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title: "ゼロサムとは？意味とゼロサムゲームの具体例・反対語、ゼロサム構造と思考を実数で解説"
url: "https://www.issoh.co.jp/column/details/10211/"
published: 2025-12-10
updated: 2026-10-17
categories: ["ビジネス理論・用語"]
publisher: "株式会社一創"
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# ゼロサムとは？意味とゼロサムゲームの具体例・反対語、ゼロサム構造と思考を実数で解説

ゼロサムとは、参加者の利得を合計するとゼロになる状態を指します。一方が10得れば、どこかで誰かが10失う。全体の取り分は増えも減りもしません。囲碁や将棋、じゃんけんのように勝ち負けしかない勝負が代表例で、反対語は非ゼロサム（全体が増えるプラスサムと、減るマイナスサム）です。ただし「ゼロサムに見えるもの」の多くは、手数料や控除を数えるとマイナスサムに沈みます。令和6年度の宝くじで当せん金に回ったのは売上の46.5%、JRAの馬券の通常の設定払戻率は70.00〜80.00%です。以下、一次資料の数値で順に確認します。

## まとめ：ゼロサムの意味と3分類の見分け方

結論から書きます。ゼロサムかどうかは「参加者全員の損益を足したら何になるか」だけで決まり、足す前に参加者の範囲と期間を決めておく必要があります。

| 観点     | 要点                       |
| ------ | ------------------------ |
| 定義     | 利得の総和が常にゼロ               |
| 起源     | フォン・ノイマン 1928年           |
| 代表例    | 囲碁・将棋・チェス・じゃんけん          |
| 反対語    | 非ゼロサム（プラスサム・マイナスサム）      |
| ゼロサム構造 | 総量固定の枠を相対で配る仕組み          |
| 最頻の誤り  | 控除を数えずゼロサムと判定            |
| 金融の実態  | 宝くじ46.5%・競馬70〜80%＝マイナスサム |

「控除を入れると総和が沈む」「総和が伸びる場面を奪い合いと読み違える」の2点を押さえると、以降の具体例はすべて同じ物差しで読めます。

## ゼロサムの意味と語源｜利得の総和がゼロになる構造の定義

### 定義｜参加者の利得を合計するとゼロになる状態

ゼロサム（zero-sum）は、zero（ゼロ）と sum（合計）を組み合わせた語です。数学やゲーム理論では「ゼロ和」「零和」とも書きます。あるゲームのどの結果を取っても、参加者全員の利得を足すと必ず0になる。これが定義のすべてです。ポーカーで3人が5,000円ずつ失い、1人が15,000円得たなら、合計は0。誰かの黒字は、必ず同額の他人の赤字と対になります。

ゼロサムは「損得の大きさ」ではなく「配分の仕方」を語る概念です。全員が大損しても、総和がゼロでなければゼロサムではありません。動く金額が1円単位でも、総和がゼロならゼロサムに分類されます。

### 起源｜1928年のミニマックス定理と1944年『ゲームの理論と経済行動』

概念の出所ははっきりしています。ジョン・フォン・ノイマンが1928年に「[Zur Theorie der Gesellschaftsspiele](https://doi.org/10.1007/BF01448847)」（Mathematische Annalen 第100巻 295〜320頁）を発表し、二人ゼロサムゲームにミニマックス定理が成り立つことを証明しました。混合戦略まで許せば、双方が合理的に振る舞ったときの**ゲームの値**が一意に定まる、という内容です。最適な戦略そのものが常に1通りに決まるわけではありません。

この成果を経済学へ橋渡ししたのが、オスカー・モルゲンシュテルンとの共著『Theory of Games and Economic Behavior』（1944年、Princeton University Press）でした。数学的な定式化が1928年、学問分野としての成立が1944年です。囚人のジレンマやナッシュ均衡といった非ゼロサムの道具立ては、この土台の上に後から積まれました。全体の見取り図は[ゲーム理論とは？囚人のジレンマとナッシュ均衡を利得表でわかりやすく解説](/column/details/5832/)にまとめています。

