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title: "ファントムストックとは？仕組み・税金・会計処理とストックオプションとの違い【2026年】"
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published: 2025-12-17
updated: 2026-10-05
categories: ["IPO"]
publisher: "株式会社一創"
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# ファントムストックとは？仕組み・税金・会計処理とストックオプションとの違い【2026年】

ファントムストック（phantom stock）とは、実際の株式を渡す代わりに「仮想の株式」を付与し、一定期間後にその時点の株価や企業価値に応じた金額を現金で支払う報酬制度です。株価連動型金銭報酬、仮想株式とも呼ばれます。株式を発行しないので株主構成は変わらず、非上場企業や株式会社以外の法人でも設計できます。

この記事では、支給額の計算式とSAR型との違いを数字で示したうえで、ストックオプション・譲渡制限付株式・持株会との違い、受け取る人の課税と社会保険料、会社側の損金算入と会計処理、取締役に付与するときの会社法の手続きを整理します。後半では、日本企業が実際にどんな目的でファントムストックを使っているかを各社の開示資料から確認します。

## まとめ：ファントムストックの要点

- **支給額は「仮想株式の数×支給時の株価（評価額）」**。値上がり分だけを払うSAR型にすると、株価が付与時を下回ったときの支給額はゼロになる。
- **株式を発行しないので希薄化も議決権の移動も起きない**。その代わり、株価が上がるほど会社が払う現金が増える。
- **受け取る人は給与所得（賞与）として課税される**。ストックオプションの税制適格のような課税の繰延べは無く、厚生年金では年3回以下の支給なら標準賞与額の対象になる。
- **従業員分は損金に算入できるが、役員分は業績連動給与の要件を満たさないと損金不算入**。同族会社や非上場会社では要件を満たすのが難しい。
- **日本基準には専用の会計基準が無い**。実務では期末ごとに支給見込額を見直して引当金を計上し、IFRSでは現金決済型として負債を毎期再測定する。
- **上場企業の導入目的は、経営陣の中長期の動機づけと、国外居住の役員への株式報酬の代替**。アコムは取締役向けに2023年から運用し、ブラザー工業やマネーフォワードは国外居住の役員向けに使う。三菱地所は2026年度に株価連動型現金報酬を廃止し、株式と金銭を半分ずつ支給するPSUへ移った。

## ファントムストックの仕組みと支給額の計算

### 仮想株式の付与から現金支給までの流れ

制度の流れは次の4段階です。

1. 会社が対象者に仮想株式（ユニット）を付与する。株式ではないので登記も新株予約権の発行も要らない。
2. 勤続年数や業績目標などの権利確定条件（ベスティング）を満たすまで待つ。
3. 権利確定時または行使時の株価（非上場なら社内で定めた評価額）にユニット数を掛けて支給額を計算する。
4. 会社が源泉徴収をしたうえで現金を支給する。

ブラザー工業が2020年に国外居住の外国籍執行役員向けに導入した制度は、この流れの典型です。開示資料によると、権利を行使すると「行使対象のファントムストック数に権利行使日の当社株価を乗じた金額を現金にて」支払い、株式報酬型ストックオプションの払込金額に相当する1株1円などを差し引きます。配当相当額は支払いません。

### フルバリュー型とSAR型の支給額の違い

ファントムストックには、株価そのものを払う「フルバリュー型」と、付与時からの値上がり分だけを払う「SAR型（Stock Appreciation Right、株式増価受益権）」があります。仮想株式1,000ユニット、付与時の株価1,000円として、3年後の株価で支給額を比べると次のとおりです。

| 3年後の株価      | フルバリュー型 | SAR型（値上がり分のみ） |
| ----------- | ------- | ------------- |
| 1,800円（上昇）  | 180万円   | 80万円          |
| 1,000円（横ばい） | 100万円   | 0円            |
| 700円（下落）    | 70万円    | 0円            |

フルバリュー型は株価が下がっても支給額が残るので、報酬としての安定性があり、会社の負担も重くなります。SAR型はストックオプションと同じく値上がりしたときだけ支給があり、株価が伸びない局面では報酬がゼロになります。どちらにするかで制度の性格が変わるため、導入時に最初に決める論点です。

