の製造に関わる労働の対価です。原価計算基準はこの部分を**労務費**と呼び、賃金・給料・雑給・従業員賞与手当・退職給与引当金繰入額・福利費の6費目に分けています（[原価計算基準](https://www.asb-j.jp/jp/accounting%5Fstandards%5Fsystem/details.html?topics%5Fid=156)八(一)）。サービス業でも、サービス提供に関わる人件費を同じ考え方で原価に集計します。営業・経理・人事など販売・全社管理に関わる人件費は、製造原価には含めず、販売費及び一般管理費という期間原価としてその期の費用になります。

- **判定は3段階**：製造に関わる労働か（労務費か販管費か）→特定の製品に直接結びつくか（直接労務費か間接労務費か）→異常な原因による支出ではないか（臨時多額の退職手当は非原価項目）。
- **直接労務費は直接賃金だけ**：基準一〇の分類例では、直接労務費は直接賃金のみで、給料・賞与手当・退職給与引当金繰入額・健康保険料負担金などの福利費は間接労務費に置かれています。
- **計算は時間×賃率**：直接労務費は実際の作業時間に賃率を掛けて求めます（基準一二(一)）。間接労務費は製造間接費として配賦します。
- **原価になった人件費は在庫を経由する**：当期の労務費のうち、期末の仕掛品・製品に残った分は売上原価にならず、翌期以降に売れた時点で費用になります。
- **差異は2つに分ける**：標準原価計算では、直接労務費の差異を賃率差異と作業時間差異に分解します（基準四六(三)）。

## 原価計算で人件費を原価に入れるかの判定基準

### 原価になる人件費とならない人件費を分ける3段階の判定

本記事では、人件費を従業員と役員に関する給与・報酬や会社負担の保険料などの総称として使います。人件費に何が含まれ、会社がいくら負担しているかは[人件費とは？含まれるもの・内訳と勘定科目、固定費か変動費か、令和8年度の会社負担額と集計の仕組み【2026年版】](/column/details/17954/)で整理しています。原価計算で問われるのは、そのうちどこまでを製品の原価に入れるかです。

第1段階は経営目的との関連です。基準三(三)は、原価を「財貨の生産、販売に関して消費された経済価値であり、経営目的に関連しない価値の消費を含まない」と定めています。第2段階は製品との関連で、基準八(三)は原価の発生が一定単位の製品の生成に関して直接的に認識されるかどうかで直接費と間接費を分けます。第3段階は正常性で、基準三(四)は原価を正常な状態のもとでの価値の消費とし、異常な状態を原因とする価値の減少を含めません。

第3段階で外れる人件費の代表が、基準五(二)7の臨時多額の退職手当です。希望退職の割増金を製品原価に乗せると、その月に作った製品だけが不自然に高くなります。金額の大小ではなく、異常な原因による支出かどうかで判断してください。労務費と人件費の言葉の違い、建設業や労災保険で労務費の意味が変わる点は[労務費と人件費の違いとは？範囲・計上先・内訳の比較と、会計システムでの科目設計【2026年版】](/column/details/18604/)で比較しています。

### 労務費の6費目と、直接労務費・間接労務費への振り分け

基準八(一)の6費目が、基準一〇の分類例でどちらに置かれているかを並べると、直接労務費に入るのは直接賃金だけだと分かります。

| 費目（基準八(一)）     | 基準一〇の分類例                    |
| -------------- | --------------------------- |
| 賃金（基本給・割増賃金）   | 直接賃金→直接労務費／間接作業・手待・休業→間接労務費 |
| 給料             | 間接労務費                       |
| 雑給             | 分類例に記載なし（作業内容で判断）           |
| 従業員賞与手当        | 間接労務費                       |
| 退職給与引当金繰入額     | 間接労務費                       |
| 福利費（健康保険料負担金等） | 間接労務費                       |
| 福利施設負担額・厚生費    | 労務費ではなく間接経費                 |
| 外注加工賃          | 労務費ではなく直接経費                 |