### 言い換えと英語表現｜取り合い・点の取り合い・zero-sum game

日本語の言い換えでは「取り合い」「パイの奪い合い」「点の取り合い」「食い合い」が近い意味です。社内文書なら「限られた枠の再配分」と書くと誤解が減ります。英語では形容詞の zero-sum、名詞句の zero-sum game がそのまま使われ、総和が一定のものを含めて constant-sum game と呼ぶこともあります。

なお「ゼロサム」で検索すると、一迅社の漫画誌『月刊コミックZERO-SUM』や電子版のゼロサムオンラインが多く表示されます。名前が同じだけで、この記事で扱う経済・ゲーム理論の用語とは関係ありません。

### ゼロサム構造とは｜総量固定の枠を相対で配る仕組みの見分け方

**ゼロサム構造**は、制度や仕組みの側に「奪い合いにしかならない設計」が組み込まれている状態を指します。個人の考え方ではなく、ルールの性質です。次の3条件がそろえば、誰がどう頑張っても配分の付け替えにしかなりません。

- 配る総量が先に固定されている（予算総額、昇格枠、S評価の人数、市場規模）
- 配分が他人との比較で決まる（相対評価、順位制、シェア）
- 期間中に外から総量を増やす経路が無い（追加予算・新規顧客・新市場が見込めない）

評価ランクの分布を「Sは上位10%まで」のように固定した相対評価は、3条件を満たす典型例です。1人がSを取れば、別の誰かがSから外れます。一方、3つ目の条件が外れる場面、たとえば需要が伸びている市場では、シェアの合計は100%のままでも、売上で見た取り分は各社とも増える余地があります。

似た言葉の使い分けは次のとおりです。

- **ゼロサム状態**：いま起きている局面の描写。市場が伸びず、シェアの移動だけが起きている一時的な状況です。構造（仕組み）と状態（局面）を混ぜると、直すべき対象が制度なのか市況なのか分からなくなります。
- **ゼロサム理論**：ゼロサムゲームを扱うゲーム理論の枠組みの通称です。学術的には「二人ゼロ和ゲームの理論」と呼び、ミニマックス定理が中核です。
- **ノンゼロサム（非ゼロサム）**：総和がゼロにならないゲーム全般。プラスサムもマイナスサムも含みます。
- **ゼロサムバイアス**：総和が固定だと思い込む認知の偏り。心理学ではゼロサム思考とほぼ同義で使われます。

## ゼロサムゲームの代表例｜囲碁・将棋・じゃんけんで見る勝ち負けの総和

### 囲碁・将棋・チェス｜勝ちに＋1、負けに−1を割り当てると成立する理由

ゼロサムゲームの例えで最も分かりやすいのは、1対1で勝敗を決める対局です。勝者に＋1、敗者に−1、引き分けなら両者に0を割り当てると、どの結末でも2人の合計は0になります。囲碁、将棋、チェス、オセロ、テニスのシングルスはすべてこの形です。

ここで大事なのは、ゼロサムかどうかを決めているのが「何を利得として数えるか」だという点です。主催者が賞金を出すタイトル戦は、勝敗だけを数えればゼロサム、賞金を数えればプラスサムです。

### 二人零和有限確定完全情報ゲーム｜チェッカーとオセロは引き分けと判明

囲碁・将棋・チェス・オセロは、ゲーム理論では「二人零和有限確定完全情報ゲーム」に分類されます。2人で（二人）、総和がゼロで（零和）、必ず有限の手数で終わり（有限）、サイコロのような偶然が入らず（確定）、相手の手がすべて見えている（完全情報）ゲームです。このクラスは、双方が最善を尽くしたときの結果が「先手必勝」「後手必勝」「引き分け」のどれかに理論上決まっています。決まっていても、局面の数が膨大で人間にもコンピュータにも読み切れないから勝負になるわけです。

実際に読み切られたゲームもあります。8×8盤のチェッカーは、Jonathan Schaefferらが2007年に[Science 第317巻5844号（1518〜1522頁）](https://doi.org/10.1126/science.1144079)で初期局面から解析し、結論を「checkers is a draw」と報告しました。8×8盤のオセロについては、Hiroki Takizawa氏が2023年10月に[arXiv:2310.19387「Othello is Solved」](https://arxiv.org/abs/2310.19387)を公開し、初期局面のゲーム理論上の値を引き分けとしています（プレプリントとして公開された報告です）。どちらも「互いに最善なら引き分け」なので、勝負を決めるのは相手のミスだけ、ということになります。