## ストックオプション・譲渡制限付株式・持株会との違い

### 株式を渡す報酬制度との比較

ファントムストックと、株式を渡す主な報酬制度を並べると、違いは「最後に受け取るのが現金か株式か」と、そこから生じる課税・希薄化・会社の資金負担に集約されます。

| 項目       | ファントムストック  | ストックオプション（税制適格） | 譲渡制限付株式（RS）    |
| -------- | ---------- | --------------- | -------------- |
| 受け取るもの   | 現金         | 株式を買う権利         | 株式             |
| 本人の購入資金  | 不要         | 行使時に必要          | 不要             |
| 課税のタイミング | 支給時（給与所得）  | 株式売却時（譲渡所得）     | 譲渡制限の解除時（給与所得） |
| 株式の希薄化   | なし         | 行使時に発生          | 交付時に発生         |
| 会社の現金支出  | あり（支給額の全額） | なし              | なし             |
| 非上場での導入  | 可能         | 可能              | 可能だが換金手段が乏しい   |

ストックオプションの税制適格要件や課税の仕組みは[ストックオプションとは？仕組み・税制適格の要件と税金・会計処理をわかりやすく解説【2026年】](/column/details/9569/)で、RS・RSU・株式交付信託の課税時期と損金算入の比較は[株式報酬とストックオプションの違い｜RS・RSU・株式交付信託の課税時期と損金算入を比較](/column/details/12411/)で詳しく扱っています。

### 従業員持株会との違い

従業員持株会とは、社員が給与や賞与から拠出したお金を会員組織にまとめ、自社株を少しずつ共同で買い付ける仕組みです。社員は本物の株主になるので、配当を受け取れ、株価が下がれば自分が出したお金の価値も目減りします。

ファントムストックは社員の拠出が無く（アイザックのような有償購入型を除く）、配当も議決権もありません。株価が下がっても失うのは「もらえるはずだった報酬」であり、自分の資金ではありません。社員の資産形成を目的にするなら持株会、会社の成長と報酬を連動させたいだけならファントムストック、という使い分けになります。持株会側の損得は[持株会はやめたほうがいい？最新データで判断する加入の損得と続けるべき人の条件](/column/details/12694/)で整理しています。

## 税金と社会保険料：受け取る側と会社側の扱い

### 受け取る従業員・役員の所得区分と源泉徴収

この節では、受け取る人が日本の居住者である場合を前提にします。国外居住者に支払う場合は、国内源泉所得に当たるかどうかと租税条約の適用を別に判定する必要があります。

国税庁は給与所得を「使用人や役員等が支払いを受ける俸給や給料、賃金、歳費、賞与のほか、これらの性質を有する給与に係る所得」と定義しています。勤務先から職務の対価として受け取るファントムストックの現金は、この給与所得（賞与）として課税されるのが原則です。最高税率は所得税45%・復興特別所得税・住民税10%を合わせて55.945%で、税制適格ストックオプションの株式売却益にかかる20.315%（所得税15%・復興特別所得税・住民税5%）より、所得が高い人ほど負担が重くなります。

会社は賞与として支給する場合、原則として通常の賞与と同じく「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で源泉徴収します。ただし、社会保険料等を差し引いた賞与が前月の給与（同）の10倍を超える場合や前月に給与が無い場合は、賞与を6（計算期間が6か月超なら12）で割って月額表に当てはめる方法で計算します。数百万円を一括で支給するファントムストックは、この例外に当たりやすい点に注意が必要です。年末調整の対象になるので、給与収入が2,000万円以下で他に申告が必要な所得が無ければ、本人の確定申告は原則不要です。

退職時の支給でも、自動的に退職所得になるわけではありません。退職所得として扱われるのは「退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与」です。退職後に支給期が来ても、在職者に払うものと同じ性質なら給与等として源泉徴収し、原則として源泉徴収税額表の乙欄を使います。退職所得として設計したい場合は、制度の契約内容をもとに税理士や所轄税務署へ事前に確認してください。

### 社会保険料：厚生年金の標準賞与額と上限150万円

日本年金機構によると、厚生年金保険の標準賞与額の対象となる賞与は「賃金、給料、俸給、賞与等の名称を問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち年3回以下の回数で支給されるもの」です。年1回の決算賞与としてファントムストックを支給すれば、この賞与に当たります。

標準賞与額は税引き前の賞与から1,000円未満を切り捨てた額で、支給1回につき150万円（同じ月に2回以上支給したときは合算して150万円）が上限です。通常の賞与と同じ月にファントムストックを支給すると、上限は両方を合わせて判定されます。厚生年金保険料率は18.3%で固定されており、労使で半分ずつ負担します。1人に400万円を支給しても、厚生年金の計算に使うのは150万円までなので、会社負担は1人あたり13万7,250円（150万円×9.15%）です。健康保険料・介護保険料は加入先の料率で別にかかります。