残業代は独立した費目ではありません。基準八(一)1が賃金を「基本給のほか割増賃金を含む」と定義しているため、直接作業の時間外分は直接賃金、段取りや運搬など間接作業の時間外分は間接作業賃金です。同じ作業者でも、直接作業に従事した時間の賃金は直接労務費、手待時間の賃金は間接労務費になります。時間の切り分け方は[間接工数とは？直接工数との違い・区分の判断基準と直工率の計算方法【計算例つき】](/column/details/11002/)で扱っています。

加工費と人件費の違いもここで説明できます。基準八(三)は「必要ある場合には、直接労務費と製造間接費とを合わせ、又は直接材料費以外の原価要素を総括して、これを加工費として分類することができる」と定めています。加工費は人件費の別名ではなく、直接労務費と製造間接費の合計、または直接経費も含む直接材料費以外の原価要素の合計です。

派遣料金の扱いは基準に書かれていません。基準の全文に「派遣」の語は出てこないためです（基準は昭和37年、労働者派遣法は昭和60年の制定です）。派遣料金は派遣元に支払う役務の対価で、自社が従業員に支払う賃金ではないため、実務では労務費と分けて経費（派遣料）として処理するのが一般的です。どちらの区分にしても、製造に従事する派遣社員の分は製造原価に集計します。労務費の欄に混ぜると、一人当たり労務費や内製と外注の比較単価がずれるので、科目を分けておくのが無難です。

### 部署・役割別にみる人件費の計上先

製造業の会社で、部署ごとに人件費がどこへ行くかを整理します。

| 部署・役割             | 計上先                  | 根拠        |
| ----------------- | -------------------- | --------- |
| 製造ラインの作業者（直接作業時間） | 直接労務費                | 基準一〇      |
| 同じ作業者の手待・段取・運搬の時間 | 間接労務費                | 基準一〇      |
| 職長・生産管理・品質管理・工場事務 | 間接労務費（給料）            | 基準一〇      |
| 営業・出荷・販売事務        | 販売費                  | 基準三七(二)   |
| 経理・人事・総務・役員室      | 一般管理費                | 基準三七(二)   |
| 研究開発部門            | 研究開発費（一般管理費又は当期製造費用） | 研究開発費会計基準 |
| 製造と管理の兼務者         | 工数比で按分               | 工数記録      |

迷いやすいのは研究開発部門です。研究開発に従事する人の人件費は、[研究開発費等に係る会計基準](https://www.asb-j.jp/jp/accounting%5Fstandards%5Fsystem/details.html?topics%5Fid=82)により発生時に費用として処理し、その方法は一般管理費として処理するか当期製造費用として処理するかのいずれかです。製品原価に積み上げて在庫に残すことはできません。基準三七(二)も販売費及び一般管理費の機能別分類の例に技術研究費を挙げています。

兼務者は部署で丸ごと寄せず、工数比で按分します。工数記録がない場合も全額を販管費にはせず、作業日報や勤務予定、担当業務の実績などから合理的な按分根拠を整え、製造に関わる分を区分します。受託開発やサービス業では、案件に工数を投入した人の人件費が売上原価、管理部門の人件費が販管費という同じ軸になります。IT企業に特有の論点は[IT企業の原価計算｜人件費は原価か販管費か・工数×賃率・システム開発の原価率](/column/details/11173/)で詳しく扱っています。

## 人件費が製造原価から棚卸資産・売上原価へ流れる仕組み

### 製品原価と期間原価、当期の費用にならない人件費

原価になった人件費と販管費になった人件費は、損益計算書に出るタイミングが違います。基準四(二)は「通常、売上品およびたな卸資産の価額を構成する全部の製造原価を製品原価とし、販売費および一般管理費は、これを期間原価とする」と定めています。販管費の人件費はその期にすべて費用になりますが、労務費は製品原価としていったん仕掛品・製品に集計され、売れた分だけが売上原価になります。