### じゃんけん｜各手を3分の1ずつ出すと期待利得が0になる理由

じゃんけんも勝ちに＋1、負けに−1、あいこに0を割り当てれば2人ゼロサムゲームです。違うのは同時に手を出すため相手の手が見えない点で、読み切りという解き方が使えません。

この場合の均衡戦略は、グー・チョキ・パーをそれぞれ3分の1ずつ予測できない形で出すことです。相手が何を出しても1回あたりの期待利得は0になり、相手に期待値の上での優位を与えません。勝ちを保証する手ではなく、1回の勝負では3分の1の確率で負け、有限回の勝負では負け越すこともあります。逆にグーに偏れば、その癖を読んだ相手にパーで狙われます。このじゃんけんのモデルで期待値をプラスにできるのは、相手の手に偏りがあり、それを突けるときだけです。この考え方を数字で扱う方法が、次の利得行列です。

## 利得行列で解くゼロサムゲーム｜ミニマックスと混合戦略の計算手順

### 2社の顧客争奪を落とし込んだ2×2の利得行列

ビジネスの場面に置き換えて解いてみます。市場規模が固定された地域でA社とB社が顧客を奪い合い、それぞれ「値下げ」と「機能訴求」のどちらかを選ぶとします。数字はA社の増減（万円）で、B社の利得はその符号を反転したものです。

| A社＼B社  | B:値下げ | B:機能訴求 |
| ------ | ----- | ------ |
| A:値下げ  | −10   | ＋20    |
| A:機能訴求 | ＋30   | −20    |

両社が値下げでぶつかれば消耗してA社は10のマイナス。A社だけが値下げすれば20取れます。逆にA社が機能訴求でB社が値下げに走れば、A社が30取る。総和は常にゼロです。

### マキシミンとミニマックスがずれるときの混合戦略の求め方

まず純粋戦略で解けるかを確かめます。A社の各行の最小値はマイナス10とマイナス20なので、最悪でも一番マシな手（マキシミン）は値下げでマイナス10。B社側から見た各列の最大値は30と20なので、A社に渡す額を最小化する手（ミニマックス）は機能訴求で20。**マイナス10と20が一致しないため鞍点がなく、確定した最善手は存在しません。**

この場合は混合戦略を求めます。A社が値下げを選ぶ確率をpとすると、B社が値下げで応じたときの期待値は 30 − 40p、機能訴求で応じたときは 40p − 20 です。B社にどちらを選ばれても損得が変わらない点が均衡なので、30 − 40p ＝ 40p − 20 を解いて p ＝ 5/8 ＝ 0.625。B社が値下げを選ぶ確率をqとして同じ手順を踏むと、20 − 30q ＝ 50q − 20 から q ＝ 1/2 が出ます。このときの期待値（ゲームの値）は、どの経路で計算しても＋5です。

A社は8回に5回の頻度で値下げを混ぜるのが最適で、期待できるのは＋5にとどまります。じゃんけんの3分の1ずつと同じ理屈で、片方の手に固定すれば、読まれたときに損をする。ゼロサムの分析が実務に効くのは、この「決め打ちしない」という指針を数字で出せるからです。

### 定和ゲームがゼロサムと同値になる理由

現実の競争は「総和がゼロ」ではなく「総和が一定」であることが多いはずです。市場シェアなら合計は常に100%になります。これを定和ゲーム（constant-sum game）と呼びます。

定和ゲームは、各社の利得から一定値の等分（シェアなら50%ずつ）を差し引くだけでゼロサムに書き換えられます。分析上は同じもので、ミニマックスの手順がそのまま使えます。「厳密にゼロにならないからゼロサムではない」という切り分けは不要です。

## ゼロサム・プラスサム・マイナスサムの違いと反対語｜総和の符号で分かれる3分類

### 総和の符号で分かれる3分類の判定表

総和がゼロなのか、増えるのか、減るのか。分類はこれだけです。

| 分類     | 損益の合計 | 代表例                | 取るべき行動        |
| ------ | ----- | ------------------ | ------------- |
| プラスサム  | プラス   | 株式の長期保有、分業と貿易      | 参加者を増やし規模を広げる |
| ゼロサム   | ゼロ    | 勝敗のみの対局、手数料の無い相対取引 | 相手の手を読む、混合戦略  |
| マイナスサム | マイナス  | 宝くじ、中央競馬、値下げ合戦     | 参加しない、土俵を変える  |