### 会社側の損金算入：従業員賞与と役員給与の要件の違い

従業員に支払うファントムストックは使用人賞与として損金に算入できます。ただし算入時期には条件があります。支給予定日より前の事業年度で損金にするには、支給額を各人別に、同時期に支給を受けるすべての使用人へ通知し、通知日の翌日から1か月以内に支払い、通知した事業年度で損金経理していることが必要です（国税庁タックスアンサーNo.5350）。期末に引当金を積んだだけでは税務上の損金にならない点は、会計処理と分けて押さえておきます。

役員分は事情が違います。法人税法34条は、役員給与のうち定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与のいずれにも当たらないものを損金不算入とします。ファントムストックは株価に応じて金額が変わるので、定期同額給与にも、確定額を事前に届け出る事前確定届出給与にも当たりません。残る業績連動給与として損金に算入するには、主に次の要件をすべて満たす必要があります。

- 同族会社でないこと（非同族会社に完全支配されている同族会社は可）
- 支給する金銭の額に確定した上限があり、他の業務執行役員と同様の算定方法であること
- 報酬委員会などの適正な手続きを期限内に経て算定方法を決めていること
- 算定方法を有価証券報告書などで遅滞なく開示していること
- 指標の数値が確定した日の翌日から1か月以内に支給し、損金経理していること（引当金を取り崩す方法を含む）

開示の方法が有価証券報告書や適時開示などに限られるため、非上場会社が役員向けファントムストックを損金に算入するのは実務上困難です。オーナー企業が役員にも付与する場合は、支給額がそのまま課税所得に残る前提で資金計画を立てる必要があります。

## ファントムストックの会計処理

### 日本基準：専用基準が無く引当金で処理する実務

ストック・オプションの会計基準（企業会計基準第8号）は、第28項で、報酬額が自社の株価に連動していても「自社株式オプションや自社の株式を用いない限り、本会計基準の適用対象とはならない」と明記しています。現金で支払うファントムストックはこの基準の対象外で、日本基準には現金決済型の株式報酬を直接扱う基準がありません。

そのため実務では、役務を受けた期間にわたって支給見込額を費用として計上し、期末ごとに株価（評価額）に合わせて見積りを修正しています。マネーフォワードは国内非居住の取締役1名に譲渡制限付株式の代わりにファントムストックを支給し、当期の費用計上額を役員報酬の開示に含めています。仕訳の一例は次のとおりです（勘定科目名は会社によって異なります）。

| 時点          | 借方        | 貸方               |
| ----------- | --------- | ---------------- |
| 付与時         | 仕訳なし      | –                |
| 期末（見込額の計上）  | 株価連動報酬費用  | 株価連動報酬引当金        |
| 期末（株価下落で減額） | 株価連動報酬引当金 | 株価連動報酬費用（または戻入益） |
| 支給時         | 株価連動報酬引当金 | 現金預金・預り金（源泉税）    |

株価が大きく動いた期は、費用の計上額も大きく振れます。業績が好調で株価が上がった年ほど費用が増え、利益を押し下げる点は、予算の段階で織り込んでおく必要があります。

### IFRS適用企業：現金決済型として負債を毎期再測定

IFRSでは、ファントムストックはIFRS第2号の現金決済型株式報酬に当たります。第30項は、負債を公正価値で測定し、決済されるまで「the entity shall remeasure the fair value of the liability at the end of each reporting period」と定め、決済日にも再測定して変動を純損益に計上します。持分決済型のように付与日の公正価値で固定されないので、株価が上がり続ける局面では費用が膨らみ続けます。持分決済型との費用の差は[IFRS第2号が定めるストックオプション会計処理の基本構造と適用範囲](/column/details/12458/)に数値例があります。

## 取締役に付与するときの会社法の手続き

取締役にファントムストックを付与する場合、会社法361条の報酬規制がかかります。同条1項は、報酬等のうち「額が確定していないものについては、その具体的な算定方法」を、定款に定めていなければ株主総会の決議で定めるとしています。株価で金額が変わるファントムストックはこれに当たるので、「付与ユニット数の上限×支給時株価」のような算定方法を総会で決める必要があります。議案を出した取締役は、総会でその内容が相当である理由を説明しなければなりません（同条4項）。なお、指名委員会等設置会社では株主総会ではなく報酬委員会が執行役・取締役の個人別の報酬内容を決めます（会社法404条3項・409条）。

取締役でない従業員だけを対象にする場合、361条の総会決議は要りません。その代わり、賞与として支給する以上、支給の条件・算定方法・退職時の扱いを就業規則や賃金規程、個別の付与契約に書いておくことが、後の紛争を防ぐ前提になります。