数値で確かめます。ある期に材料費3,000万円・労務費1,200万円・経費800万円、計5,000万円の製造原価が発生し、期首在庫はゼロ、そのうち20%にあたる1,000万円が期末の仕掛品・製品として残ったとします。在庫に残った原価の構成比が当期製造費用と同じなら、在庫には労務費240万円が含まれ、売上原価に入る労務費は960万円です。この240万円は当期の損益計算書には出ず、翌期に製品が売れた時点で売上原価になります。

ここから実務上の注意が2つ出てきます。1つは、作りすぎて在庫が増えた期は、人件費の一部が資産に回るので利益が見かけ上増えることです。もう1つは、人件費の総額と損益計算書の人件費関連の数字が一致しないことです。期末在庫に含まれる労務費の分だけ差が出るので、給与台帳と損益計算書を突き合わせるときは在庫の増減を調整してください。

### 損益計算書と製造原価明細書での表示

損益計算書では、労務費は売上原価の中に、販管費の人件費は「給料手当」「法定福利費」などの科目で販売費及び一般管理費に表示されます。当期製品製造原価の内訳を示すのが製造原価明細書で、[財務諸表等規則](https://laws.e-gov.go.jp/law/338M50000040059)第75条第2項は当期製品製造原価の内訳を記載した明細書を損益計算書に添付するよう定めています。ただし、連結財務諸表でセグメント情報を注記している会社は添付を省略できます（同項ただし書）。製造原価明細書には当期の材料費・労務費・経費が並ぶので、自社の労務費が製造原価のどれだけを占めるかはここから読めます。

法定福利費や賞与を全額販管費に計上すると、製造部門に対応する分まで製造原価から外れます。製品の原価はその分だけ低く出て、売上原価率も実態より良く見えます。製造部門の分は製造原価（間接労務費）に振り替えるのが基準どおりの処理です。

## 人件費を原価に落とす計算手順｜賃率と工数の集計

### 賃率の3方式と、予定平均賃率を選ぶ条件

基準一二(一)は「直接賃金等であって、作業時間又は作業量の測定を行なう労務費は、実際の作業時間又は作業量に賃率を乗じて計算する」と定め、賃率として実際の個別賃率、職場もしくは作業区分ごとの平均賃率、必要ある場合の予定平均賃率を認めています。

個別賃率は担当者ごとの賃金差を反映するため、製品間の原価差には作業時間だけでなく担当者の賃率差も混ざります。月次で原価を締める中小の製造現場なら、作業区分ごとの予定平均賃率が現実的です。予定賃率と実際発生額の差は基準四五(四)の賃率差異になり、基準四七(一)1により原則として当年度の売上原価に賦課します。予定賃率の設定が不適当で比較的多額の差異が出た場合は、四七(一)3により売上原価と期末の棚卸資産に配賦します。

間接工賃金・給料・賞与手当は、基準一二(二)により「原則として当該原価計算期間の負担に属する要支払額」で計算します。支払日ではなく、その期間に発生した支払義務の額です。給与の締日と月末がずれている会社は、未払賃金の見越計上が要ります。賞与と退職給付も支給月に集中させず、月割りで引き当てて平準化してください。

### 法定福利費を含めた時間単価の計算例（令和8年度の料率）

基準どおりに計算すると、直接賃率は直接賃金だけで作り、法定福利費は間接労務費として製造間接費に入れて配賦します。ただ、見積や案件の採算を見るときは、1時間あたりいくらの人件費がかかっているか（時間単価）を給与と会社負担の合計で出すほうが判断しやすくなります。令和8年度の会社負担分を、東京都の協会けんぽ加入・食料品製造業・40歳未満の従業員という条件で積み上げます。

| 保険等           | 料率         | 会社負担分  | 備考                  |
| ------------- | ---------- | ------ | ------------------- |
| 健康保険（協会けんぽ東京） | 9.85%      | 4.925% | 令和8年3月分から（前年度9.91%） |
| 子ども・子育て支援金    | 0.23%      | 0.115% | 令和8年4月分から全国一律       |
| 厚生年金保険        | 18.300%    | 9.150% | 平成29年9月分から固定        |
| 子ども・子育て拠出金    | 0.36%      | 0.36%  | 全額事業主負担             |
| 雇用保険（一般の事業）   | 13.5/1,000 | 0.85%  | 令和8年4月から            |
| 労災保険（食料品製造業）  | 5.5/1,000  | 0.55%  | 全額事業主負担             |
| 合計            | –          | 15.95% | 40〜64歳は介護保険0.81%を加算 |