判断を誤りやすいのはマイナスサムです。総和が減るゲームでは、うまく立ち回っても平均的には負けるので、腕を磨くより参加しないほうが期待値が高い場面があります。

### ゼロサムゲームの反対語｜非ゼロサムとウィンウィンの関係

ゼロサムゲームの反対は、用語としては**非ゼロサムゲーム（ノンゼロサムゲーム）**です。ただし非ゼロサムには、全体が増えるプラスサムと、全体が減るマイナスサムの両方が含まれます。「奪い合いの反対＝全員が得をする」という意味で反対語を探しているなら、当てはまるのはプラスサムです。

日常語の「ウィンウィン（Win-Win）」は、プラスサムの中でも当事者の双方が実際に得をした状態を指します。プラスサムでも配分が偏れば一方だけが得をするので、両者は同じではありません。日本の商慣習でこれに近い考え方とされる「三方よし」は、言葉そのものの成り立ちが意外に新しく、経緯は[三方よしとは？読み方・意味と近江商人の原典、1988年生まれの造語である理由](/column/details/9042/)で原典から確認しています。

### 判定を誤る2つの原因｜参加者の範囲とコストの計上漏れ

判定の前に、少なくとも次の2点を確認してください。

1つ目は**参加者の範囲**です。トレーダーどうしの値動きの勝ち負けはゼロサムでも、トレーダーが業者に払うスプレッドは業者の収益になります。トレーダーだけを範囲にすればその分だけ総和は沈み、業者まで含めれば移転として相殺されます（後述のFX）。誰を範囲に入れたかで結論が変わるので、範囲を明示してから足してください。

2つ目は**コストの計上漏れ**です。手数料、税金、値下げで失った粗利、対立に費やした時間。これらを損益に入れると、ゼロサムだと思っていた勝負がマイナスサムに反転することがあります。時間軸を延ばして市場の成長を織り込むと、逆にプラスサムへ反転する場合もあります。**期間と参加者の範囲を決めないまま「これはゼロサムだ」と言うのは、判定として成立していません。**

## 金融とギャンブルの具体例｜宝くじ46.5%・JRA70.00〜80.00%が示すマイナスサムの実態

### 宝くじ｜令和6年度の当せん金は売上の46.5%

[宝くじ公式サイト「収益金の使い道」](https://www.takarakuji-official.jp/about/proceeds/top.html)が公表する令和6年度（2024年度）の内訳では、販売実績額7,598億円に対し、当せん金は46.5%にあたる3,529億円です。残りは収益金が36.2%（2,750億円）、印刷経費・売りさばき手数料などが16.0%（1,218億円）、社会貢献広報費が1.3%（101億円）でした。

購入者全体で見れば、1万円分買って戻ってくるのは平均4,650円。参加者どうしの再分配ですらなく、半分以上が外へ抜けていきます。ゼロサムではなく、はっきりとしたマイナスサムです。

### 中央競馬｜競馬法第八条の下限70%とJRAの設定払戻率

中央競馬は法律で下限が決まっています。[競馬法（昭和二十三年法律第百五十八号）](https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000158)第八条は、日本中央競馬会が払い戻す額を、売得金の額に「百分の七十以上農林水産大臣が定める率以下の範囲内で日本中央競馬会が定める率」を乗じた額と定めています。払戻率の下限は70%です。競輪・競艇・オートレースはそれぞれ自転車競技法・モーターボート競走法・小型自動車競走法が別に定めており、この条文は適用されません。

実際の設定値は[JRA「馬券のルール」](https://www.jra.go.jp/kouza/baken/index.html)が券種ごとに公表しています。

| 投票法   | 単勝     | 複勝     | 枠連     | 馬連     | ワイド    | 馬単     | 3連複    | 3連単    | WIN5   |
| ----- | ------ | ------ | ------ | ------ | ------ | ------ | ------ | ------ | ------ |
| 設定払戻率 | 80.00% | 80.00% | 77.50% | 77.50% | 77.50% | 75.00% | 75.00% | 72.50% | 70.00% |