## 日本企業の導入事例と使われ方の傾向

各社の開示資料で確認できた事例は次のとおりです。導入の目的は、経営陣の中長期の動機づけ、株式を渡しにくい国外居住者への代替、全社員への成果の還元に分かれます。

| 企業         | 対象者          | 時期           | 内容                |
| ---------- | ------------ | ------------ | ----------------- |
| アコム        | 取締役          | 2023年6月運用開始  | 中長期の動機づけと株主との価値共有 |
| ブラザー工業     | 国外居住の外国籍執行役員 | 2020年6月導入    | 株式報酬型SOの代わり       |
| マネーフォワード   | 国内非居住の取締役1名  | 2025年11月期の開示 | RSの代わり            |
| 三菱地所       | 役員           | 2025年度まで運用   | 2026年度にPSUへ移行し廃止  |
| クレディセゾン    | 全社員          | 2025年7月支給    | 決算賞与の一部           |
| アイザック（非上場） | 社員           | 2024年4月導入決定  | 社員が有償で購入する方式      |

### 国外居住の役員向けという使い方

経営陣向けの典型はアコムで、2023年1月31日の取締役会で導入を決め、同年6月から運用しています。開示資料は目的を「経営陣の健全な企業家精神の発揮に資するようなインセンティブ付け」と「株主との価値共有」としています。

ブラザー工業は、取締役と執行役員に株式報酬型ストックオプションを付与してきたなかで、日本国非居住者かつ日本国籍を持たない執行役員だけをファントムストックに切り替えました。マネーフォワードも、国内非居住の取締役1名に譲渡制限付株式の代わりとして支給しています。国外に住む人へ日本株や新株予約権を渡すと、居住国の証券規制や税務、株式口座の手配が絡みます。現金で同じ経済効果を出せるファントムストックは、その手間を避ける手段として使われています。

### 三菱地所のPSU移行：株式と金銭を半分ずつ支給

三菱地所は役員報酬に株価連動型の現金報酬を組み込み、2022年度にはその割合を高めていましたが、2026年3月30日に報酬制度の改定を公表しました。財務指標（ROE・EPS・相対TSR）とESG指標で支給量が決まる業績連動型株式報酬（PSU）を導入し、「現行制度で支給する株価連動型現金報酬及び譲渡制限付株式報酬の変動部分を廃止」しています。PSUは評価期間後に確定した金銭報酬債権額の「1/2を株式、1/2を金銭で支給」する設計で、評価項目には株価変動割合も含まれます。株価連動の要素そのものを捨てたのではなく、財務・ESG指標と組み合わせ、半分を株式で持たせる形に組み替えた改定です。開示資料は目的を、長期経営計画で掲げる「株主価値向上戦略」と「社会価値向上戦略」への役員のコミットメント強化としています。

### 全社員向けと非上場企業での使い方

クレディセゾンは統合報告書2025で、2025年7月に「ファントム・ストックを含めた決算賞与、約100万円を全社員に支給しました」と書いています。株式を配らずに、全社員の賞与の一部を株価に連動させた例です。

上場を目指さないアイザックは2024年4月、社員が仮想株式を有償で購入し、在籍中はいつでも売却できる制度を導入すると発表しました。会社が買い戻すときに時価総額が購入時より上がっていれば差額に5%を上乗せし、下がっていれば購入時の時価総額で買い取るという、社員に損をさせない設計です。付与型ではなく購入型なので、課税関係は一般的なファントムストックと同じとは限りません。

## キャッシュアウトの試算と導入を見送るべき会社

### 30人に付与したときの支払額の試算

ファントムストックの最大の論点は、株価が上がった分だけ会社の現金が出ていくことです。社員30人に各2,000ユニット、付与時の評価額1株1,000円、3年後に一括支給という条件で試算します。

| 3年後の評価額 | フルバリュー型の総額 | SAR型の総額   | 1人あたり（フルバリュー型） |
| ------- | ---------- | --------- | -------------- |
| 1,000円  | 6,000万円    | 0円        | 200万円          |
| 2,000円  | 1億2,000万円  | 6,000万円   | 400万円          |
| 3,000円  | 1億8,000万円  | 1億2,000万円 | 600万円          |

この表に、会社負担の社会保険料が加わります。1人400万円を一括で払う場合、厚生年金の会社負担は標準賞与額の上限150万円で頭打ちになり、30人で411万7,500円です。株価が3倍になればSAR型でも1億2,000万円の現金が要り、評価額が上がった年ほど引当金の費用も増えます。業績が良い年に支払いが重なる構造なので、利益の一部を毎期積み立てる、1人あたりの支給額に上限を設ける、支給を複数年に分ける、といった手当てを最初から組み込んでおくべきです。