健康保険・支援金・介護保険の率は[協会けんぽの令和8年度保険料額表](https://www.kyoukaikenpo.or.jp/about/business/insurance%5Frate/rate%5Fprefectures/r08/)、雇用保険の率は[厚生労働省の令和8年度雇用保険料率の案内](https://www.mhlw.go.jp/content/001692566.pdf)によります。

月給30万円、賞与年2回で計90万円、年間給与総額450万円の作業者を想定します。標準報酬月額を30万円、標準賞与額の年合計を90万円とし、掲載料率を通年適用して端数処理等を省いた概算では、法定福利費の会社負担は450万円×15.95%＝717,750円、給与・賞与との合計は5,217,750円です。年間所定労働時間1,920時間（240日×8時間）のうち直接作業に充てる割合を85%と仮定すると、直接作業時間は1,632時間。時間単価は5,217,750円÷1,632時間＝約3,197円です。

給与だけで割ると4,500,000円÷1,632時間＝約2,757円で、差は1時間あたり440円、1人あたり年間約72万円です。基準どおりに法定福利費を製造間接費に入れて配賦していれば、この差は製品原価のどこかに乗ります。危ないのは、前の章で触れたように法定福利費を全額販管費に計上し、見積の時間単価も給与だけで作っている場合です。このときは年間約72万円が製品の原価にも見積にも入らず、受注するほど粗利が実態より大きく見えます。表計算での組み方は[エクセルで原価計算する方法｜原価率・売上原価の計算式と崩れない表の設計](/column/details/11238/)を参照してください。

### 間接労務費の配賦基準の選び方

集計した間接労務費は、製造間接費として各製品・各部門に割り振ります。個別原価計算では、基準三三(二)が「原則として予定配賦率をもって各指図書に配賦する」と定めています。配賦基準は作業内容との相関で選び、監督業務のように作業者の人数や作業時間に比例するものは直接作業時間、設備の保全のように設備の稼働に伴うものは機械運転時間を使います。売上高や生産金額を基準にすると、単価の高い製品にだけ間接費が寄り、原価が実態からずれます。部門をまたぐ配賦の手順は[部門別原価計算とは？手続3段階と補助部門費の配賦方法を設例で解説](/column/details/11154/)、受注生産で指図書ごとに集める方法は[個別原価計算とは？受注生産の原価集計・仕訳と総合原価計算との違い](/column/details/11220/)で解説しています。

## 標準原価計算の差異分析｜賃率差異と作業時間差異の分け方

標準原価計算を採っている場合、直接労務費の差異は2つに分解します。基準四六(三)は、直接労務費差異を「部門別又は作業種類別に賃率差異と作業時間差異とに分析する」と定め、算定式まで指定しています。

- 賃率差異＝（標準賃率−実際賃率）×実際作業時間
- 作業時間差異＝（標準作業時間−実際作業時間）×標準賃率

分ける理由は責任の所在が違うからです。賃率差異は昇給・残業割増・応援者の投入などで生じます。基本給の決定権限と、残業や人員配置の決定権限を分けて、対応する管理者を確認します。作業時間差異は段取り替えの回数、不良の手直し、設備停止といった能率側の要因で、現場の改善対象です。合算したまま「労務費が予算超過」と報告しても打ち手が決まりません。