WIN5の70.00%は法定の下限そのものです。的中の難しい券種ほど控除率が高く設定されています。WIN5は、的中者がいなかった回の払戻対象総額が、その後最初に的中者が出た回の加算金になります（競馬法第九条）。その回だけを見れば戻りが70%を超えることもありますが、加算金の出どころは過去の回の売上なので、繰越しを含む全期間で見れば総和は同じ率で沈みます。宝くじの46.5%と比べれば戻りは大きいものの、参加者全体の総和がマイナスである事実は変わりません。

### 為替（FX）はゼロサムか｜業者との相対取引とスプレッド

同じ通貨ペアを同じ時点で売買した2人を比べれば、買い手が得た分だけ売り手が失うので、その2人の間はゼロサムです。

個人が使う店頭FXでは、取引の相手方は他の個人ではなくFX業者です。[金融先物取引業協会の解説](https://www.ffaj.or.jp/learning/?p=17)は、店頭FXは顧客と業者の相対取引なので「顧客の利益は、そのままではＦＸ業者にとって損失となってしまいます」と書き、そのため業者は銀行などへ同じ注文を出すカバー取引でリスクを抑えていると説明しています。ただしカバーの頻度や金額は業者ごとに異なり、カバーしていない分は顧客との利益相反が残るとも書かれています。業者は売値と買値の差（スプレッド）を収益源の一つにしています。

顧客全体の値動きによる損益は、ポジションの偏りと相場次第でプラスにもマイナスにもなります。そこから取引のたびにスプレッドが差し引かれ、ポジションを持ち越せばスワップポイントの受払いも発生します。コストは顧客全体の損益を必ず押し下げ、回転数を上げるほど累計額は積み上がります。相場の振れ幅そのものの見方は[ボラティリティとは？意味と読み方、高い・低いの目安を実数で解説](/column/details/9991/)で扱っています。

### 株式｜配当と利益成長が生む非ゼロサム性

株式がゼロサムかどうかは、期間の長さではなく、何を利得として数えるかで決まります。株式には企業の利益から支払われる配当があり、これは売買相手から奪ったお金ではなく事業活動で生まれた価値です。企業が利益を伸ばせば株主全体の取り分が増え得るので、市場全体の収益は非ゼロサムです。ただし増え得るというだけで、値下がりを含めた総収益がマイナスになる年もあります。

整理に使えるのが、ウィリアム・シャープが1991年に[Financial Analysts Journal（第47巻1号 7〜9頁）](https://doi.org/10.2469/faj.v47.n1.7)で示した「アクティブ運用の算術」です。市場全体の平均リターンに対して、アクティブ運用の集合が上げる超過収益はコスト控除前でゼロサム、コスト控除後ではマイナスサムになり、シャープはこの関係が「どの期間についても成り立つ」と書いています。市場全体の取り分が増え得るとしても、**「他の投資家より上手くやる」という土俵に限ればゼロサム以下**です。同じ市場でも、何を競っているかで分類が変わります。

## ゼロサム思考の定義と弊害｜20,400人調査が示す傾向と抜け出す手順

### 定義｜AER 2026年3月号の20,400人調査が測った信念

ゼロサム思考とは、本来ゼロサムでない場面まで「誰かが得すれば自分が損をする」と捉えてしまう認知の癖です。学術的にも測定対象になっています。Chinoy、Nunn、Sequeira、Stantcheva の共著論文「[Zero-Sum Thinking and the Roots of US Political Differences](https://doi.org/10.1257/aer.20240692)」（American Economic Review 第116巻3号、2026年3月、1052〜1096頁）は、米国居住者20,400人を対象に新たな調査を行い、ゼロサム思考を「ある個人や集団の利益は他者の犠牲を伴いがちだ、という信念」と定義しました。

同論文は、この思考の強さが再分配政策や移民政策への態度と強く結びついていること、本人と先祖の世代間移動の経験までさかのぼってたどれることを報告しています。因果関係を同定したものではなく、回答にみられる相関の遡及です。ただし、個人の性格というより置かれた環境から形づくられる見方だという整理は、同論文が明示しています。