### ファントムストックが向かない会社の条件

次のいずれかに当てはまる会社は、ファントムストックより別の制度を先に検討したほうがよいと考えます。

- **手元資金に余裕が無い成長初期のスタートアップ**：支給時に現金が出ていくため、資金を使わない税制適格ストックオプションのほうが合う。非上場での設計は[非上場企業のストックオプション活用方法｜2024年改正を踏まえた発行設計と落とし穴](/column/details/12696/)を参照。
- **評価額の算定方法を社員に説明できない非上場企業**：市場株価が無いので、純資産・類似会社比較・DCFなどの算定式を規程に固定しないと、支給額への不信がそのまま制度への不満になる。
- **対象の中心が役員の同族会社**：役員分は損金不算入になりやすく、支給額に法人税がかかったままになる。

逆に、株主構成を動かしたくないオーナー企業が社員全体に成果を還元したい場合や、国外居住の幹部に株式報酬と同じ動機づけを与えたい場合は、ファントムストックが他の制度より素直に設計できます。

## 非上場企業で設計するときの決めごと

非上場企業では、株価が無いことがすべての設計に影響します。規程と付与契約に最低限書いておくべき項目は次の4つです。

- **評価額の算定方法**：算定式、算定時期、算定する人（社内か外部の評価機関か）。毎年同じ方法で計算することを明記する。
- **支給のタイミング**：権利確定から一定期間ごとの支給か、IPO・M&Aなどのイベント時の一括支給か。イベント型は時期が読めず、社員の待ち時間が長くなる。
- **退職時の扱い**：権利確定前の退職で失効させるのか、確定分は支給するのか。自己都合と定年・会社都合で分けるのかも決める。
- **支給額の上限と原資**：1人あたり・総額の上限、毎期の積立方法。

株式制度を持たない合同会社などでも、「企業価値」の定義を純資産や利益の指標に置き換えれば、近い仕組みを作れます。医療法人の場合は剰余金の配当が禁止されているため、利益に連動する支給が実質的な利益分配と見られないか、別途検討が必要です。どの法人でも、報酬として支払う以上は税務と労務の論点が残ります。

## よくある質問

### ファントムストックとSARの違いは何ですか？

SAR（株式増価受益権）は、付与時からの株価の値上がり分だけを受け取る権利です。ファントムストックは株価そのものに連動する現金報酬の総称で、そのうち値上がり分だけを払う設計がSAR型、株価全額を払う設計がフルバリュー型と呼ばれます。株価が付与時を下回ると、SAR型の支給額はゼロになります。

### ファントムストックオプションやファントムオプションとは何ですか？

新株予約権を発行せずに、ストックオプションと同じ経済効果を現金で再現する制度を指して使われる呼び方です。行使時の株価から行使価格を引いた差額を現金で払う形が多く、中身はSAR型のファントムストックとほぼ同じです。法律上の定義がある用語ではないので、制度の中身は付与契約で確認してください。

### ファントムストックのデメリットは何ですか？

会社側は、株価が上がるほど現金支出と費用が増えること、役員分が損金に算入しにくいことが大きな負担です。受け取る側は、居住者なら給与所得として累進税率（最高55.945%）で課税され、株主としての配当や議決権も得られません。非上場企業では評価額の決め方が不透明だと、制度そのものへの不信につながります。

### ファントムストックを導入している企業はどこですか？

開示資料で確認できる例として、取締役向けに2023年6月から運用しているアコム、国外居住の外国籍執行役員に付与しているブラザー工業（2020年導入）、国内非居住の取締役に支給しているマネーフォワード、全社員の決算賞与に組み込んだクレディセゾン、社員が購入する方式を採った非上場のアイザックがあります。三菱地所も役員向けに株価連動型現金報酬を運用していましたが、2026年度に廃止し、株式と金銭を半分ずつ支給するPSUへ移りました。

### ファントムストックを受け取ったら確定申告は必要ですか？

勤務先から賞与として支給され、源泉徴収と年末調整が行われていれば、原則として確定申告は不要です。給与収入が2,000万円を超える場合や、給与以外に20万円を超える所得がある場合などは確定申告が必要になります。

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出典: [ファントムストックとは？仕組み・税金・会計処理とストックオプションとの違い【2026年】](<https://www.issoh.co.jp/column/details/10308/>)（株式会社一創）