標準賃率3,200円・標準作業時間1,500時間に対し、実際賃率3,300円・実際作業時間1,560時間だったとします。賃率差異は（3,200−3,300）×1,560＝−156,000円、作業時間差異は（1,500−1,560）×3,200＝−192,000円で、どちらも不利差異です。合計348,000円の超過のうち55%が能率側にあると分かれば、先に手を付けるのは賃金水準ではなく工程です。なお標準の設定根拠は2つに分かれます。標準直接作業時間は作業研究・時間研究などの科学的・統計的調査で定め、標準賃率は予定賃率又は正常賃率とします（基準四一(二)2・3）。差異の会計処理は基準四七(二)により、異常な状態に基づく作業時間差異等は非原価項目とし、それ以外は実際原価計算制度に準じて処理します。標準原価と差異分析を仕組みとして回す進め方は[製造業の原価管理とは？標準原価と差異分析・BOM連携で製品別原価を掴む進め方](/column/details/16429/)で解説しています。

## 2026年の労務費転嫁と、原価計算で示すべき根拠

原価に占める人件費が増えたとき、賃金や外注先の単価を下げて吸収するという発想は、2026年の制度環境では採りにくくなっています。下請代金支払遅延等防止法は改正により中小受託取引適正化法（取適法）となり、2026年1月1日に施行されました。あわせて内閣官房と公正取引委員会の[労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針](https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/romuhitenka.html)も令和7年12月26日に改正が公表され、令和8年1月1日から適用されています。指針は受注者に対し、労務費の上昇傾向を示す根拠資料として「最低賃金の上昇率、春季労使交渉の妥結額やその上昇率などの公表資料を用いること」を求め、発注者には、受注者が公表資料を用いて提示した希望価格を「合理的な根拠があるものとして尊重すること」を求めています。つまり交渉の入口では、自社の原価計算の詳細を開示しなくても公表資料で足ります。

受注側の実態も数字で出ています。中小企業庁が令和8年6月26日に公表した[価格交渉促進月間（2026年3月）フォローアップ調査](https://www.meti.go.jp/files/000001911.pdf)は、30万社に配布して69,625社が回答（回収率23.2%）したもので、コスト全体の価格転嫁率は54.2%（前回53.5%）、コスト要素別では原材料費55.7%、エネルギー費48.9%、労務費50.0%でした。労務費の上昇分は半分しか価格に反映されていません。2026年9月の月間の調査は、[中小企業庁のフォローアップ調査のページ](https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/follow-up/index.html)（2026年10月5日更新）で回答への協力を呼びかけている段階で、結果はまだ公表されていません。

原価計算がここで担うのは、上がった人件費がどの製品にいくら乗っているかを説明できる状態にすることです。賃率と工数の粒度が粗いと、値上げ交渉で根拠を求められたときに答えられません。逆に、作業区分ごとの賃率と製品ごとの作業時間を記録していれば、賃金改定の前後で製品1個あたりの労務費がいくら変わったかを示せます。工数と賃率を日々集めて製品別の原価に結びつける仕組みを作るなら、[原価管理システム開発](/service/business%5Fsystem/cost-management/)のように工数入力と原価集計を一体で設計する方法もあります。削減を考える場合も、手を付けるのは作業時間差異が示す段取り替え・手直し・手待時間で、賃率ではありません。コスト削減全体の進め方は[コストリダクションとは？コストダウン・コストコントロールとの違いと進め方](/column/details/8396/)にまとめています。

## 原価計算で人件費を誤る5つのパターンと検算の手順

月次の原価集計では、次の5つの誤りを確認します。

- **製造部門の法定福利費・賞与を販管費に計上**：製造原価から抜け落ち、製品原価が低く、売上原価率が良く見えます。前述の試算で法定福利費だけを除外した場合は年間約72万円、賞与90万円も除外した場合は合計約162万円です。
- **在庫に含まれる労務費の見落とし**：給与台帳の製造部門合計と売上原価の労務費が合わないのは、期末在庫の増減によるものかもしれません。差を調べる前に在庫の増減を確認します。
- **派遣費・業務委託費の二重計上**：経費として計上したうえに、工数管理システムで内製の時間単価を掛けて労務費にも積む誤りです。工数の入力区分と会計の費目を突き合わせて検出します。
- **部門間の付け替えが工数記録に残らない**：応援や兼務の実績が振替伝票だけで処理されるケースです。振替額と工数の増減が対応しているかを月次で照合します。
- **非原価項目の混入**：希望退職の割増金や争議による損失を労務費に含める誤りです。基準五(二)が非原価項目として列挙しています。