### 職場での兆候｜相対評価と固定予算が生む行動

組織のなかでは、次のような形で表面化します。他部署の成功を素直に喜べない。情報を共有すると自分の価値が下がると考えて抱え込む。評価ランクの分布を固定する相対評価制度が、同僚の失敗を待つ空気を生む。

先の論文が扱ったのは国や世代をまたぐ経済的な移動で、社内の昇進は検証の対象外です。そのうえでの推測ですが、昇進枠が何年も空いていない部署では、同じ見方が固まりやすいと考えられます。**前章のゼロサム構造の3条件を制度が満たしているなら、それを「思考の癖」として個人に帰責するのは的外れです。**直すべきは仕組みのほうです。会社全体の市場や予算が伸びていても、本人に適用される評価枠や部署予算が固定されていることがあります。本人に適用される制度を先に確認し、それでも枠が伸びているのに奪い合いだと感じているなら、認知の側を疑います。

### 抜け出す4ステップ｜パイの再定義から始める手順

昇進枠の取り合いを例にすると、次の順に確かめていくのが一つの手順です。

1. いま何を取り合っているのかを具体的に書き出す（顧客数、予算、評価枠など）。
2. その総量が本当に固定かを数字で確認する。伸びているなら、前提が誤っています。
3. 固定なら、取り合う対象そのものを変えられないか検討する。顧客層をずらす、提供価値を変える、といった打ち手です。
4. 相手と交渉する場面では、争点を1つに絞らず複数の条件を持ち込む。価格だけの交渉は総和が動かないゼロサムですが、納期や数量、契約期間を加えると双方の取り分が増える組み合わせが見つかります。

3番目の「対象を変える」は、競争の少ない領域を選び直す発想と重なります。考え方は[ブルーオーシャン戦略とは？レッドオーシャンとの違い・見つけ方と事例（QBハウス・Wii・ユニクロ）](/column/details/6522/)を参照してください。

## ビジネスと経済でのゼロサム｜短期のシェア争いと長期の市場成長の分かれ目

### 市場シェア｜シェアは常に定和、売上は市場の伸び次第で非ゼロサム

シェアの合計は市場規模の増減にかかわらず必ず100%なので、シェアを利得として数える限り、シェア争いは常に定和ゲームです。1社が5ポイント取れば、他社が合計5ポイント失います。売上額を利得として数えるときだけ、市場規模が一定かどうかを確認する必要があります。シェアの何%を目標にするかの目安は[クープマンの目標値とは？7つの市場シェア基準（73.9%から2.8%）の意味と使い方](/column/details/10559/)で整理しています。

市場規模100億円が年10%伸びて110億円になったとします。シェアが30%から28%に下がった企業の売上は30億円から30.8億円へ増えますが、25%まで下がれば27.5億円に減ります。市場が伸びていれば、シェアの低下が小さい企業は売上を増やせる、という条件付きの関係です。シェアだけを見て奪い合いだと決めつけると、新規需要の開拓に振り向けるべき資源を、既存顧客の取り合いに投じてしまいます。参入のしやすさで市場の構造が変わる点は[参入障壁とは？意味と7つの種類・高い業界の具体例をわかりやすく解説](/column/details/7292/)で扱っています。

### 値下げ合戦｜売り手の総和が縮むマイナスサム

価格競争はゼロサムと呼ばれがちですが、売り手だけを集計範囲にするとマイナスサムになる場面があります。需要がほとんど増えず費用も下がらない市場で、A社が値下げしてシェアを奪い、B社が同じ幅で追随すれば、シェアは元に戻り、売り手全体の売上と利益だけが減ります。減った分の多くは値下げとして買い手に移るので、買い手まで含めれば移転です。値下げで需要が大きく伸びる市場では、売り手の合計が増えることもあります。

この構図に落ちる一因として、製品の差が顧客に伝わっていないことが挙げられます。同質化した市場からの抜け出し方は[コモディティ化の具体例とは？PC・テレビの価格指数と脱却の4類型](/column/details/5887/)で扱っています。

### ゼロサム社会｜サローが1980年に示した「損失の配分」の行き詰まり

「ゼロサム社会」は、MITの経済学者レスター・サローが1980年の著書『[The Zero-Sum Society](https://www.hachettebookgroup.com/titles/lester-c-thurow/the-zero-sum-society/9780465085880/)』（Basic Books）で広めた言葉です。日本では翌1981年に岸本重陳訳『ゼロ・サム社会』（ティビーエス・ブリタニカ）として出ています。

版元の紹介文によれば、同書はマクロ経済をゼロサムゲームとして読み、インフレ・低成長・環境といった問題は、社会の一部の人々が税や政策の負担をまともに引き受けることを政治経済が受け入れるまで解決しない、と論じました。どの解決策にも損をする側が出るため、誰に損を割り当てるかで合意できずに政策が止まる。これがゼロサム社会の意味で、取り分の奪い合いというより「損失の配り方」で行き詰まる社会を指しています。

### 貿易と国際関係｜「ゼロサム」と呼ぶときに外れる前提

「経済はゼロサムだ」「貿易は相手国から富を奪う行為だ」という言い方は、経済ニュースでもよく登場します。ここには前提の誤りがあります。財やサービスの総量は生産によって増えるからです。リカードが1817年に示した比較優位の考え方のとおり、得意な分野に特化して交換すれば、国全体で見た取り分は双方とも増えます。総和は固定されていません。

ただし、国全体の総和が増えることと、国内の誰もが得をすることは別です。輸入品と競合する産業では雇用や所得が失われ、その層にとっては実際に奪われる構図になります。「経済全体がゼロサム」という説明は誤りですが、「この産業のこの局面はゼロサム」は正しいことがある。**どの範囲とどの期間を切り取っているのかを明示すれば、この二つは混同しません。**

## よくある質問

### ゼロサムとはどういう意味ですか？

参加者全員の利得を合計するとゼロになる状態を指します。zero（ゼロ）と sum（合計）を組み合わせた語で、一方が得た分だけ他方が失うため、全体の取り分は増減しません。ビジネスでは、予算や評価枠のように総量が固定された枠を相対で配る仕組みを「ゼロサム構造」と呼びます。日常語では「取り合い」「パイの奪い合い」「点の取り合い」が近い言い換えです。

### ゼロサムゲームの代表例は？

囲碁・将棋・チェス・オセロ・じゃんけんのように、勝者に＋1、敗者に−1を割り当てられる1対1の勝負が代表例です。現実の取引や賭け事には手数料や控除が入るため、多くは厳密なゼロサムではなくマイナスサムです。宝くじは令和6年度で当せん金が売上の46.5%、JRAの馬券は通常の設定払戻率が券種により70.00〜80.00%です。

### ゼロサムゲームの反対は何ですか？

用語としての反対は非ゼロサムゲーム（ノンゼロサムゲーム）です。非ゼロサムには、全体の取り分が増えるプラスサムと、減るマイナスサムの両方が含まれます。「全員が得をする」という意味の反対語を探しているならプラスサムが当てはまり、当事者の双方が実際に得をした状態は日常語でウィンウィン（Win-Win）と呼ばれます。長期の株式投資や分業にもとづく貿易がプラスサムの例です。

### 株やFXはゼロサムゲームですか？

何を利得として数えるかで答えが変わります。株式は企業が生む利益と配当で全体の取り分が増え得るため、市場全体の収益は非ゼロサムです（年によっては値下がりで総収益がマイナスになります）。一方、シャープの「アクティブ運用の算術」のとおり、市場平均を上回ることを競う超過収益は、期間に関係なくコスト控除前でゼロサム、控除後でマイナスサムです。為替は売り手と買い手の間ではゼロサムですが、店頭FXでは顧客がスプレッドやスワップを負担するため、顧客の損益はその分だけ押し下げられます。

### ゼロサム思考とは何ですか？

本来はゼロサムでない場面まで「誰かの得は自分の損」と捉える認知の癖です。同僚の昇進を自分の機会損失と感じる、情報を共有すると立場が弱くなると考えて抱え込む、といった形で現れます。American Economic Review 2026年3月号に掲載された研究は、米国居住者20,400人を対象にこの傾向を測定しました。制度そのものがゼロサム構造になっている場合は、個人の考え方ではなく仕組みを直す必要があります。

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出典: [ゼロサムとは？意味とゼロサムゲームの具体例・反対語、ゼロサム構造と思考を実数で解説](<https://www.issoh.co.jp/column/details/10211/>)（株式会社一創）