検算は2本立てで足ります。1本目は、給与台帳の製造部門合計に、製造部門分の法定福利費、未払給与の増減、賞与・退職給付の期間負担額などを調整した金額を、製造原価明細書の労務費合計と突き合わせること。2本目は、直接作業時間の合計に平均賃率を掛けた金額が直接労務費と乖離していないかを見ることです。公的な合格ラインはないので、まず予定賃率との差や期間配分による差を説明し、説明できない差額は工数の入力漏れや賃率設定を確認してください。過去12カ月の乖離幅は、確認の優先順位を付ける補助指標にします。

## よくある質問

### 原価に人件費は含まれないのですか？

製造やサービス提供に関わる人の人件費は原価に含まれます。原価計算基準八(一)は、この部分を労務費として賃金・給料・雑給・従業員賞与手当・退職給与引当金繰入額・福利費の6費目に分けています。製造原価に含まれないのは、販売・全社管理に関わる人件費です。これらは販管費（基準四(二)でいう期間原価）としてその期の費用になります。臨時多額の退職手当のような非原価項目は、製造原価にも販管費にも入れません。

### 人件費は販管費と売上原価のどちらに入りますか？

働く人の業務で決まります。製造部門の人件費は製造原価を経て売上原価に、営業・管理部門の人件費は販売費及び一般管理費に入ります。研究開発部門の人件費は研究開発費として、一般管理費か当期製造費用のどちらかで処理します。製造原価になった人件費のうち期末在庫に残った分は、その期の売上原価には入りません。

### 人件費のざっくりした計算方法はありますか？

会社が負担する人件費は、額面の給与と賞与に約1.16を掛けると概算できます。令和8年度の料率で、東京都の協会けんぽ加入・食料品製造業・40歳未満の従業員なら、会社負担の法定福利費は給与総額の15.95%です。40〜64歳は介護保険料の会社負担0.81%が加わり、業種によって労災保険率と雇用保険率が変わります。原価計算で使う時間単価は、この年間人件費を直接作業時間で割って求めます。

### 原価計算で人件費はどう計算しますか？

直接労務費は、実際の作業時間に賃率を掛けて計算します（基準一二(一)）。賃率は作業者ごとの実際賃率か、作業区分ごとの平均賃率か、予定平均賃率を使います。給料・賞与手当・法定福利費などの間接労務費は、その期間の要支払額を集計し、直接作業時間などの配賦基準で製品に割り振ります。

### 派遣社員や外注の費用は労務費になりますか？

外注加工賃は、基準一〇の分類例で直接経費とされているので労務費ではありません。派遣料金は基準に明文がありませんが、自社が支払う賃金ではなく派遣元への役務の対価なので、実務では経費（派遣料）として労務費と分けて処理するのが一般的です。いずれも製造に従事する分は製造原価に入るので、原価から外れるわけではありません。

## 関連記事

- [労務費と人件費の違いとは？範囲・計上先・内訳の比較と、会計システムでの科目設計【2026年版】](/column/details/18604/)
- [人件費とは？含まれるもの・内訳と勘定科目、固定費か変動費か、令和8年度の会社負担額と集計の仕組み【2026年版】](/column/details/17954/)
- [間接工数とは？直接工数との違い・区分の判断基準と直工率の計算方法【計算例つき】](/column/details/11002/)
- [個別原価計算とは？受注生産の原価集計・仕訳と総合原価計算との違い](/column/details/11220/)
- [製造業の原価管理とは？標準原価と差異分析・BOM連携で製品別原価を掴む進め方](/column/details/16429/)

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出典: [原価計算における人件費の扱い方｜原価に入る範囲・賃率の計算・売上原価への流れ](<https://www.issoh.co.jp/column/details/11219/>)（株式会社一創）
